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雨宮水月
2025-08-03 09:15:55
11523文字
Public
企画
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第3回 誰の文章だゲーム 三題噺編
参加者7名の中で、どの作品を誰が書いたのか当ててみよう!
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【作品C】
「薄氷を踏むって言い回しあるじゃん? あれ意味分かんなくね?」
「ハクヒョー? どこらへんが?」
「だってさ、見たらわかるじゃん」
「あ~ね、それは分かる。あれでしょ、なんか、普通に薄いしね」
「てかさ、あれ踏んで割れたらどうなんの?」
「池とかに落ちんじゃね?」
「いや普通池の上とか歩かんし! やっぱ馬鹿じゃん、絶対薄氷を踏むことないわ」
「いや、今なってるし」
──寒風、マイナス二十度。
女子高生二人、助けもなく、厳冬の湖上に置き去り。
そもそもなぜこうなった?
「記憶がねぇ~!! あははっははぁ!!」
寒さの極限状態のため、ユカはこの状態だ。 うわ言ばっかり言うので、私は口を動かさないようにしてる。口開けると、凍ってくるのやばすぎ。
「ってか、喋ってると死ぬよ~」
とりあえず口だけでも閉じさせよう。 燃料って思ってたけど、キャンディーをあげる。ユカは、ほえ~と言いながら、キャンディーを口に放り込む。
「死ぬんか~」
防寒着もないまま、 氷の湖上に置き去り。人影があったと思ったけど、クマとかかもしれないし、どのみち下手に刺激したら、こっちが狩られるかもしれない。ワンチャン、ユカが覚醒するかもと思ったけど、巻き添え食いたくないってなった。
「って、いつの間に手袋見つけたん」
「え、あっちのお兄さんがくれた。優しすぎ~」
同じように、ここに連れてこられた人が、 ぐずぐずになって死んでる。やば、クマにやられたんか。ってか、ユカあれから剥いだん?
「薄氷踏んでね
……
?」
危険に足を踏み入れるのが、薄氷を踏む、で、じゃあ危険の方からやって来たら、何? って話になる。
視界の端に部活の顧問が見える。いや嘘だろ、 おじいちゃん先生は一番ヤバいって。 研究ばっかでろくに鍛えてないんだから、と、考えて、ふと気づく。幻覚だわコレ。あ、でも普通に弟とか、パパとかママとかいるから、これ違う、ソーマトーってやつだ。
とか言ってる間に関節も凍るよ~(泣)
「救助信号届かね~、ユカ起きてる~?」
「スマホも壊れた!! あははは!!」
万事休すか、きゅうすって何? バンジーできゅうすは流石にお茶こぼれね?
……
だめだ、頭がおかしくなってきてる。
まだだ、め。
「回収したぞい」
「最悪~、おじいちゃん先生に殺されかけた~」
「極限状態での耐久実験じゃから、仕方ないぞい」
きろく:268 時間 57 分 55 秒!!
「生体ユニットは凍傷で破壊されたが、重要なテクニカルウェポンには損壊はなかったぞい」
おじいちゃん先生が白い手袋越しに、ユカを撫でる。
「これで精鋭部隊を送り込んで、極地から敵を奇襲できるぞい」
「あ、もしかして、もう準備できた感じ!?」
「そうじゃ」
まぁ、 ユカみたいに、バイオロイドの養成の課程で不適格を喰らった生体でもそれだけ動けんだから、科学の勝利って感じだよ、最悪。
「これでさらに優秀なバイオロイドを送り込んで、残る抵抗者を抹殺するんじゃ」
「やた~!! ねね、これ終わったらスタボ行かん? 決戦前にさ~!! 人類鏖殺だ~!!」
「ん、私はパス。流石に生体パーツ交換したいわ」
「え~、兵士なんだからあんま関係なくね? ネイルとか、喉笛引き裂く以外使い方知らんし!!」
馬鹿、おしゃれとか色々あるだろ。
さて、抵抗者として施設に潜り込んだはいいものの、 こいつらヤバイわ。倫理観が終わってる。どっから破壊していいのか困る。
でもまぁ、運よく被検体に選ばれたから、計測結果に茶々入れることできたかな。あの環境で生身の人間が耐えて、しかも敵のバイオロイドを助けてるとか、誰も思わんでしょう。
……
これも、家族の復讐のためだから。
「あ~。マジで薄氷だわ」
あとは、その精鋭部隊とやらが、シベリアで瓦解するのを祈るだけだ。
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