【可惜夜廻】

『「すみません、よくわかりません。」』
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夜廻パロ/まとめ読み版




「ちょいといいかい? そうそう、アンタのコトだよ兄さん」


「思い詰めた顔をしてらっしゃるんでね。つい声をかけちまった」


「ああ、そんな警戒しなさんな。オレはただの〈山の代理〉だよ」


「マ、オレのことはどうでもいい。大事なのはアンタの気持ちだ」


「いやぁ、此の度はお可哀想に! ただ一つの願いも叶わず、ただ守られるだけの生活なんて! オレにはとても耐えられないなァ」


「いや、耐えられないのが当然なんだ。耐えるヤツは心がどうかしてる」


「それにアンタはずっと十二分に頑張ってたんだ。今更ほんの少しサボったって、誰も咎めやしないサ」


「アンタが悪い? まさか! アンタはよぉく頑張ったよ。誰もアンタを責めはしない、何もアンタを罰しはしない」


「むしろ褒美があるくらいだ。それも、とびっきりにとっておきのがな」


「オレには見えるんだ。うん、随分と素敵な光景が広がってるなァ。アンタが皆に守られること無く、アンタが皆を支えて生きてる穏やかな日々ってやつだ」


「アハハ、本当だって。嘘だと思うなら覗いてみな。ほぅら、あそこあそこ。高いからそこの箱に登ると良い。そう、そのまま




「真っ赤な縄の輪っかの中には、楽園だけが広がってるんだ」