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sunny_seven224
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HQ【治北】ログ
HQ
治北のSSまとめです
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25.6.7 ワンドロ「声」「足先」
風呂で一日ぶんの疲れを洗い流し、涼もうと縁側に向かったが夕方から降り出した雨が未だ止んでおらず、仕方なく自室に入った。
恵みの雨だとは言うが、昨今の異常気象でそれは時折牙を見せる。昨年だか一昨年だかに隣町は甚大な被害を受けた。明日は我が身、と身構えようにも結局人間は自然に全く歯が立たないのだ。
苦笑する。寝る直前まで頭が仕事モードの自分に。
かぶっていたタオルを首にかけてほったらかしにしていたスマートフォンを手に取った。プライベートなものではあるがほとんど仕事でしか使わないそれはなんの飾り付けはなく、中身も必要最低限のアプリしか入ってないし未読の知らせもないそっけないものだった。
最近は鎬を削った仲間たちの一日を振り返るのが寝る前の楽しみになっていた。特に後輩たちはそれらを上手に扱っていて
――
メディアに取り上げられる仕事をしているから当たり前なんだろうが
――
こまめに更新している。自分の身に起きたほんのわずかな出来事、同僚のふとした瞬間、それにツッコミを入れる仲間
…
今では遠い存在になってしまったけれど、そこに写る顔は高校生の頃とほとんど変わってなくてつい顔を綻ばせてしまう。
「
…
あいつんとこ今日も更新ないんか」
バレーボールの才能を持て余すほどありながら高校できっぱりと辞めて飲食の道に進んだ後輩の店のSNSは、2日前を最後に更新が止まっていた。「俺こういうの実は苦手なんすよね。だから若い子に任せてます」と苦笑いしていたのを思い出す。それは自分も一緒でアカウントは持ってはいるけれどほとんど放置気味で、見かねた弟が更新してくれている。
「もう終わってる頃やろか」
その後輩、治は、仲間であり得意先であり、恋人であった。
最後に顔を見たのはいつだったか。先日の納品が最後か。お互い慌ただしくしていてろくに挨拶も出来ず店を後にした。
「声、聞きたいな」
つぶやいておきながら驚いた。俺、こんな女々しかったか
…
?
握ったままのスマホが突然震え出して体がビクついた。
画面に浮かぶ名前は。
「あ、お疲れ様です。今大丈夫すか?」
まるで自分の心を読んだかのようにタイミングよくかかってきた電話に驚きながらも「風呂上がったとこや。そっちこそお疲れさん」と返した。
「雨きつなってきたな。車やろ?気ぃつけて帰、」「なぁ北さん、」「え?」
遮られて思わず気の抜けた声が出てしまった。
「なぁ北さん、このまま帰ってえぇの?」
「は?」
「ていうか帰れ言われても、」「ちょ、お前、どこに、」
まさかと思い自室を飛び出し縁側へまわる。暗くてよくわからないが目をこらすと玄関先に車が停まっているのが確認できた。
「お前
…
」
「この雨でしょ?客足落ち着いてきたから早めに切り上げたんです」
「だからって」
言葉が続かなかった。
単純に嬉しかった。
今までもささやかながらも色恋には興味があったし経験はある。だけど治との交際は今までとは全く違っていて、知らない自分がどんどん出てきて戸惑うことがあった。
今だってそうだ。仕事終わりに土砂降りの中駆けつけてくれたことに対して、咎めるより前に「嬉しい」が出張っている。
「
…
俺、こんな甘やかされてこの先どうなんねやろ」
「ずーっと俺が甘やかす所存ですけど」
「
…
縁側からでえぇからはよ上がってこい。風呂沸かし直すわ」
「その前にして欲しいこと、あるんとちゃいます?」
余裕そうな笑顔が浮かぶ。それにほだされている自分に少し腹が立つが今はそれどころじゃない。
「
…
じゃあはよ来い。来て俺のこと包んで。頭から足の先までぜんぶ」
しっとり濡れたあたたかい体に包まれるまで
あと数分
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