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sunny_seven224
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HQ【治北】ログ
HQ
治北のSSまとめです
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新年を共に迎える
「新年をふたりで迎えたい」と言ったのは意外にも北さんで、それを告げられた時俺はアホみたいな顔で固まった。
「なんやそのアホみたいな顔」
「や、だって
…
正月ですよ?お家の方とか
…
」
「お家て」
中学生か、と笑ってカウンターでお猪口の日本酒をあおる。
高校の時から拗らせていた恋がようやく実ったのはつい最近で、しかも実は両思いだったことを知った時「はよ言うてくださいよ!」って詰め寄った。
で、まぁなんやかんや人通り騒いで晴れて恋人同士になったわけだが、まさかこんな積極的に誘われるとは思ってなかった。そらアホみたいな顔になるわ。
「俺かてえぇ大人やで」
「知ってますけど意外でした」
「好きな奴と新年迎えたいて思うのはあかんか?」
「あかんわけないでしょ!キスしていいですか?」
「アホか」
笑う顔がたまらなくて他に客がいないのをいいことに、カウンターに身を乗り出し頬にキスをした。
大晦日。
稲荷崎の忘年会も無事終わり「サムだけずるい!俺も行きたい!」と騒ぐ片割れを角名と銀と先輩方に頼んで連れて帰ってもらい、北さんとふたりきりになった。
カウンターでお茶をすする北さんに「ソッコーで片付けるんでちょっと待っててくださいっ」と声をかけのれんを下ろしに外へ向かう。
「ゆっくりでえぇからちゃんとせぇよ」と後ろから主将だったあの頃のような声がして、思わず「はいっ」と部活さながらの返事をしてしまい、でもそれが北さんにウケて「部活か」とツッコミをいただいた。
「えぇめっちゃ笑てくれはるやん」
「そんなんえぇから早よやれ」
あ、主将に戻ってもた。
付き合い出して日が浅いとはいえ、もうちょっと気ぃ抜いてくれはったらいいのに。
掃除と片付けをして戸締りをし『謹賀新年』と書かれた紙を貼って、年内の仕事は全て終わった。
「これ貼ったら年末やなぁて感じがするんすよね」
「せやなぁ」
そうつぶやいて俺の手を取った。
「北さん?」
「1年よぉ頑張ったな、お疲れさん」
優しく撫でられ手の甲にキスをしてくれたもんやから、思わず抱きしめてしまった。
「おい、外やぞ」
「あんなんされたら無理ですよ」
回した腕に力を込め、北さんの肩に顔をうずめる。北さんのぬくもりが冷えた体に沁みた。
「今ので今年ぶんの疲れ吹っ飛びました」
「そぉか」観念したのか俺の背中に北さんの腕が回った。
「北さんも、1年お疲れ様でした」
「おぅ、おおきに」
「キスしていいですか?」
「
……
ほんまはそれがしたくてお前の手ぇ握った、って言うたら引くか?」
いつもの淡々とした口調だが顔を見るとほんのり赤かった。
「
…
赤いのは、酒のせいですか?」
「
…
さぁな」
つぶやく唇に自分のを重ねた。北さんの好きな日本酒の味。
「
…
これ以上やったら俺飲酒運転すね」
「続きは帰ってからな」
「ほなはよ帰りましょ!じゃないと俺止まらんくなる!」
「それは困るわ」
ほんまに困ってそうな顔が可愛くて「最後にちょっとだけ」と断り頬にキスをして、手を繋いで駐車場へと向かった。
「さむ
…
」
まだ薄暗い部屋は自分ん家ではなく古い立派な日本家屋の一室で、寝ている場所もベッドではない。
やっぱりマンションより冷えるな、と布団に入り直し綺麗な寝息を立てて眠る北さんを見た。
「かわいすぎる
…
」
小さい声でつぶやき額にキスをした。
ぐっと腕を伸ばしてスマホを探し時間を確認すると、仕事ならばお互いもう起きる時間だった。
習慣てすごいな、アラームすら鳴ってへんのに。
どうやらそれは北さんも一緒のようで、しばらくしたらゆっくり目が開いた。
「
…
おさむ
…
?」
「おはようございます、今日はまだ寝てていいですよ」
「何時
…
?」
「俺らが普段起きてる時間ぐらい」
「はは、習慣はすごいなぁ
…
感覚で起きてしもたわ」
「俺もです」
クスクス笑い合って北さんをぐっと抱き寄せた。
「
…
治、くっつきすぎや苦しい」
「色々思い出しました?」
「
…
アホ」
北さんの顔は俺の胸板に押し付けられて見えないけど、多分恥ずかしくて不貞腐れた顔をしてる。
綺麗なまるい頭のてっぺんに唇をくっつけた。
「ねぇ、北さん」
「ん?」
「キスしていいですか?」
「お前、毎回聞くよな」
「なんかお伺い立てんのが癖になってしもたみたいです」
「あははっなんやそれ」
ごそごそと布団から顔を出したかと思えば、北さんの唇が俺のにくっついた。
何が起こったかわからず、アホみたいな顔して固まる。
「またアホみたいな顔してるやん」
「や、だって
…
」
「そんなん、お伺いなんか立てんとなんぼでもしたらえぇやんか」
ほんまにもう、この人は。
「もぉぉ好きです!」
「おぅ、俺もや」
「ちゃんと好きって言うてくださいよ!」
「めんどくさいやっちゃなぁ」
1月1日
俺の新年はとびきり幸せな日となった。
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