akinoshiroihana
2025-05-11 21:07:55
14727文字
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ノーマルぷらいべったーゲッターネタ倉庫03




隼人が風邪をひいている

うーん、じゃあ、すりりんごでも作ってくれるかい
もう火の元にはいかないでくれ、また何かやらかしそうで怖いよ
ベッドから身を起こして氷嚢を頬や首筋にあてたり、パジャマをはだけてきれいに隆起している胸の上に置いてみたりしている彼が、熱にうかされ潤んだ目をし、いつもより軽々しく人に触らせる。その弱々しさ非日常性を、かわいらしさ、と言うのはおかしいだろうか。竜馬は、その弱り過ぎ儚すぎる(主観)同胞の寝姿をただ見守るしかない
洗濯糊みたいになった不気味な色のお粥を、平気だよ登山の携帯食のアルファ米だって美味いかっていや微妙だし、ちょっと濃厚な重湯だとでも思えば、などと、病人神隼人は優しかった(主観)。
だいたい糊みたいになっちまったって言ってもさ、『雀のお宿』で雀がおばあさんに舌を切られたのって、その洗濯糊をついばんだせいじゃなかったっけ。『舌切り雀』をやや少し上品なタイトルで呼ばれる。「だから先入観無しなら美味い物にも見えるんじゃねえかな、これも」そう言い二口、三口食したあと、しかし彼はごちそうさま、残して悪い、とスプーンを置き、薄い唇を舐めた。
ああ、あのかわいい舌に酷い事をしたから雀はお宿に逃げ帰るんだったか(主観)、そうか、ちょっと酷い事したくならないこともないなどとある意味納得の境地に至りそうに(主観で)なれば
「おいリョウ、指まで摩り下ろさないでくれよ」
「うん、えっ?あいたたたた」
「ほら、言った先から」
リンゴから手を離せって、と白いけれど今は熱い指にとらえられて、ぬかるんだ熱い感触が指先に来て、いけないこれは俺にも風邪がうつるのではないか、いや、うつったんだろうかと訝しんでいれば、おおいメカザウルスが出たってよ、と武蔵が呼びに来ている、いやそれどころじゃないんだそれどころじゃあ(主観)と竜馬は。


(了)