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RonpaDearB



:)3章
そろそろ人が居なくなるのにも慣れてきた?

全然悲しい?ふーん。でも大丈夫!

またいつかどこかで会えるよ!絶対なんて保証はしないけど!

――――

《全く、いつになったら自主的に事件起こす気になってくれるわけですか?》

もうしょうがないなあ、なんて言いながら機械音声はどこか楽しげだ。

それから提案されたのは、“秘密の暴露”。
誰にだって隠したい秘密の一つや二つや三つ……あるものでしょう!

《例えばそこの暑灘蠅くん 彼が男で名前も嘘だとか知っていましたか?》

名指しされた蠅はびくりと肩を震わせた。
息が苦しくなるような気がする。顔を覆うヘルメットは無くなったが、代わりに酸素マスクをつけていると言うのに。

《誰だって 本当の名前で呼ばれたいものだと思うんです!》

《今度からは本当の名前で……“永世墓友くん”って呼んであげてください!》

どうしようもない絶望感。覆い隠していた名前と共に、蠅……墓友の脳裏に記憶が蘇ってくる。

目の前が見えなくなるほどの記憶の濁流に、墓友はのまれていった。

――――

アダム「……起きたか。調子はどうだ」

あたりにはいい匂いが漂っている。墓友は自身が倒れ、そして寝かされていたことを理解した。
アダムはぐるぐると鍋をかき混ぜている。こちらをチラリとも見ようとしていない。

墓友は答えない。無視されたのか、とアダムはただ思った。
まあいい。今はこのシチューが焦げ付かないかの方が心配だ。

人が死んだ。家族になりたいと願った女も、友達だった男も。
俺を頼れば助けてやったのに、とか。色々思うところはないでもない。

けれど全部、もう過ぎてしまった出来事だ。何をしたって戻って来はしない。
ならばこの先は、小指のかけらほどの思い出を大事に思い返して生きていかなければならないのだ。

恋茨「はあ、聞かれたんだから何か答えてあげれば?ガキでもそれくらいはできるでしょう」
永世「うっさい……はえ。見てわかるでしょ、全然元気でも大丈夫でもないことくらい」

生意気なガキだな、とめろは思った。こんなの心配した私がばかだったのかもしれない……と思ってやめた。
確かに、今の墓友は全くもって“大丈夫”な人間には見えない。

めろは墓友のことなどまるで知らなかった。知ろうとも思わない。
彼のアイデンティティの根源なんてどうでも良かったけれど、ただ苦しそうなのは見ていられない。

コロシアイなんて早く終わればいいのに。こんなところを終の住処にするつもりなんて、めろにはなかった。

オパール「:) 何つくってるの? おいしい食べもの?」

閻舞と連れ立ってきたオパールが、鍋の中身を覗き見ている。
ぴょんぴょんと擬音がつきそうなオパールの様子とは反対に、閻舞の纏う空気は重たいものだ。

閻舞はこのごろ、自分がもうどうすべきなのかがわからなかった。
言葉を交わした相手がどんどんといなくなっていく。さらには、互いを疑心暗鬼にするような動機まで配られた。

自らに配られた秘密が誰のものなのか、そして自らの秘密を持つのは誰なのか。閻舞は怖かった。
そんな人、いるとは思いたくないが……握った秘密を盾にし、脅しをかけてくる人物がいるかもしれない。

はっと我にかえると、オパールがこちらに向かってシチューの乗った皿を差し出していた。

服部「これ……いただいていいんですか?」

閻舞はオパール、それからアダムを順番に見る。
オパールはニコニコしながら頷き、アダムはこちらを一瞥しただけだった。

――――

誰に自分の秘密を握られているのか。配られた封筒に名前が書かれていればまだ良かったのだが、中身を見ないと判別できないようになっているらしい。
もしも運よく自分の秘密が自分のところに来ていたら……と曇天は嘆いた。彼が運が良かったことなんてないと言うのに。

こんな時天照くんがいたらなあ、と考えてしまう。
彼ならきっと、なんとかしてくれるのだろう。こんな重たい空気も跳ね除けてしまって、それから。

ああ。なんでいなくなっちゃったの、天照くん。
……俺のせいか そーだよなあ。

そんな風に、メソメソと泣いている曇天を夜真は見てしまった。
平気かよ、なんて声をかけることもできなくって、けれどこのまま見捨てるのもなんだかできなくて。どうするべきか右往左往している。

夜真は自他共に認めるコミュ障だ。ここで声をかけたところで多分、あんまり曇天の力になることはできないのだろう。
それどころか、もっと泣かせてしまうかも。

もっと人のことを気にせず生きていられたなら、どれだけ良かったことか。
泣いている人を放っておけるくらい人の目を気にせず生きていたら、夜真はコミュ障なんかじゃなかったのかも。

空「……何をしているんだ?二人とも」
夜真「うっわ!……驚かせんなよ、心臓、止まるかと思った……
空「それは悪かったな」

なんだか微妙な距離を保っている二人を見かけて、空は興味そのまま声をかける。
夜真はオロオロしてるし、曇天は泣いているしで……喧嘩でもしているのかと思ったが、どうも違うみたいだ。

勘解由「え、特に何もしてなかったけど……お二人はいつからここに?」

曇天のその返しに、空はなんだか気が抜けた。
人様の秘密なんていうとんでもないものが配られたものだから、気を張っていたというのに……まあ、平和ならそれでいい。

早く帰りたいものだと思う。
そうしたら、お気に入りの少女漫画を一気読みしてやるのだ。

――――

生まれた時からレールを敷かれた人生って、楽しいと思う?

挫折も何もなく、決められた目的地に向かって決められたルートを進むだけ。
そんな作業みたいな人生に、果たして意味なんてあるのかどうか。

夢を見るのを諦めた。憧れも、何もかも。どうせ否定されるだけだってわかっていたから、感情そのものに蓋をした。
だからアタシ……俺は、空っぽなんだ。なんもないんだよ。

これがさ、フィクションの中の話だったらこの状況から助け出してくれる白馬の王子様が来てくれるはずなんだ。
それで、世界の広さを……世界の楽しさを教えてくれるの。それが定石だろ?

でも現実はそうもいかない。アタシの王子様の席に座るのは、金を持った年上の男だ。

あー、でも……諦めてたはずなのに。

こんな時こそ王子様が颯爽と現れて助けてくれるはずだ、って思っちゃうアタシは……結構間抜けなやつなんだろうな。

【3章シロ】空

――――

あの人の秘密を見てしまったの。……見なきゃ良かったな、本当に。
人が必死で隠していた秘密が、自分にとっては結構羨ましいものだったら……貴方なら、どうする?

いいじゃない!お金持ちのおじさんだって、違う視点から見たら結構魅力的かも!
お金をもらえるだけもらって、それで逃げちゃえばいいじゃない……なんて思うのはダメなことなのかな。

…………ごめんなさい。
私、ずっと。ずーっと、焦ってたの。

“女の子”っていつまで言われるのか。
じゃあ言われなくなったその先は?可愛く無くなっていって、老いて干からびて死ぬだなんて……そんなの嫌!

じゃあ若いうちに死にたいかって言われるとそんなことなくて。そうね。

多分、そんな不安なんて吹き飛ばせるくらいの出会いがあれば一番良かった。

【3章クロ】恋茨めろ

バカなことしちゃった。
ごめんね、許さないで。お前たちはこんな大人にならないでね。

――――

:)おたんじょうびおめでとう!空ちゃん、めろちゃん!

あ 間違えちゃった!空ちゃんって本名 椎葉有無ちゃんだった!

じゃーもういっかい!

:)おたんじょうびおめでとう!有無ちゃん、めろちゃん!

《え、もうコロシアイやだ?終わりにしたい?》

《仕方ないなあ。それなら…………