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RonpaDearB
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:)プロローグ
はっぴーばーすでいとぅーゆー
はっぴーばーすでいとぅーゆー
はっぴーばーすでいでぃあ
:)
――――
ぱしゃん、と水がはねる音がした。
微睡みの憂鬱を跳ね除けて、重い瞼をなんとか持ち上げる。
見渡すばかりの乳白色の壁、天井から滴る水、生ぬるい室温。
知らないはずなのに妙な懐かしさを覚えるそれに、夜真は戦慄した。
ここはどこだ?いつからこうやって気を失っていたのだろうか。
最後の記憶はいつもと何ら変わりのない日常で、今現在自分が置かれている状況には心当たりはまるでない。
身を起こして、勇気を振り絞って歩を進めてみる。ドアノブを見つけて幾分かホッとして、恐る恐るそれを捻ってみた。
夜真「
…………
マジでどこだよ、ここ」
?「私にもさっぱりでございます!」
夜真は肩をびくりと震わせた。いつの間にか、となりにマスクをつけた高身長の人物が立っていたからだ。
ともすれば怪人物であるとも表せてしまえる彼
……
服部閻舞は、夜真が訝しむような表情を浮かべていることなど気にする素振りもない。
それどころか、閻舞はこの状況を楽しんですらいた。未知なるものの、まさに胃の中に飲み込まれている状況に!
トキメキにも似た胸の高鳴りがしている。口はこれ以上ないくらいよく回ったし、思考もなんだかクリアだ。
あれよあれよという間に二人は自己紹介を済ませ、世間話も話題が変わること数回。
若干
……
だいぶ、というよりほとんどは閻舞が勝手にしゃべっていただけであるが、いつの間にか得も言われぬ不信感はなくなっていた。
お互いが超高校級と呼ばれていること。気が付いたらここで目を覚ましたこと。それから、少し前におかしな招待状が届いたこと。
そんな共通点を認識して、彼らはいよいよこの場所の探索に踏み込むことに決めたのだった。
―――――
純白の少女
……
レイは不満げだった。
知らぬ場所で目を覚ましたかと思えば、一人っきりで。やっと会えた人物はなんだか情緒不安定だし。
アダム・フォックスと名乗るその男は、最初から何故か偉そうだった。
要らぬ親切を少しばかり押し付けてはきたが、それも自らの体裁を守るためだろう。
だから、次に会った仙道ゆりかにレイはひっつくことにした。彼女は間違いなく優しいし、仲良くしてきっと損はない。
仙道「それにしても
……
なんだろうね、ここ」
アダム「さあ。想像以上に広いことだけは確かだろうな」
まるで迷路か何かみたい。それも悪夢の中に出てくる、と思い、ゆりかは身震いした。手をつないでいたレイが見上げてくる。
少女の表情はあまり読み取れなかったが、こんなに幼いのだ。不安に思っているのは間違いないだろう。
レイ「あの。ちょっと歩き疲れてしまいました
……
」
レイは抱っこを所望した。ゆりかに。
しかし、どうしてかアダムの腕の中に納まっている。見事な早業だった。
アダムはレイを見つめている。褒め言葉を期待しているかのように。
その目が嫌で、レイは思いっきり顔を背けた。それをどう受け取ったのかはわからないが、ゆりかはアダムにちくりとくぎを刺す。
仙道「そんな風に睨んじゃかわいそうでしょ」
アダム「いや、睨んでない」
レイ「
……
怖い顔、してました」
怖い顔、と言われてアダムは少し
……
本当にほんの少しだけ傷ついた。俺はこんなにも優しいのにどうしてそんなことを言われなければならないのか、とむつくれる。
こんなわけのわからぬ場所に連れてこられ、先ほどまで危険を顧みずに先頭を歩いていたというのに。恩を仇で返すな。
そんなことを考えながら、何個目かわからないドアを開く。何かにぶつかる感触と、ぐえ、といううめき声。
アダムはそれの正体を確かめるために、警戒しながらもドアの裏側を覗き見た。
そこには、掛け布団が一枚。
正確には、掛け布団を頭から被った人間が一人。
?「うぅぅ
……
痛い、今日も厄日なんだあ
……
」
厄日じゃなかったことなんてあったっけ、なんて言いながら布団はもぞもぞとうごめいている。
寝ていたから被っていた、というよりはこれが基本装備なようだ。なんだこれ、と固まるアダムと首を傾げるレイの様子を不審に思ったのか、ゆりかも同じようにのぞき込む。
そんな三人の好奇の視線にさらされ、布団
……
勘解由曇天はうめいた。せっかくいい気分で眠れていたのに、それすら許されず。ましてやこうやって気味悪がられているのだ。
厄日中の厄日、大厄日である。ていうか
……
ここ、どこなんだ!
外に出た覚えはない。最後の記憶も、同じ布団の中ではあるが。それならなぜこうも厄災が降りかかる?
彼らの視線が痛い。自分を責めてさえいるような気がする。
ああ、助けて天照君!嘘!や、やっぱ見ないで欲しいかも!
そんな祈りも虚しく、視界の端っこに金色が映る。
ゆりかの後ろからひょこりと顔を覗かせたのは、柳生天照その人だ。
柳生「あれー、曇天さん!それと初めましての人だ こんにちは!や、おはようございますかも」
窓がないけん、わかんないですね、と天照は笑っている。
よくわかんないからそこら辺歩いてたりドア開けてみたりしたら、人に会えた!運がよかったなあなんて思いながら、曇天の方を見やる。
曇天はもぞもぞ蠢きこちらの足元まで来ていた。三人から距離を取り、天照のことを盾にするような位置にいる。
訪れる沈黙
……
ちょっと気まずいなあなんて思っていたら、頭上から機械音が降り注ぐ。
《迷子の皆様、目の前の扉を開いてみてください》
機械音は、その文言を繰り返している。
不気味だ、こんなのに従う方がおかしい
……
なんて曇天は更に更に縮こまる。
ああ、どうしたらいいんだろう。ていうかこの状況って誘拐?犯罪に巻き込まれた?
そんな風に考えを巡らせていると、ガチャリ。扉を閉めて、開く音がする。
一体誰が!とそちらを向くと、音の主は天照だった。
勘解由「あ、え?天照君、ドア開けて
……
」
天照「え、はい!だってそうしてって言われたし」
オレ、何かやっちゃった?なんて天照は首を傾げている。
一同は絶句。ゆりかに至っては頭を抱えそうな勢いだ。レイだけが事態を把握できていないかのようにキョトンとしている。
アダム「いや
……
従うのが正解だったのだろう」
アダムは見てみろ、と扉の向こう側を指し示す。
そこには、先ほどまでと違う
……
普通の洋館のような内装が広がっていた。
それから、自分たちと同じように困惑している人たちが。
――――
結局、しばらくの間共同生活をすることを言いつけたのを最後にあの機械音は鳴らなくなっていた。
外に出られないだけで、人間的な生活は送れている。不満がたまらないかと言われればそうではないのだけれど。
恋茨めろはもう何度目かわからないため息をついた。
ここにいるのは子供ばかり。大人が大量にいるなら閉じ込められるのも吝かではなかったのだが。
右を見ても左を見ても、ガキ、ガキ、一つ飛ばしてガキ!
子守なんてするつもりはさらさらないのだが、めろにだって大人としての矜持の一つや二つくらいある。側から見ていて危なっかしすぎる子の心配くらいしてしまうのだ。
空「ため息ばかりだな?幸せが逃げていくぞ」
恋茨「
……
空さん」
いつの間にか隣に座っていた空に、めろはニコリととろけるような笑顔を向ける。
空の手には酒缶があった。一杯どうだ?とばかりに差し出されたそれをめろは迷わず受け取った。
もしかして、自分のことを心配して持ってきてくれたのかな。
そうじゃなくたっていい!気にかけてくれたのなら、そんなに嬉しいことはないのだから。
早速酒を煽りはじめためろを空は見つめた。いい飲みっぷり、見ていて気持ちがいいほどだ。
彼女は判明している中では年長者であるし、色々と疲れも溜まっているのだろうと思う。
恋茨「全く
……
いつまでこうしていたらいいのかな」
空「出口は探してはいるが
……
こうも広くてはな。それに」
それに、自分たちが最初に寝かされていたあの乳白色の空間さえ見つけられていないのだ。
摩訶不思議、狐につままれたような現象に空は少しだけ
……
本当にほんの少しだけ、ワクワクしてしまっていた。
ここは不自由だが
……
ある意味では自由だ。何せ外の身分など関係なく、仕事のことも心配せず、好きなことをして過ごすことができる。
思わぬ休暇を得たものだ。多少楽しんでもバチは当たるまい。
なんだか優雅な気分に浸っていると、ドンガラガッシャン!と何かが崩れ落ちる音がした。
暑灘「危ないはえ!ばか!もっと周りを見ろはえ!蠅よりも視界がひらけてるくせに、そんなことすらできないはえか?」
倉稲「あ、え、な、なんでそんなこと言われなくちゃいけないんですかあっ!?」
酷い!と泣き喚く倉稲珠萌を見て、暑灘蠅は頭痛が加速した。
なんだこいつ。蠅は間違ったこと言ってない、いきなり大量の荷物と一緒に倒れ込んできたのは珠萌の方だろうに。
蠅が怪我して、頭でも打ってそれが原因で阿呆になったら飛んだ損失だ。宇宙にとって。
倉稲「あ、貴方がそこら辺に
……
ゴミ、放り投げるからじゃないですかっ!それで私、転んだのに
……
!!」
そうだったのか?それはじゃあ、ダメなことだったかも。
次からは部屋の端っこの方に投げることにしよう、と蠅は考えた。
未だギャンギャン喚いている珠萌を尻目に蠅は歩き出す。
閉じ込められている状況とは言えど、無駄な時間を過ごす気はさらさらなかった。むしろ不自由だからこそ見えることもあるかも。
ぐるぐると思考を巡らせていると、ヌッと出てくる影が一つ。
RedーEだ。やけに蠅に絡んでくる相手。
RedーE「こんにちは。今何してたの?」
うるさい。
Red-E「良ければお茶でもどうかな」
嫌だ。行かない。
蠅は少しの隙も見せず、拒絶の姿勢を貫き通した。
けれどRedーEは折れる気配はない。蠅のこの態度にはもう慣れつつあったから。
何を聞いてもこれなのだ。何も教えてくれず、暑灘蠅という人物の全容は全く掴めない。
RedーEが今一番興味を惹かれているのが、彼か彼女かもわからぬ蠅その人なのだ。
せっかくの共同生活、せっかく近くに居られるのだから会えなくなる前に肉声くらいは聞きたいものだ、なんて思う。
何か取っ掛かりでもあれば違うのかも、まあ
……
いつか真面目に話してくれる時が来ればいい。
どうしようか、なんて考えていれば。
久方ぶりの機械音が響く。
《こんにちは、お元気ですか》
《__を はじめましょうか》
――――
風野三郎がきょろきょろとあたりを見回している。
落ち着いてなんかいられない、やっとここから出る時が来たかもしれないのだ。
今までも何をさせられていたのかはあまりよく分かってはいなかったけれど
……
外に出られるのであればなんだっていい。ここはあまりにも息苦しすぎたから。
呼び寄せられたのは宴会場らしき場所だった。やけに開けた空間、天井からはシャンデリアがぶら下がっている。
なんだかきらびやかな内装だなあ、なんてのんきなことを考えていれば、あの機械音がどこからともなく聞こえてきた。
《皆様、お集まりいただきありがとうございます》
《共同生活はお楽しみいただけたでしょうか》
風野「そりゃもうばっちり!友達もできたぜ〜!それで
……
もうここから帰してくんねー?」
三郎は天井の方へとそう呼びかけた。機械音声の主が誰かは分からないが、何となくそっちにいる気がしたから。
しかし返事は来なかった。
どうもおかしい。帰してくれるから集められたのではないのか、と三郎は首をかしげる。
早くここから出れないと困るのだが。
機械音は三郎を無視して話し続けている。
《11100011 10000001 10010011 11100011 10000001 10000110 11100011 10000001 10010111 11100011 10000010 10010011 11100011 10000001 10100001 11100011 10000010 10000101 11100011 10000001 10000110》
わけのわからぬ数字の羅列。壊れてしまったかのようなそれに、オパールは動じない。
こういった時は慌ててもどうしようもないのだ。本当に故障しているか、それともこちらを怖がらせようとしているかのどちらかなのだから。
まあ、この場合おそらくはこちらを怖がらせようとしているのだろう。不気味なアナウンスではあったが、その実それを構成していたのは”0”と”1”というたった二つの数字だ。
多分、意味はない
……
あったとしても、とりとめのない内容なのだろう。
なんて意地の悪い、とオパールは考えた。何か言いたいことがあるのなら、はっきりと直接言ってくれればいいのに。
言葉が通じないならまだしも、自分たちはお互いが理解できる共通言語がある。
……
いや、確かに日本語は難しいものだが。ニュアンスの違いでとんでもなく意味が変わったりするんだもの。
オパールはじっと天井の隅を見る。先ほど三郎がそうしていたように。
オパール「それで、きみは ぼくたちに何をしてもらいたいのかな」
機械音声に機械音声をもってかえしたからだろうか、先ほどとは違い、しっかりと答えが返ってくる。
《コロシアイ》
《コロシアイをしましょう!》
――――
輪廻転生ということばを知っていますか?
よみがえりとは、本当にあるものだと思いますか?
答えは知っています。
この身で体験したものなのだから。
そして、それが決して人が手を出してはいけない、禁忌の所業なのだということも。
……
かみさまなんて、どこを探してもいなかったのに!
この顔を忘れないでいてね。
わたくしが初めて、殺してしまった子なのです。
脳髄にそれが突き刺さる。まるでこの身を断罪するかのように。
痛くって、痛くって。もう何にも考えられないかも。あはは。
【見せしめ】レイ
信仰とは、人の狂気と共に存在するものなのです。
それをどうか、________。
――――
まるで嘘のような、作り物とでも思ってしまった方が楽になれる光景だ。
レイは突如として降り注いだ槍に、その身を貫かれている。
あまりにも唐突で、不意の出来事だった。誰も動けなかった。感情すら置いていけぼりにされている。
赤い、赤い血がどんどんと広がっていっている。
小さい体がピクピクと痙攣していた。もう、息はないというのに。
全部、全部。嘘みたいな、本当の出来事だ。
頭上からは、場に不釣り合いすぎるメロディラインが流れてきている。
はっぴーばーすでいとぅーゆー
はっぴーばーすでいとぅーゆー
はっぴーばーすでいでぃあ れいちゃん
はっぴーばーすでいとぅーゆー
:)おたんじょうびおめでとう!レイちゃん!
《コロシアイ、ちゃんとしてくださいね》
《じゃないと、そうだな》
《ミナゴロシ になっちゃうかも!》
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