キリカ
2022-06-22 21:39:12
9980文字
Public しんご
 

アオ主140文字のお題のやつ

書いたら纏めていくよ(ง ˘ω˘ )ว
文字数に余裕がないので多分字下げなしになります

『貴方だけを見つめる』

甘い香りの元を辿れば、紫の花々。
「ヘリオトロープだ」
視線を追った少年が言う。
「向日葵と同じ花言葉があるんだよね」
「そうなのか」
「うん。『あなたを見詰める』っていう」

という話をしたと告げてきた彼の目はずっと少年に向いていて、越水はまるでその花のようだと思うのだった。
(2022.06.22)

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『御愁傷様、』

自分の幸運は君と出会えたことだと、彼は言った。
『いいの? 僕なんかにそんなに入れ込んじゃって』
『他でもない君だからこそだ』
熱烈とも取れる真っ直ぐな言葉に、少年の顔をした青い髪のそれはこめかみに指を当てたまま、ゆるく唇を綻ばせた。

「ご愁傷様、もう逃がしてあげられないよ」
(2022.06.23)

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『Be mine forever.』

自分が他の悪魔の知恵たり得ると知って、半身の存在を考える。
「もし他に、アオガミの知恵になれる人がいたら、どうする?」
「恐らくあり得ないことだろうが……もしそんな人物がいたとしても、私には君しか考えられない」
その言葉を聞いた少年の胸に訪れたのは、どうしようもない安堵だった。
(2022.06.26)

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『言ったもの勝ち』

もう子供ではないのだから、我儘が通るような話じゃないと理解していた。
それでも時々考えてしまうのだ。
あの時違う選択肢を、答えを出していたら、と。
それでも。
「少年?」
耳慣れた声に頷いて、その傍らへ向かう。
発した言葉がどんなものであったとしても、自分の立つ場所はここなのだ。
(2022.06.27)

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『ただの友達は、こんなこと、しない』

また明日と友人たちと別れ、自室へと向かう少年の頭にふと過る。
隣を歩く神造魔人は、自分にとってどういう存在なのかと。
半身と言うだけでは端的だ。
だからといって、友達とも呼べない。
(だって)
ほんの些細で、ささやかな触れ合いを思い出す。
(でも、ただの友達じゃしないことだ……
(2022.06.28)

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『君のいない春に眠る』

品川駅沿いの公園にある桜は、今年も満開だ。
かつて『彼』と出会った頃には、もう瑞々しい緑の葉に彩られていたなと思い出す。
結局、一緒に薄紅の花が咲く姿を見ることは叶わなかった。
それもまた、心残りのひとつ。
「おやすみ、――
人の世界から離れ、かつて少年だったものは目を閉じた。
(2022.06.29)

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『大人になりたくない』

「ナホビノのままでいれば年を取らないのかな」
合一神にはかの林檎の効果がないと知り、彼は呟く。
「大人になんてなりたくないんだ。ずっと今のまま、アオガミと一緒にいるのがいい」
それを聞いた神造魔人は、ありふれた大人よりもずっと重いものを背負わせてしまう可能性を、告げられなかった。
(2022.06.30)

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『その色は誰の色?』

「ブックカバーか……
書店で目当ての新刊を買いに来たついでに、特集コーナーが作られている一角を見る。
目を引いたのは、シンプルだけれど綺麗なデザインの、普段の自分ならあまり選ばないもの。
……あ」
手に取ってから気付いた。
白地に赤や青のラインが入ったそれは、どう見ても……
(2022.07.01)

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『君と別れるなら、夏がいい』

彼とさよならするなんて、とても考えられない。
けれどもし、そんな時が来るとしたら。
研究所の外に出た瞬間、眩しい陽光に照らされた。
こんな風に焼けつくような光の下で、影も残さず消えてしまえるのならそれがいい。
未だ遠い季節を思い、少年は先の見えない世界の行方を振り返るのだった。
(2022.07.02)

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『生存確認』

はっと目を見開く。
夢の内容なんて覚えていないのに、どっと汗が噴き出る。
軽く首を起こすと、神造魔人は傍らに座して目を閉じていた。
大丈夫、いつもと同じ。
胸に開いた穴からマガツヒを流し倒れる幻を、頭から追い払う。
いずれこちらに気付いて目を開くであろう彼に、何と声を掛けようか。
(2022.07.03)