河童の皿箱
2025-04-02 09:15:02
14880文字
Public 旧作
 

Realiz E ation

娑楽斎とリブロマンサーのお話。

 月が浮かぶ夜の空。煌びやかな鱗に水を纏う青いドラゴンが、空を駆け、雲の合間を抜けていく。耳に届く咆哮。同時に巻き起こる、竜巻のような風。その背に乗った、炎を見上げる。
 突風に炎が巻き上がる。炎の弾丸が青いドラゴンから放たれ相対する怪物の巨体を包み込む。でも、効果があるようにはみえない。迫る巨体は青いドラゴンを掴み取り、ドラゴンも巨体へと組み合った。
 爪と牙の応酬。ドラゴンの細長い体は怪物へと絡みつき、何度も尾をぶつける。その間にも、ドラゴンの頭上では炎が燃え上がり、怪物の顔を何度も、何度も、殴りつける。
 僕の背後では爆音のセッション。威勢の良い歌声と、パペットが変形したスピーカーから放たれる眩い光。
 それを、ただただみているしか、僕にはできない。

 今の僕は何の力もない。ただの子供に過ぎないのだから。