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豆炭々炬燵
16057文字
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モアナと伝説の海シリーズ
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【現パロ含む】同じ轍を踏む【マウモア】
モア海2の世界観で分かっていた筈なのに張り切り過ぎて空回る半神半人の英雄・マウイを見返そうとしたら失敗してしまったモアナ・こっそり付き合っている二人・現パロモア海2で幼馴染モアナモニロトの学校生活とタマトアのルーティン話詰め合わせセット話。
ノリと勢いでどうぞ。独自解釈捏造要素有。
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可愛がり
理由なんてそんな大それたものではない。どちらかと言えば子供染みた短絡的で浅慮なものだ。
──ちょっと見返して驚かせたい
幼少期故意に悪戯を仕掛け大人たちや幼馴染たちを驚かせたことはないが、モアナとしてはごくごく普通で驚かせるつもりのない行動で周囲を驚かせてしまったことは多々あった。
なので、意識して悪戯を仕掛ける行為自体に胸の高鳴りが止まらなかった。新しい島を見つけるときのワクワク感とはまた違う、どちらかと言えばよろしくなさそうなワクワク感につられ笑みを浮かべてしまう。
さてはて何故経験皆無の悪戯を仕掛けるまでに至ったのか。それは何かとモアナが達成する度、「いい子ちゃん偉いぞ」「よく出来たないい子ちゃん」などマウイが褒めることが多くなったのが事の始まりだ。
テ・フィティの心を返す航海から三年経った今も一向に止める気配のない子供扱いが、ほんのちょぴっとだけモアナは不服だった。
もしや、いくつ年を取っても彼からすれば人間みな子供なのかもしれない。
そんな疑惑が脳裏を過ったがケレをおじいちゃん扱いしたのを程なく思い出して見送った。
そして、頭の中で何度もシミュレーションしたモアナは、いざマウイと二人きりになるのを見計らい実践に踏み切った。
とはいえ、そんな仰々しいものではなく油断した彼の隙をつき櫂で太くどっしりしている足を払い起き上がる前に屈強な体に跨って。
『どう? 私こんなことしてるけど、まだいい子ちゃんって言う?』
不敵に笑い見下ろした相手から。
『
…
やるな。子供扱いはもうやめよう』
あたりの台詞を引き出して終わりである。
思い描いた通りにならなくても、マウイをちょっとでも驚かせれば良し。
なんて、数秒前まで甘い考えに酔ってたとしか言いようのない自分をモアナは内心呆れ顔で頭を振るう。
見渡す限りの青空を背に覗き込むマウイの何もかもお見通しだと言わんばかりに微笑んでいる顔と背中から感じる砂の感触にモアナの顔が微かに引き攣った。
「俺から一本取れなくて残念だったな悪い子ちゃん」
モアナの企みを察していたマウイが先手を打ち、彼女の足首を釣り針で引っ掛けてまんまと砂浜に転がした。
さながら小さな洞窟よろしくモアナの上に跨る通り越して覆い尽くすマウイの巨体。重さを感じない圧迫感からそーっと逃げようとすれば、説教から逃げる子供の退路を断つ親の如く大きな手の壁にふさがれた。
「あの~、マウイ
…
?」
「謝んなくていいぞ。俺は別に怒っていないからな」
両手を胸の前で祈り組み首を竦め上目遣いで見上げるモアナを見下ろすマウイの目は半分瞼裏に隠れ朗らかな笑みを称えている。
どう足掻いても逃げられない。そもそも先に仕掛けた自分に非があるのを重々理解しているモアナは天命を待つかのように目を固く瞑って洞窟の内側が狭まってくる感覚に息を飲んだのだった。
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