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ろころころ
2025-02-05 17:14:24
13742文字
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Code:000 小話まとめ
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*執行者*
「ぎゃはははははっ!お友達を逃がして英雄気取りってか!」
下品な男の笑い声と血の匂いが蔓延る中、片隅に嗅ぎなれた彼らの匂いが混じっている。
思うことが無いわけではないが、こうなることも最初からわかっていたのだ。ただし、それであっても希望を抱いてしまった自分が愚かだった。ただ羽休めを出来る場所としてここを選び、気が済めば逃げるつもりだった。しかし、あの心優しく責任感の強い夫妻は
…
そして友人たちは、それを許さなかった。
だから、自分も少しは許されると思ってしまった。けれどもこの世界はそんなにも甘くないのだ。仮に
こいつら
G・G
がやって来るとしても、自分だけを回収するものだと思っていた。完全に侮っていたのだ。
結局、何事にも代償が必要である。気を抜いた結果がこのザマとは──────
「本当に笑えないな」
男に飛び掛る。男は少し驚いてたじろいだがすぐに体勢を立て直し、腰から引き抜いた剣で薙ぎ払おうと試みる。しかし、その時には既に少年の姿は視界にはなかった。
───途端、男の頭に鈍痛が走る。
「がぁっ────ッ!?」
「
…
喚くな」
振り下ろされた棺によって、男の身体は支える力を失い地面に向けて無様に崩れ落ちた。
「な
………
!?」
「り、リーダー!」
響めく周囲の男達を他所に、少年は床に転がった剣を手に取る。
そして、ゆっくりと男達の方を見る。
後退る男達に、容赦無く斬り掛る。
その後は、全てがぐちゃぐちゃだった。
「
……
ひとつめ」
男の首が跳ね飛び、赤を赤で上書きするかのように滲む。
「ふたつめ」
男の左胸部分に刃が突き刺さる。床に転がる男の表情は、恐怖と絶望を浮かべていた。
「みっつめ」
チェーンソーを振り回す男が、それを振りかざした時、その場にいたのは少年では無く仲間の一人であった。チェーンソー男が止める間もなく肉は切り裂け、骨は砕かれ、辺りに男だったものがバラバラと散らばっていった。
「うわぁぁぁぁぁっ!?」
仲間を殺してしまった恐怖に発狂する男の手元を少年は強く蹴り飛ばす。まだスイッチが切られていたい刃はその勢いのまま男の顔にめり込んだ。
喚き、嘆き、藻掻き苦しむ彼らの声は、少しずつ小さくなっていく──────
そうして、彼らがやって来たのは、
その声がほとんど聞こえなくなった時であった。
「
………
な
…
!こ、これは
……
?
…………
っ!」
青年は、あたり一面の赤を呆然と眺めた。そしてその中に一人、剣から赤を垂れ流して佇んでいる少年に、気がついた。
「君
……
、君が、これを?」
「
……………
」
少年は青年の方をゆっくりと振り向く。その翠緑で、じっと見つめる。
「
…
二人の子供を、見ていないか」
「子供
…
?」
君も子供じゃないかという言葉は飲み込んで、青年
…
フレイムは首を横に振った。
「ごめんね、見ていないよ」
「そうか」
そこで会話は途切れた。
フレイムは迷っていた。この少年が彼らを殺したのか?全て?そんなことあり得るのか?
仮にこの少年が孤児院の子供だったとしても、このように襲撃者を殺すことはユニオンに罪に問われないだろうか?
「君は、この孤児院の子、だよね?」
「
……
ユニオンに引き渡すなら渡してくれて構わない。正当防衛を主張するには少々派手にやり過ぎだな」
「
……………
」
フレイムは迷った。ユニオンはこの騒ぎを聞きつけてあと少しで駆けつけるだろう。彼の述べる通り、ユニオンに今後の判断を任せるのが最も最適解だ。しかし、しかし──────
「君、俺と一緒に来ないかい?」
「
…………
何故?」
フレイムは、少年に手を差し出した。
「俺は学校で"救助隊サークル"の活動をしているんだ。ここに来たのもそれが理由さ」
少年は、差し出された手をじっと見つめる。
これは、"導火"が導いたはじまり。
救助隊の、はじまり。
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