ろころころ
2025-02-05 17:14:24
13742文字
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Code:000 小話まとめ





*宝石の少女*


「ラーラちゃんはさ、どうしてそんなにいつも自分に自信を持っていられるの?」

ある日の昼下がり。食堂で昼食を終え珍しく真面目に訓練に参加していたラーラに、同じく訓練に勤しんでいたアユムはふと話しかけた。

「えーっ自信?あたしっち、自信満々に見えるカンジ!?ホントにホントにーっ!?」
「えっもしかして嫌だった!?ご、ごめん!悪い意味で言ったわけじゃなくてっ!」

急にオドオドし出すアユムをラーラはキョトンとした顔で見つめた後、ケラケラと笑いだした。

「違う違う〜!そんなふうに見えてたなら良かったーってこと!あははっ!あゆむっちはもっと自信持っても大丈夫だよ〜!」
「そ、そう言ってもさ!?僕は弓の腕も下手っぴだし、頭も悪いし、運動神経もそこまで良くないし、EM能力だって普通だし、イケメンじゃないし、性格もジメジメしてて
「ちょっ!ストップ!ストーップ!!!」

次々と短所を述べるアユムをラーラは止めに入った。このまま放っておいてはあまりにもの湿度にキノコが生えてきてしまいそうだ。

「もーっ!そういうところだよ!んまぁ、いきなり自信持ってっていうのは確かに難しいカモだけど、悪いところをそんなに気にしないようにすることは出来るでしょ?」
「き、気にしない?だ、だって僕のせいでいつもみんなに迷惑かけちゃうし気にしないともっと迷惑なんじゃ

自分の不甲斐なさのせいで任務が難航したことも多くある。例えば数ヶ月前、G・Gのチンピラに人質にされた少女を助け出す際。普段であれば遠距離狙撃を得意とするレオンが出るはずであったが、彼がユニオン側の特殊任務と仕事が被った為に同じく遠距離狙撃を担当するアユムが出ることになった。
しかし、その瞬間になるとやはり手は震えてしまうもので。もしも男に位置がバレてしまったら、男の急所を貫けなかったら、外して少女に刺さってしまったら?そのように考えると、どうしても矢を放つことが出来ない。
結局アユムが放つ前に救助隊の前衛メンバーと睨み合っていた男がしびれを切らし、少女を掴んで逃げ出そうとした。結果的にラーラの中距離の投擲が男の頭にクリティカルヒットし、気絶させることに成功したのだが。とはいえこれが無ければ少女は連れ攫われ、任務は更に難航していただろう。

「そうだよ。あの時だってラーラちゃんが宝石を当ててくれたから良かったけど、本当は僕が撃たなきゃいけなかったんだ。でも、出来なかった」
「えーっ?成功したんだし、気にするほどのことじゃないと思うよー?だってアユムっちが使ってるのは弓でしょ?弓はライフルと違って狙い撃ちには向いてないってれおぴも言ってたしそれに!あゆむっちがあそこにいたから、あの人はそっちに気を取られてあたしっちの攻撃に気づかなかったってワケ!」
「そ、それはそうだけど
「そうだよ!それでいいんだって!難しく考える必要なんて無いんだしさ?ね!」

ラーラはとびきりの笑顔を向ける。
それで良い。難しく考える必要は無い。きっと彼女が常に自信満々で明るいのはあまり深く考えないからで、逆に自分がネガティブになってしまうのは考え過ぎなのだと。

「そっかうーん、そうかもしれない。ラーラちゃんの言う通りかも?」
「でしょーっ!まぁみんながみんな、あたしっちみたいにテキトーな奴ばっかりだと困っちゃうと思うけど
あははっ!それもそうだね!」
「あっちょっと!笑った!?今笑ったなー!?」

少女の不満気な声が訓練室に響いた。