ろころころ
2025-02-05 17:14:24
13742文字
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Code:000 小話まとめ





*デストロさん、洞窟探索にこの後扱き使われる*



「洞窟、ですか?」

デストロイヤーは首を傾げる。穏やかな朝日が差し込む今朝のことであった。

「はい。デストロさんは、ヴェスパー半島の方へ行かれたことはありますか?」

桃色の髪の少女、エステルは上品さを感じさせる穏やかな動作で紅茶を口に含む。

「アメジストケイブええと、クリスタル洞窟と似た、クリスタルが生い茂る美しい洞窟があるんだそうです。夜になると潮の関係で水中洞窟になってしまいますが、日中であればダイビングの用意が無くとも入れるみたいで」

エステルは端末を慣れた手つきでスライドすると、洞窟内部と思われる写真をいくつかデストロイヤーに見せた。

「見てください。とても綺麗でしょう?」
「ええ、とても。……これはなんと言う生き物ですか?」
「蝙蝠です。見たこと無いですか?」

蝙蝠は知っている。ただし、デストロイヤーには洞窟探索を行った記憶は存在しない。一般人は、余程探検を趣味とするような人間で無い限り洞窟に足を踏み入れることは無い。デストロイヤーが今まで宿ってきた彼らもそうであった。

「成程。ところてええと、今日は遠足か何かでも?」
「あっいえ、違うんです!ここの洞窟が本日の任務の依頼地でして

エステルはさらに端末の画面をスライドする。
そして、1枚の画像をデストロイヤーの方に向けた。

「これは………

それは、思わず言葉を失う光景であった。
一人の少女が、クリスタルのにいた。
まるで水中の中を沈み行くかのように、穏やかな顔をして、そこにいた。

「一体何が?」
「詳しいことは私にもわからなくて。これを調査するのが今回の任務、みたいなんです。デストロさんは私達よりも長く俗世を見ていらっしゃるから、何かご存知かと思ったのですが
「すみませんが私にも何も。初めてですよ。クリスタル内に人が埋め込まれていた事例なんて、耳にしたこともありません」

アンバーのような鉱石の場合、中に虫が入った状態で保存されているものはある。しかし、クリスタルが産まれるのは生き物が盛んに生活しているとは言えない洞窟内。しかも中にいるのは人間。
仮に、クリスタルが誕生するその時のその場所に彼女が居たのだとしてもこのように中に埋め込まれると言うよりかは、押し出されるであろうそのようにデストロイヤーは考えた。

「本日の計画は皆さんもご存知で?」
「はい。先ほど皆さんにもお送りしたので、もう少ししたら集合するかと思います」

それまでに私達で装備と道具の準備でもしませんか?真面目で心優しい少女がそのように提案するので、デストロイヤーは穏やかに頷いた。