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木蔦(キヅタ)
2021-02-28 21:52:06
8388文字
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閉所&暗所恐怖症のまんばの話【ちょぎくに】
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それからというもの、まんばが訪ねてくるようになった。押し入れに入り、まんばを抱きしめてやる。まんばは随分大人しい。
あの時なぜキスなんてしたのかわからない。
だけどしたいという衝動に駆られ、気づけば口付けていた。今日こそしないと心に決めても、気づけばまんばの首に顔をうずめ、ちゅぅと吸い上げてる。顔中にキスを降らせていることもあった。まんばはされるがままで、抵抗も文句も言わず長義のことを真っ赤な顔で見つめている。
そしてそんな顔に誘われるように、毎回唇へと引き寄せられ、キスしてしまう。
(今日こそ、絶対にしない
……
!)
まんばは恋刀などではない。ましてや好いてもいない。それなのにキスするなんておかしいだろう。そう思いつつ、長義はまんばと共に押し入れに入った。
押し入れに入るといつものようにまんばの顔が青くなっていく。気分が悪そう。抱きかかえたところで、外が騒がしくなった。
「長義さーん?いませんかー?」
誰かが長義の部屋を訪ねてきた。
すぐ頭に浮かんだのは『こんなところ見られたらまずい』まんばも同じことを思ったのだろう。不安に感じたまんばは呼吸が早くなっていく。
不仲であるまんばが長義の部屋にいるのはおかしい。見られるわけにはいかない。だからと言ってこんな状態のまんばを放って、出ていくわけにもいかない。
長義は居留守を決め込む。ぎゅぅとまんばを抱きしめた。
「長義さーん??」
するとスススーっと障子が開く音がした。あるじ不在の部屋に勝手に入ってきたらしい。
こんなところにまんばとふたりで入ってると気付かれるとまずい。押し入れで何をしていたのか問われるだろう。
まんばも不安に思ったらしく、それに助長され、呼吸が早くなっていく。隠れるように長義の胸に頭を押し付けた。
このままだと呼吸音で気づかれてしまう。
「本当にいないんですかー?」
ーーこれは、仕方ないことだ。
長義はまんばにキスをする。空気を奪わんと口を吸い上げ、舐めて、絡めて
…
。
くちゅ
…
という音が口から漏れたが小さい音で、先程の呼吸音よりましだった。恐らく気づかれてはいまい。
「うーん?部屋にいる気がしたんだけど、気のせいだったかー」
彼は諦めて部屋から出て行った。ほうっと息をつく。
口を離した。
「ぅん
…
」
鼻に抜けるような官能的な声。先程まで侵入者に向かっていた意識が、一気にそちらを向く。
「
……
っぅ、はぁ、はぁ
…
」
錯乱から来る呼吸の荒さではなく、酸欠によるもの。まんばはくったりと長義の胸に寄りかかる。
「ほん、か
……
」
求めるようなその声を聞いてしまったらもう止まらなかった。まんばの顔を無理矢理上げさせ、再度キスをする。何度も何度も角度を変え、舐めて、吸い上げ
…
。
今まで触れるようなキスしかしたことなかったのに。
何度目かでようやく口を離すと、つつーっと唾液の線が落ちる。
まんばの頬はピンク色に染まり、ぽんやりと長義を見上げた。
「本歌
…
」
まんばが長義に抱きつく。そして長義も抱きしめ返した。
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