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Hizuki
2024-11-02 22:05:48
11808文字
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あんスタ[零薫他]
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あんスタ過去ログまとめ[零薫・零敬]
【あんスタ】零薫・零敬。ついったに画像のみで上げたSSのテキスト版まとめ。
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『飲まないとは言っていない』(零敬)
眠る前に寮内を一通り見て回るのは日課のようなものだった。何もなければそれでよし、問題があれば注意をして、それから眠りに就く。ぐるりと一周して、最後に共有ルームに顔を出す。すると、意外な人物がそこにいた。
「
…
朔間か」
別に朔間がこの時間に活動していることに疑問を持ちはしない。むしろ本領が発揮される時間だということは理解している。
「おお、やっと来た。ここなら蓮巳くんに会えるじゃろうと思ってのう」
「む、俺にか?」
ソファに座っていた朔間がこちらを振り返った。独り言のように「張っておって正解だったわい」などと言いながら、うんうんと頷いている。続いた名前は俺のもので、奴の方に近付きつつ思わず首を傾げた。
「うむ。一緒に飲まんかえ?」
朔間がこちらに掲げてみせたのは、トマトが描かれた銀色の缶だった。コンビニなどで見かけたことはあっても、まだ手に取ったことはない。缶のデザインの端に小さく書かれているパーセントの数字。アルコールが含まれた飲料、要するに酒だ。
「は
…
?何を言っている。俺はまだ
…
」
同学年ながら一つ上の朔間はともかく、俺はまだ飲める年齢ではない。当人だって知っているはずだ。だというのに酒を勧めようとする発言に一言くれてやらねばと思っていると、目の前の男はくくくと笑ってみせる。
「もう6日じゃよ。ほれ」
そう言って朔間は壁にかかっている時計を指し示した。短針と長針はすれ違い、日付が変わっていることを伝えている。9月6日、俺の誕生日になっていた。
「誕生日おめでとう。これで蓮巳くんも晴れてお酒解禁じゃのう」
まさかこんな形で朔間に一番に自身の誕生日を祝われるなんて思ってもみなかった。そのためにわざわざここで待っていたということなのだろう。
「
…
ひとまず礼は言っておく。が、今は遠慮しておこう」
確かにそれならば俺がアルコールを口にすることも許される。しかしながら、今この場で朔間の誘いに乗ることは憚られた。
「ああ、明日
…
いやもう今日か、はチェキ撮影じゃったか?」
「そうだ。今ここで羽目を外すわけにはいかんのでな」
今年は誕生日に特別なチェキ撮影をするのだと『プロデューサー』から伝えられていた。つまり、仕事だ。この場で未知のものに手を出して、翌日使い物にならなくなっては話にならない。
「
…
では、夜の予定は空けておいておくれ。待っておるよ」
―
暗に『一緒に飲もう』と誘われている。
その言葉を飲み込んで、俺が返事をするよりも早く朔間はするりとソファから立ち上がった。さっきの缶は開けていなかったらしい。キッチンの冷蔵庫にそれをしまうと、共有ルームから姿を消した。
「全く
…
人の話を聞かない奴だ」
ふぅと息を吐いて、部屋の明かりを小さなものへと変える。具体的なものもないまま取り付けられた今夜の約束は、起きてから本人に確認することにして、自身の部屋へと戻ることにした。
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