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Hizuki
2018-09-16 10:09:31
11692文字
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FF14
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14ふせったーログ[エス光]
【FF14】エス光。ふせったーに上げていた分のSSまとめ。
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『託された役割』
「アイメリク、片付いたぞ」
「ああ、すまないな、エスティニアン」
机の脇に山積みとなっている書類に目を通し、忙しなくペンを走らせているアイメリクに声をかけると、その手を止めてこちらを見た。
頼まれたのは何ということはない、神殿騎士団リーヴとして冒険者から納品された品物の運搬だった。
ふと机の上を眺めていると、蝋で封がされていた封筒が目についた。
印は四大名家ではないが、どこかの貴族の物のようだ。
「これは?」
「あぁ、今夜の舞踏会の招待状だ」
「舞踏会、な
…
。あんな面倒なものよくやるな」
「とはいえ、今回は出られそうになくてな
…
」
この書類の量を見れば納得できた。
これだけではないだろうというのは想像に難くない。
「そういえば、冒険者殿の元にも招待状が届けられていたそうだ」
「は?」
「ルキアが先程宝杖通りで会ったと言っていてな」
「何でまたあいつに
…
」
あいつは所謂一介の冒険者だ。
イシュガルドの貴族ではないあいつが、一体何故。
「こちらではまだあまり名を知られてないとはいえ、エオルゼアで蛮神問題に当たってきた英雄だ。どんな人物か見てみたいといったところだろうな」
「俺には関係のない話だ」
「不慣れな彼女を一人で行かせていいのか?」
「
…
何でそうなる」
「彼女は君の『相棒』なのだろう?」
ふふっとアイメリクが笑う。
その笑みに何やら含みが見えるのは気のせいではないだろう。
「チッ
…
『仕方ないから』お前の代わりに出てきてやる」
「助かる」
そう言うと机のスタンドに挟まれていた紙を俺に差し出した。
二つ折りにされていた紙を開くと、店らしき名前と、そこのオーナーと思われる人物の名前が書かれていた。
「何だこれは」
「舞踏会というなら相応の格好が必要だろう。私から連絡を入れておくからそこに向かってくれ。それとも竜騎士の格好でいくつもりか?」
…
やはりこういうことは面倒くさい。
できることなら関わらないのが一番だ。
受け取った紙を握り締め、指定された店に足を向けた。
夜が更け、街中に灯りか灯るようになった頃合い、例の舞踏会が開かれる屋敷に到着した。
「
…
アイメリクの代理だ」
「あ、蒼の竜騎士様!?」
アイメリクから受け取った招待状を見せ、自分の名前を記入すると、受付にいた人物が心底驚いたように声を上げる。
それに気付いた他の招待客達も一斉にこちらを見た。
こういった誘いを片っ端から断ってきたせいか、物珍し気な視線が注がれる。
貴族の娘らしい女達から残念そうな吐息が漏れた。
会場内をざっと見回し、主催者らしき人物の姿を見つけるとそちらも人に囲まれている。
…
これはしばらく時間がかかるか。
挨拶に行った時に渡して欲しい、と奴から手紙を預かっている。
あらかじめ認めてあった様子からするに、元々誰か代理を立てるつもりではあったのだろう。
それなら自分の副官なり部下なり最適な人物がいるだろうに、わざわざ俺に振ってきたということに意図的なものを感じる。
要らぬ気遣いとでもいうのか。
壁に背を預け騒々しい話し声を聞き流していると、自分の方に何かが近付いてくる音がした。
これは蒼の竜騎士殿、と声をかけられ、声の主に目を向けると、先程招待客に囲まれていた主催者の姿があった。
挨拶が遅れた非礼を詫び、神殿騎士団総長の代理で来たことを告げると、嬉しそうに握手を求められる。
預かってきた手紙を手渡すと、総長によろしく伝えて欲しいと言い、他の客の方に歩いていった。
ひとまず目的は果たした。
給仕が配り歩いていたグラスを受け取って喉を潤すと、また壁に体を預ける。
フロア全体が見渡せる位置を取り、あいつらしき姿を探した。
ゆっくりと視線を動かしていくと、入口近くの柱の影に人だかりがあった。
背の高い男達が何かを囲んでいる、といった感じか。
人だかりに向かって足を進めれば自然と話し声も耳に届き始める。
遠目から様子を見ると、飾り気の少ない水色のドレスを身に付け、人に囲まれているあいつの姿があった。
「イシュガルドはいかがかな?」
「こんな女性が蛮神を倒してきたと?」
「どうです?後で一曲僕と踊ってはいただけませんか?」
「ええっと
…
」
やはりこちらも物珍しいこととして見られているようだ。
魔物に囲まれることは多々あっても、見知らぬ人物にここまで囲まれるということには慣れていないようだ。
困ったように視線をさまよわせている。
「俺の相棒に何か用か」
「蒼の竜騎士殿
…
」
「これはとんだ失礼を
…
」
左横から割って入り、男達の前に立ち塞がる。
俺の姿を見るや否や一歩後退り、やや距離が置かれる。
「
…
行くぞ」
呆然としている相棒の肩を抱き寄せ、外のテラスに抜ける。
扉を閉めて肩から手を離し、テラスの手すりにもたれかかった。
「どこのどなたか存じませんが、ありがとうございます。助かりました」
俺だと気付いていないのか、礼儀正しい口調でそう言った。
こいつが俺にそんな口調で話しているのがおかしくて、思わず笑みが漏れる。
「随分と他人行儀だな?」
「え?」
「俺だ」
「え、エスティニアン!?何で!?」
蒼の竜騎士、と言っていたのに気付かないとは。
ようやく理解したらしい相棒が大きく後ずさった。
上から足まで一頻り眺めた後、本当にエスティニアンだ、と小さく呟いた。
「アイメリクの代わりだ」
「あ、そうなんだ
…
」
「お前こそ何故こんなところにいる?」
「フォルタン家と縁があるところらしくて、ちょっと顔を出してみないかって誘われたの。それで
…
」
「あの様か」
「舞踏会なんて行ったことないし、どんな感じなのか見てみたくて来たんだけど
…
まさか囲まれるなんて思わなかったよ
…
」
珍しく声のトーンが下がった。
「これに懲りたらこんなところに来るのは止めるんだな」
「これなら魔物の相手してる方がいいや
…
」
冒険者らしい発言といえば納得できる。
貴族達の前で大人しくしているよりも、得物を持って戦っている姿の方がしっくり来る。
「あぁ、でもいつもと違うエスティニアンが見れたのはよかったかな」
「
…
そうか」
まさかそんなことを言われるとは思わず、空に目をやる。
ガラスで遮られた向こう側から音楽が漏れ聞こえてきた。
今日の会のメインだ。
「どうする?」
「エスティニアン、踊れるの?」
「
…
多少はな」
不安げに問う相棒に返事をする。
最後にこんなことをしたのはいつだったか、もう思い出せない。
曲に合わせて動くくらいのことはできるだろう。
「じゃあ、エスコートお願いね?」
フォルタン家で教わってきたのか、ドレスの裾を摘まみ、恭しく礼をして見せる。
…
やっぱり面倒だ。
そう思いながら目の前の相手に手を差し出し、音楽に身体を預けた。
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