芹沢亀吉
2023-12-13 12:24:07
9877文字
Public 菊タブー
 

シン・門長再誕

2023年1月3日~1月7日にかけてTwitterに投稿した暴虐な軍国主義者、楠木武が恥をかく物語の通算80話目の加筆修正版をPrivatter+に投稿してみた。衝撃の結末は必見。


 巨大ロボットは霧状の濃硫酸を散布し浴びた人達を容赦無く溶かしていく。

「皆さん、僕達の歌の力であの巨大ロボットを止めます!」

 高さ約230mの超高層ビル、渋谷スクランブルスクエア屋上に着地したヘリから音楽グループ、ザボンの2人が降りてきた。巨大ロボット出現により紅白歌合戦が中断され、その巨大ロボットを歌の力とやらにより止めるという余りにも無謀な臨時特番が組まれた次第。

「清ちゃん、ノリで来ちゃったけど俺やっぱり怖い。」

とザボンのサブリーダー天岩あまいわ麦彦むぎひこがぼやいた一方、ザボンのリーダー西山にしやま清仁は、

「天皇陛下の諱と同名の俺がいるから必ず陛下のご加護がある!」

などと世迷言を宣い自信満々である。

「そうっすね。じゃあ早速歌おうか。」

「麦ちゃんノッてきたねぇ。じゃあ歌おう。英霊達も応援してくれるさ。」

 ここでザボンの2人が歌い始めた『イコクジンノユウジン』、この楽曲は靖国神社を称える歌詞に非難が殺到した曰く付き。

 熱唱中のザボンを画面越しに指差し楠木は大爆笑している。

「グハハハハ!そんな薄っぺらい歌でこのスクナは止められんぞ!」

 楠木が金子に製造させた巨大ロボットの名称、スクナは『日本書紀』にて武振熊命たけふるくまのみことに討伐された鬼神両面宿儺りょうめんすくなの名に由来する。大魔神に似た形状のスクナは元ネタの両面宿儺同様2つの頭部を持ち、その各頭部の口に相当する箇所から濃硫酸の霧をまき散らす。

 現在高さ約230mの渋谷スクランブルスクエアの屋上にいるザボンの2人からは全高約60mのスクナが小さく見え、それ故2人は楽観的だ。

「楠木よ、存分にやれ。あのゴミ兄の諱と同じ名を持つ西山など名前聞くだけで反吐が出そうになるから早く片付けろ。」

「御意。この楠木も薄っぺらい歌詞の歌しか歌わないザボンが愛国者ぶるのが目障りでした。スクナは広池が操縦していることになっているので全て広池のせいに出来ます。」

 そう言った楠木はリモコンを操作しスクナの各頭部から紫色の破壊光線を発射した。渋谷スクランブルスクエアは2発の破壊光線の直撃によりドロドロに溶け、ザボンの2人をはじめ屋上にいた人達の最期は実に惨たらしい。その後もスクナは前進し続け逃げ惑う人々を容赦無く踏み潰す。スクナが現場にいる自衛官達も容赦無く踏み潰すのは広池に「自衛官殺し」の汚名を着せるという楠木並びに義仁の意向に基づく。

「陛下、そろそろ行きましょう。」

「うむ、いよいよ朕が現人神であることを証明出来るな。」

 義仁並びに例の覆面を装着した楠木は赤坂御用地内に待機中の要人輸送ヘリコプターEC-225LPに乗り込んだ。