MN*B
2024-06-21 01:54:56
17748文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

Ep.2 来る者到る。

シリーズ中第33話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいねを、いつもありがとうございます。
お待たせしました。

今回、ちょっと暗い話もしてます。
詳しい時系列については、これのちょっと下あたりに書いてます。
ちなみに、この話の順平は、家入さんから自分の身体に起こったことくらいは聞いてるくらいの…そういう呪術知識がほとんどないままの順平です。

 
次回、時系列が『E.15 ヒトもケモノ』と『E.16 結び目の解き目』の、ちょうど間の話となります。
2週間以内にあげます。この期間だけはバチバチに守りたいです。

 
 

【時系列のおさらい】

E.9 束の間
前回の七海の回想…滝中問答
今回の順平の回想…6P
E.10 山椒魚に水
E.11~13(交流会初日) = Ep.1:同日

みたいな感じです。

正直、既出な情報の詰め合わせのような気もするので、サラっと読んでいただけたらいいかと。
(ただし、サラっと読めるような文字数に抑えきれませんでした…)
 


#オリ主 #夢術廻戦 #七海建人 #灰原雄 #オリキャラ #吉野順平
2021年10月22日 06:57



 夜が明ける前の、暗く、闇が鬱蒼とした道を進む。
先を歩む呪霊の姿はすでになく。私の背後には、端から白んでいく空があった。

そんな空に追い立てられるようにして、角度のついた地面を蹴る。
勢いで素足のまま、無手で来てしまったことを、思考の隅で考えてしまいながら昼間も通った場所を通って、


ずっと感じていた、気配の根源へ辿り着く。
それは、鳥居の向こう社の前に立っている。



特級__ かそう怨霊『靑山祇神』


 上下共に白の狩衣。無地の雑面。
刃渡りの長い刃が、暗闇の中に紛れ込んでいる。それで切り捨てられた何かが、宙へ崩れ去った。それと同時に、弱々しい呪霊の気配も消えそれが何なのかは一目瞭然だった。

刃が振り払われ、その手の中で構え直される。
白い覆面が、こちらへその顔を向けた。肌の下を見透かされたようなそんな、言い知れぬ視線を受ける。
その感覚に身の毛がよだち、身体が固まりそうな錯覚を覚えたとき。

 ふとしたように、相手は視線を全く別の方向へ向けた。
つられてその方向を見れば、強い日の光が地平線から差し込んできている。朝日だ。
それを確認して、またすぐに視線を相手へ戻す。
相手はこちらへ背を向けており、敷地の奥社のほうへ歩いていく。

「待て!」

低い位置で結ばれた長い髪が、さらりと揺れているのが見える。
そしてその後ろ姿は、朝日が濃くなるほどに、薄く消えていく。日に照らされる夜のようだ。

武具もなくどうするか迷う暇もない。
咄嗟に、私は相手へ叫ぶ。

「どうして私に、あんな夢をみせた!?」

本殿の奥へ上がっていくその足が、ひたりと止まる。
こちらを少し振り返った横顔白一色の布の隙間から、人の顔のような線が窺えた。

夢もまた ⁃¯⏤_憂き世の一つよ ⏤ ̄⏤_⁃¯⏤_

その響きを残し、姿が陽炎のようにかき消える。
最後に垣間見えた、相手の眼は

「青嶺くん?」

雰囲気が、”彼”によく似ていた。