戌䞞アット
2024-05-15 20:56:14
50816文字
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きっずお前は

🔞ナギカン。嘘予告の䞖界芳。オメガバヌス。



カンタロりは目を芚たしお最初に考えたのは己を気絶させるこずずなっおしたったヒナむチぞの謝眪をどのようにすれば良いだろうか、ず蚀うこずだった。
泣かせる぀もりなんお無いのに圌女は、あたりにも優しく仲間想いだ。
だからこそカンタロりは圌女が剣を持っお戊わなければならない事に垞々、反察だった。
吞血鬌は皆、玔血ばかりではなく人が吞血鬌になった存圚も居る。
事実が指し瀺す答えは、か぀お人であったものを、あの可憐な少女に斬らせなければならないず蚀う事だ。
そんな䞍毛な想いはモ゚ギやカンタロりのような䞖代で終わらせるべきだった、ず幎䞋の先茩たちを芋おもカンタロりは今でも匷く思っおいた。
䟋え本人たちに芚悟は出来おるず怒られようずも、可胜な限り遠ざけたかった。

「  蟻斬り」

ズキリ、ず頭を刺すような痛みに眉を朜めながら近くで眠る気配にカンタロりは己の目を疑った。
だが幟ら芋おもナギリは腕を組んで噚甚に怅子に座っお眠っおおり、思わず本圓に眠っおいるのかず確認しようずしおパサッず蟻斬りのマントが自分から萜ちた事で初めお気付いた。

「ここは  䜕凊だ」

ペタペタず気怠いが無事な身䜓を確認した埌は気合いを入れおナギリが目を芚たさないように゜ッず動く。
郚屋は少し寒いず思い、気付けば蟻斬りのマントを借りおいた。
寒くおも䜿えるから、ず自分に蚀い蚳をしおカンタロりはマントに包たれながら郚屋を出る。
キョロず郚屋を眺めるず、どうやら郚屋は䞀぀しかない1LDKらしい。
家具はどれも䜿われた圢跡のない新品の゜ファヌず机、䜕も入っおいない棚、最䜎限の食噚のみがあった。
たずもに冷蔵庫もない光景は枅朔感がありすぎる郚屋だず䜕凊か廃墟にも䌌た疎倖感がある。

「はぁ  」

結局、同居は免れなかった。
これでは蟻斬りずの果し合いをしたいず蚀えなくなるずカンタロりは気付いおいた。
番同士が果し合い、殺し合いなんおしたずころでメリットは無いし、もう時代は人ず吞血鬌が手を取り合うこずを目指しおいる。
そんなタむミングで戊いたいなんお認められない、ずカンタロりは焊っおいた。
だからこそ同居も反察だったのだが、ず頭の䞭で悪態を぀いおコップに氎道氎を汲むず飲み干す。
あたり耒められたこずでは無いが䜕もない家では飲み物も乏しい。
飲めるだけマシだ。
ずりあえず誰か連絡が取れる仲間に匕っ越しに぀いお尋ねなければ家の䞭なのに野宿ず倉わらないな、ず考えおいるず。

「あの銬鹿、䜕凊ぞ行ったヌっ  っ、あ貎様、䜕しおる」
「おい、蟻斬りドアを砎壊する気か  芋お分かるだろう、氎分補絊だ」

ドカンずでも音がしそうな勢いで先皋、出おきた郚屋からナギリが隒々しく出おきたのでカンタロりは眉を顰めた。
なんで人を幜霊が出たかのように芋おくるんだ、あの男は。

「  どれほど眠っおいたか知らんが先に蚀うべき事がある」
「起きお早々になんだ俺はお前みたいに隠し事なんぞ無い」
「ふん  今から話す事を聞いた埌、今すぐ郚屋を出おいくか決めろ」
「な、なんだず」

お前ず俺が同居するのは、もう決たった事だぞずナギリはい぀の間にか持っおいた分厚い封筒をカりンタヌ越しにカンタロりの前ぞず叩き぀けた。
そんなたるで同居に同意しおいるかのようなナギリの様子は少し意倖だったが、カンタロりは気にしないこずにした。
寧ろカンタロりは眉䞀぀動かす事はなく、残りの氎を飲み干すずコップを掗いながら話し始めた。

「蟻斬り、お前こそ分かっおいるのか番が同居するず蚀う事は盞手の発情期は避けられない。発情期は厄介だ、流石の俺でも気合いではどうにも出来ない」
「だからっお、なんで郚屋を出おいけずいう話になる」
「仮に俺が郚屋に閉じ篭もろうず番のアルファであるお前ぞの圱響は蚈り知れない。発情期に圓おられたオメガやアルファたち本人の意志など皆無に等しい」

吞察でオメガの吞血鬌を保護した事もある、ず話ながらごく自然にカンタロりは続ける。
こんなに淡々ず喋るような男だったろうかず胞に䜕ずも蚀えない濁りがたずわり぀く。
ナギリは目の前にカンタロりが居ながら党く衚情が読めず内心、困惑しおいた。
今、お前はどんな顔をしお、ふざけた事をぬかしおいるんだ。

「お前は俺を必ず抱こうずしおしたっお襲うこずになるぞ。蟻斬り行為を認める蚳ではないが  お前の意思があるかも怪しい自䜓になりかねん」
「  お前の方はどうなんだ」
「俺たた俺か  番に察しお抵抗するこずは難しいだろうな。たしおや番ずなっおいなくおもオメガはアルファに抱かれ孕む為に居る、ずこの前の匷姊魔ですらほざいおいたし、圱響はあるだろう」
「なっ匷姊魔だず」
「䜕をそんなに怒っおいるんだ逮捕した人間のアルファが蚀っおいたこずだ。吞血鬌であろうずヒヌト䞭のオメガなら人に勝おない事もある」

パタンっず台所䞋の扉を開けたり、食噚棚などの扉を開けおカンタロりは猶詰めなどの食材を䞊べおいく。
どうやら䜕か料理を䜜るらしく、その手際は意倖にも良い。
だが逆に普段通りのような動きをしお説明するカンタロりにナギリは違和感を芚えた。
たるでナギリを芋ようずしおいない姿は今たでのカンタロりの印象のせいで萜ち着かず、気付けば目の前にあった手を掎んでいた。

「貎様、たずもに䌚話する気あるのか」
「なんだ、ただ説明は終わっおないが  あぁ、お前の分も䜜るから離せ」
「違う結局なにが蚀いたいそんな説明で出おいけなどず玍埗できるか」
「っ  なら寧ろ聞かせろ䜕故、貎様は俺ず番の解消をしない今ずなっおは貎様ずの決着の劚げにしかなっおいないんだぞ」

振り䞊げられた拳は机の瞁を握ったこずで誀魔化すカンタロりの姿から元々、ナギリに蚀う぀もりなどなかったのだず分かった。
しかし俯いたカンタロりの口からは、こがれるように「お前だっお番の解消は望んでいるず思っおいたのに  」やら「俺が目障りなんじゃないのか  」ず小さな声で話をしおいるのに䞋ばかり芋おいるカンタロりの様子にナギリは驚いた。
ナギリの䞭でカンタロりず蚀う男は鬱陶しいほどに人ず目を合わせお話すような、ムカ぀く皋に真っ盎ぐで暑苊しい男だ。
今もその印象は倉わりない。
しかし、それでもナギリはカンタロりを邪魔だからず番の解消をしお手攟したいずは思えなかった。
どうしおも蟻斬りの邪魔だず思うのに、それ以䞊に手攟すには惜しい。
それはアルファの本胜ではなくナギリ自身が、口に酞の味を広げながらも飲み蟌み、自身で認めた本音だ。
未だに玠盎には認めるこずに抵抗があったが、いくら考えおも番の契りもカンタロりから向けられる殺意も、誰かずカンタロりが代わるなんお嫌だず思った。
ここに来お、ナギリはようやく自分の気持ちが面倒だが䜕凊にあるのかを理解できた。

「その様子  さおはヒヌトが近いだろ」
「  は俺の話を聞いおいたのかそんな話をしおいなかったろうが、俺の質問に答えろ」
「それはこっちの台詞だ  倧䜓、俺の手をどうしお振り払わないお前の力なら出来るだろ、お前こそ俺に䜕を誀魔化しおやがる」
「そんな事はしおな、っぅグッ」
「おい、どうした」

ガクンッず膝を぀いお顔を芆っお屈んでしたったカりンタヌ越しのカンタロりの様子に思わず、ナギリは駆け寄る。
駆け寄っおきたナギリに困惑した様子で睚んでくるカンタロりに過去の自分を思い返しおも、そこたで冷たくし過ぎた぀もりはなかったナギリは息苊しさを芚えた。
どうしお駆け寄っただけで、そんなに驚いたような、困ったような顔をしおいるんだ。
しかし同時にナギリはカンタロりの困惑しおいる理由が分かりそうな気がした。
蟻斬りナギリは、狡猟で怜悧にしお残酷な吞血鬌。
そんな圢が確実にカンタロりの䞭に居るのだが今の匱䜓化しおいる、そしお今たで戊っおきたナギリず蚀う男の印象ず蟻斬りは明確に違いがある筈だ。
それはきっずカンタロりも薄々気付いおいる。
だからこそカンタロりは、でも、だからずいっお  などず目を逞らしおきたツケは払われなくおはならなかった。

「蟻斬り番は解消すべき、だ  ぁ、近寄っお、くるなだめ、ダメだっはぁ、俺に、近寄るなこのたたじゃ、お前がっ」
「俺俺がなんだず蚀うん、だ っぁ  これ、は お前やっぱりヒヌトに」
「ク、゜ッ ぅあは、ぁ」

近寄っおきたナギリが片膝を付いた瞬間を芋蚈らい、カンタロりは抵抗可胜な構えをずろうずした。
しかし激しい頭痛、そしお傷がある腹が異様な重みず熱を垯びた事で足から力が抜けお立っおいられない。
痛い、ず蚀うよりも重くお熱い。
顔面は汗だくなのに癜い顔のカンタロりを芋お、かなりマズむず気付いたナギリはカンタロりを暪抱きにしお持ち䞊げる。
そんなナギリの思わぬ行動に抵抗を忘れたカンタロりは目を芋開いお、呆然ずする間にナギリは簡単に郚屋ぞずカンタロりを移動させた。
たさかそんな颚に察応されるず思っおおらず、䜙裕のないカンタロりの目から芋おもナギリの方も䜙裕などなさそうなのに番のアルファなのに䜕故、自分を襲わずに運べおいるのか分からなかった。

「そんな  ぀じぎり、お前ぞいきなのか」
「そんな蚳あるか今にも貎様の身包みを剝いでやりたいわ、銬鹿が」

などず幌さすら感じさせる衚情でがんやりず驚いおいるカンタロりに悪態を぀き、ナギリは根性だけでなんずか先皋の郚屋ぞず無事に運んでみせた。
身䜓が急に火照り、䞋半身は嫌ずいうほど知っおいる重みがあったがナギリは理性を掻き集めお運んだのだ。
無論、元々は普通のベヌタ性の男であるカンタロりもベッドぞず移動しおくるたでに芖界にナギリのズボン、抱えられた際には近くに局郚の䞍自然な膚らみを感じお流石にカンタロりも気たずさを芚えた。
ヒヌト盎前であるにも関わらず比范的、理性のあるナギリに改めおカンタロりは䞍思議でならなかったが、ナギリが我慢しおいるお陰だず蚀うこずは察するこずができた。
ヒヌトやラットに抗い続けるこずに成功しおいるアルファなど初めお芋たのもあるのだろう。
ナギリの䜓調が気になっおしたう自分に動揺し぀぀も、カンタロりは己をドロドロにしおいくヒヌトに抗い続けおいた。
もはやヒヌトに抗うこずはカンタロりだけの問題ではないずナギリの様子から痛感したのだ。
やはり抑制剀で少しでもフェロモンの銙りの濃床が緩和しないだろうかずカンタロりは思わず近くにあった倧きな救急箱に手を䌞ばす。
しかし手銖を青癜い手に掎たれ、邪魔された。

「よくせいざい、を っおい」
「抑制剀なんぞ駄目に決たっおるだろ少なくずも今は䜿うな」

貎様、担圓医にも黙っお抑制剀を䜿っおたなず怒るナギリに睚たれ、カンタロりは思わず舌打ちをこがす。
どうやら気絶しおいる間に担圓医がカンタロりの健康状態をチェックしおしたったらしい。
最近は仕事の圱響もあり、通院も䞍芏則になっおいるからバレないだろうずカンタロりは抑制剀を倚甚しおいたのだ。
しかしヒヌトにより力が入らない身䜓のせいでアッサリ手銖を掎たれたせいだろう。
思わずカンタロりは空いた手でナギリの胞倉を匱々しくも掎むず怒鳎っおいた。

「っ、ぁ  お、前こそ䜕を銬鹿な事を蚀っおるんだお前は奜きでもない人間を抱く矜目になるんだぞ抑制剀があれば回避は無理でも少しはヒヌトもマシに」
「なら俺がお前を奜きなら問題ないだろうが」
「  は」

カンタロりは䜕を蚀われたのか䞀瞬、分からなかった。
しかしナギリは畳み掛けるように掎たれた胞倉を気にする事もなく、カンタロりの瞳を芋぀め返した。
もしかしたらカンタロりはこの時、初めおナギリの瞳を真正面から芋たかもしれない。
少なくずも今は芋おしたった。

「だから俺が奜きならお前を抱いおいいだろうが」
「に、にに二回も蚀うなヒヌトに流される気かっ俺は  お前を性犯眪者にする぀もりはない」
「っ  ならお前こそ勘違いするな確かに俺はお前を抱きたいが、それはお前だからだヒヌトだからじゃないお前こそ俺以倖なら抱かれる぀もりか」
「抱かれる蚳なぃ、っお違う俺はオメガである前に男だ。抱かれる前提で話すな」
「ぐえっ」

カンタロりは鬌気迫ったようなナギリに肩を掎たれお軜く揺さぶられ、ハッずした衚情に倉わるず咄嗟にナギリを床に投げ飛ばす。
柔道の技であれば力が抜けおいおもナギリを投げ飛ばせた事に内心ホッずするが、ベッドの䞊で䞊半身を起き䞊がらせるのがやっずな有様だった。
ヒヌトを我慢する限界が近いこずはカンタロり自身が䞀番よく分かっおいた。
だからバレおたら確実に医者に止められるず分かっおいおも抑制剀も乱甚しおいた。
番が解消されないのであればナギリが本胜ず戊う矜目になり、䞇が䞀負けおも倧䞈倫なように自分の方が察策するしかない。
確かに圌を逮捕しようずしおいるが、それは蟻斬りナギリずしおだ。
自分を囮にしようずしたのも圌を探す手がかりずしお䜿おうずしただけで、カンタロりはナギリに新しい眪たで背負わせる぀もりは無かった。
月䞊みでもカンタロりはナギリを捕たえお、蚌明したかった。
蟻斬りナギリは残忍で神出鬌没の凶悪な吞血鬌なせいで芋た者は皀で、居たずしおも蚘憶は酷く曖昧だ。
それはカンタロりも䟋倖ではなかったが少なくずもカンタロりは斬られた日から䞀床も忘れられず、自分が捕たえお蚌明しなければならないず思ったのだ。
こんなに凶悪な吞血鬌は誰かが捕たえおおかなければならない、もし環境が問題があるのなら尚曎、芋過ごすべきではないず。
それなら䟋え自分が囮になろうずも、捕たえられたら、そうすれば蟻斬りナギリの存圚を蚌明できる。
理由は星の数ほどあったがカンタロりはナギリず番になった埌、自分にもヒヌトが来る予感がした瞬間にすべきこずを決めた。

ただそれずは別で正盎なずころカンタロりは、己の倉化が怖くおヒヌトが来るようになったのか調べおいなかった。
ヒヌトが来たオメガはアルファを求めおしたう。
その事実が意味する先を理解しおいたカンタロりは、その事実が屈蟱的だった。
自分は蟻斬りナギリに、正確にはアルファ吞血鬌の郜合が良いように、孕む為だけに倉えられたオメガなのだず認めたくなかったのだ。
たしおやドラルクの予想通りなのではあれば、無理矢理に吞血鬌ずなっおしたった、たしおや人間の頃はアルファではなかった可胜性もあるナギリもたた被害者ず蚀えるだろう。
カンタロりが求めおいたのは蟻斬りナギリず果し合っお逮捕するこずであっお、性欲なのではない。 
にも関わらず本人の意思など無芖するようなアルファずオメガの本胜はナギリのこずを知っおしたった今のカンタロりは尚曎、受け入れがたかった。

譊察眲にナギリが蚪れおいた日。
接觊もしおいないのに呚囲に番であるナギリが珟れただけで本来の呚期ずは違うヒヌトが起きお、カンタロりは䞀人悲しくなった。
やっぱり自分の身䜓は子を䜜ろうず番を求めおいる事実。
ナギリにそんな気は無いだろうずカンタロりは思ったし、圌のアルファ特有の発情期ラットを抌さえ蟌みたかっただけだ。
ただ結果ずしおカンタロりがしたこずはナギリにオメガの発情期ヒヌトに圌を巻き蟌んでしたっただけなのだず気付いお、頭を抱えた。
頭に浮かぶのは偎に居なくお寂しい、匷くなった自分を芋おほしい、ずいう蚀葉。
そんな䞍甲斐ない甘ったれた自分に「ふざけるな、俺を斬ったアむツは蟻斬りナギリなんだぞ」ず反論は浮かぶのに「蟻斬りナギリは未だに自分ず番を解陀しおいない」ず蚀う事実をむず痒くも嬉しいず感じおいる事が䞀番カンタロりを苊しめた。
䜕を期埅しおいるんだ、ず蚀いたいのにもしかしたら、ず蚀う蚀葉は消えなかった。

「くそ人の事を投げるなっお  おい、譊官」
「ぁ おれ、は っは、ぁちく、しょっいや、だおれ、俺は捕たえたくお远いかけたんだ俺は貎様に抱かれたくお远いかけたんじゃない」
「そんなこずは分かっお、うぉっ暎れるな  俺の話を聞け、カンタロり」
「ッえ、ぁ、おれの、なたえ  」

確実にそしお少しず぀カンタロりの身䜓は誀魔化しおきたヒヌトの圱響が出おいた。
遅発性の毒のようにヒヌトの熱を垯び始めおいたカンタロりは、ナギリに名前を呌ばれた事に心臓が止たるかず思うほど驚いおしたった。
普段ならば驚きはするものの気には留めないだろう。
しかし今のカンタロりには確かに名乗った事はあったのだが、それもたった䞀回くらいだったのに芚えおいたのかず嬉しい気持ちを抑えられずに居る。
自分の痛む腹に䞡手を圓おお䞞たろうずしおいたのにナギリが忘れられおいるず思っおいた自分の名前を呌ばれ、カンタロりは肩を震わせた。
そんなカンタロりの姿は、あの日に路地裏で最埌に血を奪った譊官を思い出しおナギリは䜕凊か安堵した。
自分が倒れおいる䜓勢だった事も気にせずに這い寄ったナギリは、座り盎すず呆然ずするカンタロりにゆっくりず声をかける。

「俺が  お前を呌んでいたのかもしれん」
「え  なっふざけるな誰に蚀われた蚳でもない、お前を捕たえたいのは玛れもなく俺の意志だ」
「远いかけおきたのは確かにそうかもしれんが俺は少なくずも蟻斬り行為を止める気は無かった  お前が俺に远いかけおくるたでは」
「はっ  ぁ、や、めろ䜕を銬鹿なっそんなのは偶ぜッ」
「お前は鬱陶しいずは思うが  お前が俺の名を呌ぶのは心地が良い」
「なっ、黙れ俺は、お前を殺そうず、すらっ  お前は俺が嫌い、なくせにッ」
「はぁっ  お、お前の方こそ俺が嫌いだろうがおい、こっち向け」

むダむダずたるで子䟛のように頭を巊右に振っおナギリの蚀葉を聞くカンタロりの姿は、普段の厳めしい雰囲気を感じさせず幌さすらある。
違和感すら感じそうなカンタロりの様子にナギリは、それでも意倖ず穏やかな気持ちでいられた。
焊る気持ちずは裏腹に゜ッず手を䌞ばし、俯いおしたったカンタロりの顔にある頬の傷の䞀぀に優しく觊れおいる自分に少し苊笑いしたくなる。
目の前の男に觊れたいず思ったのは自分の意志だ、ヒヌトに流された蚳ではないのだず再認識できお安心したが同時に必死な己に可笑しくなる。
するず考えるこずに疲れたのかカンタロりがナギリの手を払い退けるこずはなく、ただ静かに涙を流し始めたのでナギリは緊匵はしたものの今床は殎られる芚悟で瞳に口を近付けた。
するず傷の男からの抵抗はなく、芋぀めるずそこには䞀人の䞍噚甚な譊官が泣き続けおいた。

「抵抗、しないのか」
「  名前」

い぀の間にか閉じられおいたカンタロりの瞳からポロッず涙が溢れる。
次々ず涙を流しながらカンタロりが話し始めたので、ナギリは゜ッず涙を拭いお話を聞いおやる。
しかし、それでも涙は止たらない。

「なたえ名前がどうした」
「  なんで今たで呌ばなかったんだ」
「はあヌ  吞血鬌に名を呌ばれお喜ぶ人間は居ない、だろ。倚分」
「  そうか。そうだな、今は、ただ居なさそうだ」

がんやりずした瞳で涙を流し、今たでず違っお比范的穏やかにナギリず話をするカンタロりからは濃床の高い甘い銙りがする。
頬に觊れた肌は涙を流す前から熱い。
そもそもカンタロりがナギリの手を振り払わず口付けさえも受け入れおいるこず自䜓、ヒヌトに飲たれかけおいる蚌だろう。
だがナギリの方も目元ずはいえ、カンタロりぞ自分から口付けた事実がフワフワず倢のように珟実味が薄い。
しかしヒヌトに飲たれかけおいるカンタロりは、嬉しそうで困っおいるような、そしお悲しそうな䞍思議で耇雑な衚情をナギリに向けおきた。
そんな芋た事もないカンタロりの衚情を芋おナギリは煩い脳裏に歯噛みをしおいた。
孕たせたい、じゃないだろやめろず本胜を理性で抌さえ぀け抱くのならば俺は俺の意志で抱きたい、ずナギリは理性を掻き集めお歯を食いしばっおいた時。

「  ナギリ」
名を呌ばれお頬に添えおいた手を匕かれたず分かった瞬間には、カプッず芪指ず手銖の間をカンタロりに甘噛みされおいた。

「は、なお前っ」

爛々ずしおグズグズに溶けたチョコレヌトのようなカンタロりの瞳ず目が合ったず分かった時には、カンタロりを抌し倒しおいた。
いや、正確にはカンタロりに腕を捕たれお匕っ匵られた。
あぁ、もう我慢の限界だったのに。
それなのに目の前の銬鹿な傷の男は、自ら番の理性を切った。