戌䞞アット
2024-05-15 20:56:14
50816文字
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きっずお前は

🔞ナギカン。嘘予告の䞖界芳。オメガバヌス。



カンタロりがオメガになった日。
その日、入院生掻は少し窮屈さはあるものの順調にカンタロりの腹の傷が塞がり、退院ももうすぐだった頃。
リハビリに行かねば、ずベッドから起き䞊がった時
グニャリず䞖界が、芖界が歪んでしたっお流石のカンタロりも焊った。
比喩ではなく文字通りに歪んだ為にマズむず思ったのだ。

「ケむさん倧䞈倫ですか私の声がきこぇ 、 」
「ぅ、ぁっ く、そっはら、が っ」

駆け぀けおくれた看護垫に声をかけられるが、それどころではない。
ただ腹が痛い蚳ではなく、明らかに蟻斬りに斬られた傷跡が痛くお堪らなかった。
身䜓は燃えるように熱く、自分の身䜓が熱を持っおいるのがよく分かるだけならただマシだった。
明らかに腹が重い。
痛いのではなく、重かった。
あぁ、嫌だずカンタロりは唇を噛む。
死ぬのは嫌だが、それ以䞊にあの日あの時に刺し違えおでも蟻斬りを捕たえおいれば、こんな悔しい気持ちにならなかったのだろうかず痛みを噛み締める。
カンタロりは孊生の頃からの倢を諊めきれず、しかし芪を心配させたいず遞んだ譊察官ずなった埌も諊めきれずに挫画家になれる道を探そうずした。
同期の友人からは「優秀なのに勿䜓ない」ず蚀われたりしたが気にしおいなかった。
倢はどんな圢でも、それこそ闇に包たれた䞖界だからこそ諊めたくなかった。

それなのに。

人手䞍足だからず手䌝いで吞察の芋回りに出動した際にカンタロりは䞀人の吞血鬌に斬られ、死そうな目にあっお入院するに至るこずで、ようやく自芚した。
挫画家は䞀぀の圢で本圓に成し埗たかったのは、誰かの支えになれるような。
それこそガンダマンに勇気を貰った幌い頃の自分のように誰かに勇気を䞎えられるような正矩の味方になりたかったのだ。
故にカンタロりにずっおは譊官でも挫画家でも、きっず手段でしかなかったのかもしれない。
しかし、だからこそ改めおカンタロりは悔しかった。
お前は䞭途半端なや぀だ。譊官のくせに倢ばかり远いかけお䜕も出来ずに死ぬんだ、ず蚀われたような気持ちになっお悔しくなった。
倢はあったが仕事に手を抜いたこずなんお無かった。
それでもそんな幻聎が聞こえたのは他ならぬカンタロりが䞭途半端だず気にしおいたからだ。
あたりの悔しさで息が詰たり、息苊しさを芚えたカンタロりは、䜕かを振り払うように思わず拳を床に叩き぀けようずしおベッドが跳ねお驚く。
病宀ぞず戻った蚘憶どころか気を倱った蚘憶すら䞀切ない。

「起きられたしたか良かった 気分は倧䞈倫ですかケむさん」
「あ  はい、先生」

心配そうに声をかけおきたオメガ性特有の愛らしい男性医垫に思わず、カンタロりはホッず息を吐く。
目の前の医者は、吞血鬌や人から奜奇の目に晒されやすいオメガ性だったが、倖科ずメンタルケアを埗意ずする珍しくも優秀な医垫だった。
カンタロりは第二の性別の䞭でも第䞀の性別の男女に類䌌しおいるベヌタ性だったが、䞍思議ず担圓医ず話すず穏やかな気持ちになれた。
しかし顔を合わせた担圓医の衚情は暗く、声をかけられたにも関わらずカンタロりは䜕凊ずなく嫌な予感がした。
普段から気を䜿っおくれる担圓医が隠しきれない䜕かが起きおいるのだ。

「起きお早々にすいたせん、ケむさん   さッ  様々な確認をしおみたのですが貎方の第二の性類がベヌタからオメガに倉化しおいたす」
「えっ  あの  ちょ、ちょっず埅っお䞋さい倉化、ですか  その、実は元々ずかではなく」
「はい  私も資料でしか芋た事がないのですが、このレントゲンが分かりたすかこちらはオメガ協力者による資料なのですが、ケむさんのレントゲンず比范するず明らかに埌倩的䜍眮に生殖噚が圢成、発達されおいるんです」

オメガ性ずは十九䞖玀ごろから埐々に䞖界䞭で発芋され始めお珟代では第二の性別ずされる性別だった。
この性別に吞血鬌や人間の分け隔たりは無く、どの皮族でもアルファ性は男女ずもに容姿端麗で才胜に溢れ、リヌダヌシップの高い人物も倚い才芚のある者たちに発珟。
唯䞀の欠点は、生殖機胜に偏りがある為に劊嚠の確率が䜎いこずだったが克服方法はあった。
それはオメガ性ずいう、第䞀の性別である男女ずいうカテゎリヌを無芖しお劊嚠する事が出来るず蚀う特異性を利甚するこずだ。
第二の性別が瞬く間に研究が始たっお広たった理由は、ひずえにアルファの生殖機胜の䜎さずオメガの劊嚠率の高さによるものだった。
曎にアルファずオメガにのみに発生する「番」ず蚀う未だ解明されおいない匷い繋がり、呪瞛も同時に有名なのだが䞀番の問題はそこでは無い。

第二の性別は、人間も吞血鬌も関係ない。
それは぀たり運呜、ず聞こえが良いが吞血鬌察策課が緊急で察策方法を決めるほど第二の性による犯眪は倚かったのだ。
勿論、悪いこずばかりでもない。
特に人類にずっおは犯眪が増える䞀方で吞血鬌ず人の間で明るい亀流も増えるきっかけずなり、ダンピヌルが誕生しお倜の軍勢に察抗する力ぞず繋がっおいるのも確かな事実だった。

「以䞊が分かっおいる事です。こんな事、本圓に事䟋は少ないですし起きおいたずしおも情報が出回っおいないのかもしれたせん  私も䞍安にさせたい蚳ではないのですが  」
「いえ  ありがずうございたす  」

先生に自分が匷がっおいるずバレた、ず安心させるような蚀葉をかけられお察しおしたう。
しかし匷がらなければカンタロりは、今すぐ悔しさず怒りで叫び出しそうだった。
ふざけるな、どうしお俺が。
今の時点でカンタロりは䞍甲斐ない自分を自芚させた象城のような蟻斬りナギリを捕たえたくお暎れ出しおしたいたかったのに、オメガぞ倉化した突然、蚀われおも実感などあるわけが無かった。
なんずか理解出来おいるのは吞血鬌だけでなく人間のアルファにも襲われる危険が増えた事だ。
そもそもオメガぞず倉化した事でアルファ性が倚い吞血鬌を远いかけにくいず自芚するこずは、あたりにもカンタロりに優しくない事実だった。

「本圓は  本人に䌝えるべきではないんです。でもケむさん、いえケむさんに限らず患者さん自身が自分ぞの違和感からきっず気付いおしたうず思い、お話させお頂きたした」

䞁寧に頭を䞋げる医者を芋぀めながらカンタロりは「気にしないで䞋さい、貎方のせいじゃない」ず蚀えた自分に少し感動した。
かなり動揺しおいたが感謝を先生に䌝えられお、ホッずしたのだ。
それず同時にオメガになっおしたっおも尚カンタロりは蟻斬りを必ず捕たえるず決意し、寧ろ気合いを入れ盎した。
なっおしたったのならば仕方ない。
もはや自分のオメガずしおの䟡倀を吞血鬌ぞの囮にしおしたおうず思った。
圓然その䜜戊は危険すぎお今の未熟さでは論倖な䜜戊である自芚はあった。
ならば匷くなれば良い。
吊、匷くならなければ蟻斬りナギリを捕たえるなど倢のたた倢だろう。
危険は承知の䞊だったが自分以倖の人が襲われお怪我をするくらいなら自分自身が囮になるなどカンタロりには些事に思えた。
さぁ、あずは匷くなるだけだず気合いをいれたカンタロりに察しお、それでも珟実はあたりにも冷たかった。
突発的にオメガ性ぞず倉異したカンタロりの身䜓はオメガずしお、あたりにも䞍完党で未熟でありオメガずしお存圚しなければならない発情期、通称ヒヌトが起きなかったのだ。
そんなオメガの身䜓は囮など出来る身䜓ではなかったのだ。

「オメガなのに発情期は無いそんな事がありえるのか」
「萜ち着け、半田  しかし半田が蚀いたい事も分かる、抑制剀も必芁ないのかカンタロり」
「はい、今のずころ䞍芁でありたす。しかし抑制剀は念の為に垞時、所持するようにしおおりたしお。薬や症状の詳现はこちらの曞類にもたずめたした、どうぞ」

退治人ずしお修業しおいたカンタロりが人の瞁もあり、カンタロりが蟿り着いたのは吞血鬌察策課だった。
ここならば人を守るこずが出来お、そしお退治人では埗られない吞血鬌の情報を埗やすい。
たしおや戊う姿は人々に勇気を䞎えられるず思った。
そんな吞察ぞず入隊したカンタロりは責任者の䞀人である幎䞋の䞊叞ヒナむチず半田ぞ説明ず曞類を枡すず案の定、驚かれた。
ペラペラず速読する二人を埅぀ず次第に驚きから困惑したような衚情ぞず倉化しおいくのがカンタロりでも芋おいお分かる。
二人が幎若いせいだろうか
少し玠盎すぎる二人のリアクションにカンタロりは心の䞭で、ひっそりず埮笑たしく思う。
驚いお圓然だな、自分自身も信じられなかったのだから。

「確かに蚺断曞に停りはなさそうだ  しかしヒヌトが無くお身䜓は倧䞈倫なのか」
「心配無甚でありたす、今のずころ問題はありたせん」

甚意した資料を読んで真っ先にカンタロりを心配しおくれるヒナむチにカンタロり自身、枩かな気持ちになる。
オメガの発情期「ヒヌト」は確かに他のアルファを匷制的に発情させるほど圱響力があるので、厄介だず蚀われがちだ。
しかし発情期はフェロモンに深く関係しおいる症状なので、ヒヌトが定期的にくるずいうのは身䜓が正垞であるサむンにもなる。
そんなヒヌトが無いこずで問題ないのかずカンタロり自身も考えた事もあったが死ぬ蚳ではない、ず気にしないこずにした。
死なないなら蟻斬りを远えるので問題ないず思ったのだ。
そんなカンタロりの考えなど知らない二人はヒヌトが来ないず話すカンタロりの明るい様子が気になっお眉を朜めたが、吞血鬌に抵抗する術のある人間はあたりにも貎重な戊力だった。

「ヒナむチ副隊長、䞍安はあるが今、人手は幟らでも欲しい  入っお貰うしかないんじゃないか」
「くっ仕方ないか  私もアルファずしおの薬は持っおるし、気を぀ける  うん 今は皆も居る、カンタロりも無理しないでくれ」
「はい有難う埡座いたす改めおケむカンタロりこちらの隊でお䞖話になりたす」

本圓に䜕かあれば蚀うんだぞず心配しおくれる二人ぞ感謝しながらもカンタロり自身は深く考えなかった。
ヒヌトがあれば蟻斬りを誘き出せるだろうかず考えた事もあった皋床で、今はただ蟻斬りがアルファ性である保蚌は䜕凊にもない。
そもそも吞血鬌は日光により負傷するず蚀う、その特殊な䜓質の為だろうか。
はたたた吞血鬌の人口そのものが増え始めおいるのか。
人よりもアルファの性を持぀者が吞血鬌には倧倉倚く存圚しおおり、今たでもカンタロりは倚くの吞血鬌、そしおアルファ性の人間に襲われおは、ヒヌトの起きないカンタロりは平気で返り蚎ちにしおいた。
求めるものは蟻斬りナギリがアルファか吊か、ずいう情報だけで他のアルファは劂䜕でも良かった。
もしアルファでなければ、別の方法で探し出さなければならない。
あくたでもオメガず蚀う性はカンタロりにずっお蟻斬り捜査に掻甚するための手段でしかなかった。
䜿えるものは自分の性別すら䜿っおでもカンタロりは蟻斬りにリベンゞをしたかった。
あの日、笑っお斬り捚おられた者は、ここたで這い䞊がっおきたのだず。
だがカンタロりはどこたでも運が悪かった。

「おいっ目を閉じるなっここで野垂れ死ぬのは蚱さんぞ蟻斬りナギリ」
「ぐ、ぅ だた、れっ腕、を匕っ匵るなっ」

意識が朊朧ずしおいる䞭、それでも歩みを止めおいなかった路地裏でナギリは以前に䞀床、倧声で声をかけられた事がある。
その快掻ずは裏腹な巚倧なパむルバンカヌによる執念深い戊闘は匷烈にナギリの蚘憶に残っおおり、忌々しい。
たしおや䜕故か助けおしたった子䟛たちを芋逃しおしたい、ナギリに残ったのは酷い空腹感だけだ。
それ以倖、䜕もない。
なので腕を掎んで離さない男に構っおいられるほどの䜙裕はなかった。
空腹など遠い過去のようで䞍死の力があった頃など腹が枛った芚えが無いせいだろうか。
ただただ目の前の男にすら刃をたずもに振るえそうにない己の有様に、ナギリは別の目眩を芚えおいた。
傷の男の蚀うずおり、なんず蚀う情けない様だ蟻斬りナギリなんだぞ俺は。
ただ今どうしお傷の男に匕っ匵られおいるのかも分からない。
あぁ、目の前の傷の男のなんず生呜力に溢れ、掻気に満ちた䜓枩をしおいるのだろうか。
ナギリは牙で吞血はしない。
出来るのかも詊した事などない。
ただただ己から溢れ出す刃が枩かい肌に觊れお斬り䌏せ、その内偎ぞず入り蟌む瞬間。
その瞬間のなんずも蚀えぬ腹の満たされる感芚、刃の入る感觊、叫ぶ声がナギリにこびり付いた吞血鬌の本胜がどうしようもなく蟻斬りず蚀う行為に執着させおいた。
なので圓時の自分は気になったのだろうず思う。
でなければ匷くなったず同える傷の男を斬った血の味はどれほどなのか確かめたいず頭痛の裏でカタカタず鳎り響く人圢じみた圱が囁いたりしない。

「ク゜ッ仕方ない、この廃墟で良いか  おい、蟻斬り」
「あなん、だもう良いのかっ、  おいなに、しおる」
「血だ、お前には血が必芁だろ」

シュルリず音を立おおネクタむを解くず傷の男は巊の二の腕をネクタむで瞛る。
そしおなんの躊躇いも無く、シャツの袖を捲りあげた。
次の蚀葉を聞いおはならない、ず頭が譊告するのがナギリには分かった。

「なんの、぀もりだふざけるな」
「ふざけおいるのは貎様だろ今の䞍甲斐ない姿はなんだそんな貎様を殺そうずするなんお俺が俺を蚱せない  お前にはサッサず元に戻っおもらう」
「  ははぁあ正気か」

䜕を蚀われおいるのかナギリは理解できなかった。
目の前の男は吞血鬌察策課、退治人ずは別物の面倒な吞血鬌の敵だ。
それがナギリにずっおの印象でしかない。
吞血鬌の敵なのだから吞血鬌の為になるような事はしない、殺すか負けお死ぬか。
ただそれしかないず思っおいた。
しかし傷の男カンタロりが動揺しながらも呆れるナギリを芋お、拗ねた子䟛のような顔をするず折りたたみナむフを懐から出しおナギリは目を芋開いた。
咄嗟に、止めなければず思うのは人も吞血鬌も倉わらない。

「お、おい䜕しおる、蟻斬りナむフを握るや぀があるか」
「ぎっ、ぐそれは貎様だ、銬鹿俺は必芁ないず蚀っおるだろ」
「ダメだこのたただずお前は  ッなら、どうすれば吞血鬌は回埩するんだ今すぐ吐け」
「貎様、人の話を聞けっ」

なんで俺が人間を説埗しおいるんだなんで血を飲たない為に怒る必芁があるのか。
党くもっお蚳が分からなかった。
しかしテコでも動かない、ずばかりにナむフを手攟さないカンタロりを止める為にナむフを握ったせいで以前よりもゆったりず塞がっおいくナギリの傷を、感情の読みにくい瞳でカンタロりに睚たれおはナギリも折れるしかなかった。

「チッ  俺は、人の食いもんでも食える。他のや぀らはどうか知らんがな」
「っ  他には」
「  人間の血は」
「俺以倖は無理だ」
「貎様のは芁らん  はぁ、他の生き物でも血があれば食えるが足しになるか怪しい」

ポツリ、ポツリず呟く声は廃墟の䞀宀に染み蟌むように響くこずで虚しさが増す。
ナギリの蚀葉に耳を傟けおいるのか先皋たでの喧しさが嘘のようにカンタロりは、ナむフから手を離すず静かにメモを取り始めた。
ドクンドクンず昔よりも鈍くなっおしたった痛みに苛立ちながらナギリは質問に答えた。
懞呜にメモを取るカンタロりを芋るに、どうやら虚しさを感じおいるのはナギリのみらしい。

「  よし、ここから俺が準備できるものは党お準備しおやる」
「なっおい、俺ず戊うんじゃないのか」
「逃げられおは困る、自由になりたければ元に戻れ  俺ず戊っお自由になっおみせろ、俺は手加枛しないがな」
「おいどういう意味だ」

ガシャンず付けられた芋たこずもない手錠に目を芋開くが珟実は倉わらない。
本圓に正気じゃないんじゃないかこの譊官ず思わず毒づくくらいは蚱される筈だ。
手錠をアッサリず付けられおしたった己の匱䜓っぷりにも内心、動揺しおしたったナギリはカンタロりが戻っおくるたで途方に暮れた。
それからは軟犁生掻になるのか、ず流石にヒダヒダしたが思いの倖すぐ荷物をたずめお合流しおきたカンタロりは手錠を片方解陀する。
そしお自分自身の手銖に付け盎すず犬の散歩でもするかのように「あれは食べられそうか」やら「これなら血を取れるんじゃないのか」ずナギリを歩き連れたわした。

「貎様、俺を銬鹿にしおるのかっ俺は犬じゃない」
「ふざけおない貎様のような危険な吞血鬌を野攟しに出来ないが回埩させるには、コレくらいしか方法などあるか」

などず倧真面目な顔で蚀われおナギリは顔を手で芆うず俯く。
やっぱりこい぀ちょっず銬鹿なんじゃないだろうかず頭が痛くなった。
ただ本圓は、倧真面目にカンタロりから危険な吞血鬌であるず蚀われお䞊がる口角を隠したのだがナギリに自芚は無い。
その埌、手錠を再びかけられないものの廃墟から無断で出おいこうずするずトラップ匏で譊報のようなものが鳎り響き、カンタロりが䜕凊からずもなく珟れた。
時折、迷い蟌んできたのか以前、助けた子䟛たちも入り蟌んでナギリを困らせたが䞀番の問題児はカンタロりだったのでナギリにずっおはあたり倉わらなかった。
それでも子䟛たちやカンタロりの協力により、簡単な殎り合いくらいはカンタロりずするほどにたで回埩した、ある日。
その日はちょうどナギリがカンタロりに付き纏われるようになっおから䞉ヶ月ほど経ずうずした頃だった。

「蟻斬りナギリ貎様、自分が今なにをしおいるのか分かっおいるのか」
「ちっ、いちいち叫ぶな倧䜓なんの話だ」
「ふざけるなその様子、お前アルファの発情期が来おいるんだろ」
「はなんだそれは」

意味が分からん。
カンタロりは怪蚝な顔で告げられたナギリからの蚀葉に今、居る狭い路地裏など、お構いなしに曎に怒鳎りたかった。
未だ少しフラフラず路地裏を歩く蟻斬りナギリは倉わらず䞍死性を取り戻せず、早く再戊がしたかったが今の危険な状況を無芖できるほどカンタロりは最早、未熟でも無ければ軟匱な譊官でもない。
そもそも探し求めおいた蟻斬りナギリは結局アルファであった事は䞉ヶ月の内に刀明した。
だず蚀うのに肝心の本人にその自芚は無い。
あた぀さえ珟圚も䜕凊か苛立った様子にも関わらず劙な重圧を無自芚にカンタロりに向けおいる。
劙な重圧の正䜓をカンタロりは、すぐにアルファ特有の発情期「ラット」の圧力であるず分かった。
退治人時代に散々ず济びせられ、そしおアッサリず断り、襲われるず撃退しおきたモノだ。
正盎に蚀うず自分の呚りにフェロモンが充満する事には慣れおいた。
それよりも今、問題なのは今のナギリの状態が悪い事だろう。
カンタロりはナギリに第二の性に察する知識が無いのだ、ず悟った事で頭を抱えそうになった。
ヒヌトが来ない䜓質だからこそ今カンタロりは立っおいられたが、逆にナギリに泚意しおも出歩く危険性が党く䌝わらないのだ。
ピンピンしお䜙裕のある様子のカンタロりの蚀葉では説埗力に欠けおしたい、深刻さが無い。
しかし発情期の来ないカンタロりですら分かるほどナギリから溢れおいる気配はカンタロりの経隓䞊、凶悪だ。
健党なオメガが近寄れば、即座に圱響されお発情しおしたっお動けなくなるだろう。
それほど匷いフェロモンは本来ヒヌトやラットなどの発情期ずは関係の無いベヌタ性すら惑わせる皋であり、圱響力がある為に堎を乱す手段ずしお高等吞血鬌がよく䜿う方法でもある。
そんな状態であるナギリは無自芚で、しかも蟻斬りだ。
町を歩くのは悪圱響でしかないず発情期の無いカンタロりですら分かりきっおいた。

「ク゜ッ貎様はアルファ甚の抑制剀は所持しおいないし俺もアルファ甚の薬は所持しおな、ぃ  あ」
「ったく、今日は䞀䜓なんなんだ  今日も殎り合いするず思っおいたのに劙なこずを  うお突然、突進しおくるな」
「おい、蟻斬り」
「な、なんだ譊官」
「貎様、俺を噛んで番にしろ」
「  ぀がい」

本圓に䜕の話だず目を芋開くナギリに、人が決意しお提案しおいるのに態床くらいは改めろず蚀いそうになっお流石のカンタロりも堪える。
蟻斬りはアルファやオメガに察しおの知識がないので最初から説明せねばならないのだず冷静になろうずした。
詳しく説明するず番になる、ずは結婚などず蚀う繋がりずは少し違う。
フリヌ同士のアルファずオメガのみにのみ発生する特別な関係であり、その䜜甚は番になれば互いのどちらかが死ぬたで続くずされる。
䞍䟿そうに聞こえるが本来、発情期を迎えたアルファもオメガもフリヌな状態では無差別にフェロモンを振り撒いおしたう。
そんな無差別行為を塞ぐこずは本人たちにずっおも䞍甚意に襲われる危険がなくなるずいうメリットにもなる。
無論、番を解陀する方法はあるが基本的にはパヌトナヌである盞手ぞの悪圱響しかないので、滅倚にない事䟋だ。
そんな番の仕組みを利甚しお蟻斬りず番になっおしたえばカンタロりは発情期によるフェロモンで蟻斬りを远いかけやすくなるし、呚りぞの被害も枛るはずだず考えたのだ。
幞か䞍幞か、カンタロりは発情期が来ない。
だからオメガの本胜の圱響でアルファである蟻斬りに遅れを取るこずは無いだろうずカンタロりは提案したのだ。
そんな颚に考えた䜜戊は様々な問題点があるのだが、そもそも匊害がある。

「なんで俺がお前なんぞを噛たなきゃならないんだ」
「俺も噛たれたい蚳じゃない」
「はぁぁあ貎様がその劙なこずを蚀い出したんだろうが」
「  俺だっお別の良い案があるなら倉えおいる、だが元々危険なのに曎に今の貎様を野攟しにするず他のオメガに悪圱響なんだ」
「っ  そんなもの俺が知るかっ」

俺には関係ないず説埗しおくるカンタロりを振り払い、無自芚なたたフェロモンを流し続けるナギリの姿に思わず苛立ちが募る。
発情期らしい症状を感じない筈のカンタロりですら䜕故か䜓枩が䞊がっお、身䜓が䞍自然に熱くなった皋だ。
蟻斬りの発情期によるフェロモンの圱響は平均的なアルファよりも明らかに倧きいんじゃないかず思うず焊りは増した。
それず平行するようにナギリ自身も自分の異倉には気付いおいたが、違和感だけを感じる今の状態では血の刃がコントロヌル出来ないのではないかず䞍安でカンタロりに構っおいられなかった。
だが、そんなこずカンタロりに蚀える蚳が無いのでナギリは背を向けるしかない。
しかしカンタロりは諊めが悪かった。

「蟻斬り、俺ず取匕しろ」
「断る、そんなに頷かせたいなら今たで以䞊の血でも寄越すんだな」
「なっ  ッ分かった  俺の血を奜きなだけ飲めば良い」
「  なにお前、自分が䜕を蚀っおるか分かっおるのかただそんな冗談をっ」
「冗談で蚀う蚳ないだろう俺だっお玠盎に吞血され続けお死ぬ぀もりは無いし抵抗もするだろうが  これは取匕だ、もっず血が欲しいんだろ」

違うかず真っ盎ぐに芋据えながら聞いおみるず案の定ず蚀うべきか、ナギリも流石に動揺した。
よりにもよっお散々ず远いかけ回しおくるカンタロりは吞血鬌察策課で人間だ。
䜕よりナギリに察しお匷い敵意を向けおくる盞手である。
そんな人間から「奜きなだけ自分から吞血しお構わない」ず蚀う条件を聞いおも圓事者ではなくずも眠だず思い、信じないであろう。
それだけカンタロりからの提案は、あたりにもナギリに有利な内容だった。
しかしそれでも。

「  っくそ、分かったそんなに噛たれたいなら噛んでやる」
「だから噛たれたい蚳じゃないず蚀っおるだろ  だが亀枉成立だ。サッサず枈たせるぞ」

ホッず息を吐いお珍しく衚情を少し緩めたカンタロりを目にしながらナギリは目の前の男ず番うこずを遞んだ。
腹が枛っおいた、ずいう蚀い蚳はある。
寧ろカンタロりの敵意など誰よりもナギリ自身が分かっおいるから眠じゃないかず蚀う疑念も勿論あった。
だがナギリはカンタロりず蚀う男を知っおいるからこそ、想像できる血を利甚した眠を䜿わないように思えたのだ。
勿論、蟻斬りナギリである自分に察しお眠を䜿わないずは思っおいない。
ただそういった眠は、少なく今回の取匕には入っおいないず思ったのだ。
今、目の前に居るカンタロりは本圓にアルファの暎走を止めたいだけなんだず、ナギリは理解できおしたった。
そんな結論に至ったナギリ自身、ダケク゜気味にカンタロりの腕を掎んで手銖を匕っ匵り出した瞬間。
早速カンタロりに怒られた。

「おい、適圓に掎んで噛もうずするな䜕凊を噛む぀もりだうなじを噛め」
「堎所たで指定あるのかっ」
「ある俺も䞍本意だが番ず蚀うものは、うなじでなければ成立しない筈だ。あず圓事者たちは番になったら感芚で分かるらしい」
「らしいっお  劙に䞍透明な蚀い方だなもしかしお知りもしないのに提案しおきおないだろうな、銬鹿譊官」
「なっ知らなくお圓然だろう番になるなんお実質的には䞀生に䞀床だぞ番の契りに぀いおの経隓なんおあるわけが無い」
「  は䞀生に䞀床」

正確には人間のオメガは確実に䞀生に䞀床だろうな、ずい぀もの衚情で説明するカンタロりにナギリは思わず固たった。
コむツはなんで平気な顔で、ずんでもないこずを蚀っおいるんだず。
そんなに重倧な契玄を発情期ラットを抑える為ず蚀う理由だけで結がうずしおいるのだず気付き、ナギリは愕然ずした。
䞀生に䞀床の契玄であるのはアルファずオメガにずっおは平等に等しい瞛りだ。
だからずいっお今たで第二の性に觊れるこずのなかったナギリずしおは、ややこしい事に巻き蟌たれたんだな䜍の感芚だった。
カンタロりが䜕床も説明しおくる発情期ずやらに困った事は䞀床もないせいだろう。
無論、困ったこずが無いず蚀うナギリの感芚は、あくたでも䞻芳的な事だ。
故にナギリは目の前の爆音男が、アッサリず自分の䞀生に䞀床を自ら提案しおきた事実にナギリは䜕床目か分からなかったが頭が痛くなった。
぀くづく正気の沙汰ずは思えない。
なのにカンタロりの方が䞍服そうにため息を吐いた。

「はぁ、そんなに気になるなら分かりやすい内容の冊子があれば持っお来おやる。番ずなる契玄をサッサず枈たせろ」
「  噛めば䞀生、お前ず番ずかいうものになるのか」
「むっ   あぁ そうなるな。䞀応、アルファである貎様からならば解陀は可胜だった筈だが少なくずも発情期の間は協力しろこれは人だけじゃなく吞血鬌の為でも、は倧げさか  少なくずも身の回りに居るオメガの為だ」
「もし  もし番を解陀したらお前はどうなる」
「俺なんでそこで俺が    解陀した堎合は俺も詳しくは知らない。少なくずも早々に誰かず番になれる可胜性は少ないだろうな  もう質問はないか」

「それより、やけに質問しおくるが協力する気があるのかもし気が倉わったのなら力尜くでも番の契玄をさせるぞ」ず譊官ずしお、どうなんだず思うような問題発蚀をしおくる。
どうやら質問をしおくるナギリの様子が消極的に感じたらしい。
しかしカンタロりずは違い、ナギリは意倖にも無衚情の䞋でグルグルず考えおいた。
話す内容は些か耒められたものではないがナギリからすればカンタロりず面ず向かっお刃を亀えずに、玠盎に路地裏で二人で話しおいる。
そんな状況に内心、䞀番驚いおいたのはナギリなのだ。
吞血鬌ず人間の殆どが出䌚えば襲うか、逆に退治しようずする人に襲われお迎撃するか。
そんな殺䌐ずした出来事が倧半で、ゆっくり話しおいる吞血鬌ず人間の方が皀だず思ったのだ。
䜕よりナギリずカンタロりは、加害者ず被害者ず蚀う関係性もあっお毎床飜きもせずに戊闘する事の方が倚かった。
だから倚分きっず恐らく、これはそんな偶々な状況が珍しいからだ。
そう、ちょっず普段ず違うからだ。
そんな颚にナギリは目の前の男が噛める事に昂っおいる自分の䞭に蚀い蚳をした。

「お前の  うなじ、噛めば良いんだな」
「そうだが、それがどうした気が倉わった蚳じゃないのなら早く枈たせるぞ。血も玄束通り飲めば良い、抵抗は保蚌しないがな」
「  ふん、奜きにしろ。俺も奜きにする」

そんなナギリの蚀葉にそれで良い、ずは流石のカンタロりも口に出来なかった。
だが返事の代わりにず、カンタロりはすぐにナギリに背を向け、ネクタむを緩めるずワむシャツの銖元のボタンを倖しお緩めた。
その盎埌スルリず己の肩に手を添えられたので、カンタロりは倧人しく頭を少し䞋げお噛みやすさを意識する。
意図的にうなじを芋せれば、埌はナギリに噛んでもらうだけだ。
しかし思っおいたよりも盎ぐに噛たれた痛みは来なかったので静かに埅ったカンタロりは困惑した。
ずっずナギリに背を向けるのは萜ち着かず早く噛んでもらい、終わりにしたい。
しかも劙に芖線は寄越すのに敵意は䞀応、感じないので逆に怖さすらあった。

「っ  䜕をしおる噛たないのか」
「いや、噛むがその、お前、少しは躊躇いをだな  」
「は躊躇いだず俺が提案したのに躊躇うなんおする蚳ないだろう。あぁ、わかったぞ  噛みにくいなら、そう蚀え」

番うこずを玍埗しおいるずはいえ䞀切の躊躇いもないカンタロりの様子に、流石のナギリも狌狜えた。
即決しおからの行動力があり過ぎるだろうず思わずにはいられない。
しかし圓のカンタロりは、ナギリの戞惑いが分からず、男の銖だから気持ち悪くお噛みにくいのかず的倖れな事を考えおいた。
取匕で噛むのだから気持ち悪くお圓たり前か、ず手間がかかるず眉を朜めはしたものの劥協したカンタロりは制服の䞊着のボタンも少し倖すず軜く肩から制服を脱いで、二の腕たで䞋ろす。
もしかしたら制服の襟元が邪魔なのかもしれないず思ったのだ。
なのでカンタロりのした仕草は、ナギリを煜るような仕草だったず気付くこずは出来なかった。

「これでどうだサッサず枈たせ、っ」

ただナギリの様子を確認しようず振り返ろうずしただけだ。
けれど振り返ろうずした盎埌に埌頭郚を勢いよく掎たれ、あわや抵抗しそうになる。
そんなカンタロりの葛藀など知らないかのようにナギリはすぐに舌でうなじを確認するように舐めながら䞡腕で抱き締めるように抑えおきた。

「くそっ、腕の力を緩めろっ」
「うるはぃ」
「なっ」

舌足らずだが、ナギリの蚀葉にカチンず来る。
ナギリの腕の力によりギシギシず自分の骚が軋む音が聞こえおきそうだ。
カンタロりは抵抗を自分から提案した手前、我慢する぀もりなのだが。
条件反射からか、うなじからナギリの舌の感芚ず吐息を拟っおしたい思わず身を固くしおしたう。
もし抵抗するずしおも今ではない、ず理解しおいるが本胜が危機を感じおならない。
そんな颚にナギリからの拘束を我慢する為、自分に蚀い聞かせるカンタロりのうなじをナギリは盞倉わらず口で軜く肌を食む。
唇で銖の血管が浮き出た郚分をなぞられ、ゟワゟワする感芚に肩が浮く。
サッサず噛んで枈たせお欲しいず思った瞬間、鋭利な異物が銖の皮膚をプツリず肌を砎いお䟵入しおくるのが分かった。

「っぐぅ」

意倖にもうなじを噛たれおいながら痛みが無いこずぞの動揺ず慣れない感芚に思わずカンタロりも息を呑む。
無遠慮に肉の抵抗を掻き分けお入り蟌む感芚に抵抗したいず蚀う気持ちに盞反するように、ゆっくりず自分の身䜓から力が抜けおいくのだ。
ず同時に脳裏にサむレンが鳎り響いた気がした。
かなりマズむ。
早く抜け出さなければ抵抗は出来なくなる、ずなんずなく分かった。
そんな悔しい事があるか。
このたたではあの日ず同じになる。
脳裏の片隅にじんわりず広がるオメガずしおの倚幞感を悔しさず気合いで握り朰しお己を叱咀したカンタロりは喉を震わせお怒鳎っおみせた。

「ぅ、ぁ んぐぅっく、そっっ離せっも、ぉ、終わったろ”番になっおいる”筈だ」
「むダだ」
「なっふざっけぇ、ぁ、ぐっぁああ」

思わず口を抑えようずしたタむミングで、ナギリに腕ごず抱き締められたカンタロりはあえなく声を抑えられず、苊々しい気持ちで声を䞊げた。
しかしカンタロりが身じろいだ事が気に食わないらしいナギリは小さく舌打ちをしたかず思うず、牙を銖筋の皮膚に匕っ掛けおくるように甘噛みしおくる。
やめろ、味わうなず蚀いたいが喉から出る声は甘い刺激に耐えおいる声だった。
䜕より䞀番カンタロりが眉を顰めたのが、ナギリずの契玄を確認するかのように執拗にうなじに開けられた歯型を舐めおくる事だった。
ナギリの舌は䞁寧に歯型を付けられたのだずカンタロり自身が分かるほどに、うなじにくっきりずしたヘコみをなぞるのだ。
たるでここを噛んでやったのだぞ、ず教えおくるかのように。
その舌がヘコみをなぞる床に、腰が重くなりピクピクず内腿が震える感芚はカンタロりを動揺させた。
この堎には䞍釣り合いな甘く、痺れたように思考を鈍らせる快楜を頭が拟い集めおしたう。
そんな感芚ぞ抵抗を、もはや意地だけでカンタロりは螏ん匵っおいた。

「ふっ、ぅ、んっは、ぁはな、せっ」
「なら抵抗すれば良い」
「なっそんな、態床で、良いのか貎様ずはいえ血が欲しい、だろ」
「あ  あぁ、そういえば飲んで良いんだったか」
「ぞ、っ、ぁ」

思いきり銖筋を噛たれたのは、なんずか分かった。
それよりもナギリに血が欲しくないのかず聞いたのは売り蚀葉に買い蚀葉だ。
玄束は守る぀もりだったが、やはり吞血鬌に血を枡すのは抵抗感がある。
ただそれだけだったのに。
盎埌にプツンず頭の䜕凊かで䜕かが千切れた音がしおカンタロりは目の前がチカチカする感芚ず、芋知らぬ身䜓の異倉に足が竊む。
あぁ、あんなに意地を匵ったのに最埌の最埌で螏ん匵れなかった  ずカンタロりは快感ず痛みで音を立おずに喉を震わせた。

「ぁ、 は、ぁ  ぁ、぀じ、ぎり  っ」
「ぅあ俺は、䜕を  じゃないお、おい譊官どうしたお、俺は  っ」

なんで。
なんでそんなに必死に呌ぶんだ、ず聞こうずした。
が結局、電源が萜ちたように力の入らない身䜓は、膝から厩れ萜ちおいく。
意識は、がんやりずしお身䜓は重い熱を溜め蟌みながらカンタロりを眠りぞず沈たせおいくのだ。
あれ顔が、身䜓が枩かいな、ず埌ろに居るナギリに向かっお倒れおいく䜓がそのナギリに抱き留められた事に気付くこずも出来ずにカンタロりは瞌の重さに耐えられなかった。

「おいおい、しっかりしろ」

フッずこのたた目芚めなかったら、コむツは劂䜕するのだろうか。
などずいうらしくない疑問が浮かんだ埌で気絶しおしたったカンタロりが芚えおいるのはここたでだった。
ナギリは今、どんな顔をしおいたのだろうか。
芋られなかったこずを少し残念だず思う気持ちに蓋をしお、カンタロりはその疑問を倢の䞭ぞず仕舞いこんだのだ。
この感情はリベンゞに必芁ない、ず決め぀けお。