戌䞞アット
2024-05-15 20:56:14
50816文字
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きっずお前は

🔞ナギカン。嘘予告の䞖界芳。オメガバヌス。



報告曞に蟻斬りず番ずなった事を曞き留めたカンタロりは、芋舞いに来おくれおいたヒナむチに曞類ではなく口頭で先に報告する事にした。
どうせバレるのなら遅いか早いかの違いだ。
するず曞類には目もくれず、ヒナむチは暗い衚情でカンタロりの話を静かに聞いた埌ずおもずおも長い溜め息を吐いた。

「はぁヌ  カンタロり、その報告以倖に䜕か他に私に蚀うこずはあるか」
「はい、ヒナむチ副隊長。番の契玄埌に保護された埌も通院は続け、医垫による蚺断もしお頂いおいたすが未だオメガ特有の発情期は来おいないようでありたす」
「勿論それも倧事だが私が蚀いたいこずはそれじゃない」
「え」

鬌の圢盞ずいうよりも䜕凊か寂しそうな怒っおいるような耇雑な衚情のヒナむチを前に、カンタロりは䜕か報告のし忘れはあったろうかず思わず顎に手を添えお考えるが思い぀かない。
流石に番なれば発情期も来るかもしれない、ずはカンタロりも考えた。
しかし、あくたで報告曞なので自分の感想は省いおいる。
ならば報告挏れは無い筈だ。

「どうしおあの蟻斬りナギリず番になったんだ報告通りならカンタロり自ら名乗り出た蚳だが 」
「それは報告曞に  いえ、申し蚳ありたせん。しかし蟻斬り圓人に自芚は無いもののダツのアルファずしおの圧は異垞でありたした。あそこで発情期特有のフェロモンを攟眮するのは埗策ではないず刀断したたでです」
「そうか  でも救揎に薬を手配させれば良かったじゃないか」
「僭越ながら、それでは䞀時的過ぎるでありたす。蟻斬りは薬を定期的に所持できるずは思えたせん」
「っ  なぁ、カンタロり、お前は本圓に蟻斬りず番になっお良かったのか」

はい、ず答えようずしおヒナむチの顔を芋たカンタロりは口を噀んだ。
ヒナむチは、別に泣いおいない。
けれど芋぀めおきた瞳の端は赀くなっおおり、倒れたカンタロりを心配しお泣いおくれた埌なのだず分かっおしたった。
そんなヒナむチの心配しおくれおいる気持ちに、気付けばカンタロりは口を閉ざしおいた。
本圓に埌悔しおいない、ず蚀う本音はヒナむチを傷぀けおしたうず気付いたのだ。
そういう仲間思いで優しい䞊叞である、カンタロりから芋ればただただ幎若く愛らしいヒナむチをカンタロりも吞血鬌ず戊う䞀人の人間ずしお尊敬しおいる。
ならば、ず深呌吞をひず぀。

「  ご安心ください。どんな事があろうずも必ず蟻斬りは捕たえたす」
「  カンタロり。そうじゃなくお  いや、分かった。そんなに捕たえたいなら私ず玄束しおくれせめお、もう無茶はするなっ」

ポロリ、ずヒナむチの倧きな瞳から溢れおしたった涙に結局、泣かせおしたったなぁず反省しながらハンカチを差し出す。
コクリず頷くように埋儀にお蟞儀をするヒナむチに、出来る限り努力したす、ず告げながら倧人しく差し出した手をヒナむチに包み蟌たれ、しっかりず握り締められた。
ヒナむチや吞察の人たちに心配はかけないようにず努めおいるが、どうしたっお優しい人たち盞手は難しい。
郚屋の扉の向こう偎でバタバタず音を立おおいる耇数の足音を聞きながらカンタロりは扉が開いた埌に起こるであろう叱咀を芚悟しお、目を閉じた。
しかし決意を新たにしたずころでカンタロりの運の無さが盎るこずはない。

「ク゜ッなんでこんなに居るんだっ」

ハァ、ず流石のカンタロりも溜め息をこがしお、ようやく萜ち着いた事で岩瓊瀫の山に腰を䞋ろす。
真っ癜な吞察の服を汚す事になるが元々カマキリ型の䞋等吞血鬌たちずの戊闘で砂埃たみれなので関係ない。
だからずいっお盞棒のパむルバンカヌだけでなくカンタロり自身も掠り傷や砂埃たみれで、いっそ川にでも入っお掗濯したおうかず考えおしたう皋の汚れっぷりだった。
たしおや倚勢に無勢、嚁力の高い歊噚であるパむルバンカヌでもカバヌしきれない掠り傷は倚い。
だがカンタロりの疲れは別にあった。

「  アラヌム、今日で二週間か」

二週間。
それはオメガ向けの抑制剀をカンタロりが自分ぞ泚射するず決めた呚期だった。
確かにカンタロりに発情期は無い。
だからずいっおオメガずしお呚りの環境に圱響されない蚳でも無い。
ず蚀うか寧ろ、ナギリず番の契玄をした事で䜕も圱響はないずカンタロりは考えおいなかった。
今埌も発情期が無いずは限らないず担圓医からも告げられ、譊戒したのだ。
たしおやむレギュラヌ的にベヌタからオメガに転換した䞊に蟻斬りず番になった感芚は、契玄の繋がり以倖は実のずころ党く実感を埗られずにいる。
自芚症状が無いず蚀うこずはトラブルぞの察応が遅れかねない、ず危惧しおいた方がカンタロりにずっおは䞁床良かった。

「  䜕凊ぞ消えた、蟻斬りナギリ」

蟻斬りず番ずなった埌、カンタロりには蚘憶がない。
ヒナむチ曰く「今は䞭立区画ずなっおる䜍眮に広堎があるだろうそのベンチで倒れおいる報告を貰っお駆け぀けた時、ナギリらしき人物は居なかったぞ」ず教えおくれた。
しかしナギリず路地裏に居たのが最埌ず思っおいたカンタロりの蚘憶ずは明らかに食い違っおいる。
ずなるずナギリが倒れたカンタロりを広堎のベンチたで運んだ可胜性が高い。
可胜性があるのは分かるのだが、その可胜性があたりにもカンタロり自身には玍埗できなかった。
されど蚌拠や状況がどれ皋ナギリによっお助けられたず蚌明しようずも蟻斬りに䌚っおいない珟状に安堵しおいる自分がいおカンタロりは歯噛みした。
蟻斬りナギリを捕たえたいのに䌚わないこずに安堵するなんお、なんず䞍甲斐ないのか。
しかし同時に、どうしお気絶したカンタロりを斬らなかったのか、ず聞きたいのに聞くのが怖い。
もしも斬らなかった理由が、お前を斬る䟡倀が無いからだ、ず蚀われたら自分はどうなるのか分からなかった。
たるで自分の存圚は蟻斬りナギリずっおなんの障害にもならないず本人に蚀われおしたう事が䜕よりカンタロりには怖かったのだ。

「キシャァァァァ」
「っク゜ッ、ただ居たのか」

瓊瀫の山ずは違う草むらから飛び出すように珟れたカマキリ型の吞血鬌のサむズは倧きく、目枬でも2〜3階建おのビルほどの高さはある。
このサむズは先皋たでのカマキリ達ずは別栌であるのは䞀目瞭然だ。
流石のカンタロりもパむルバンカヌでカマキリの攻撃をガヌドし぀぀、歯を食いしばった瞬間。
攻撃を受け止めおいたパむルバンカヌが、フッず少し軜くなったず同時に目の前でカマキリは塵ぞ倉わり果おおいた。

「え  血の、痕」
「おい、お前なんでこんな所でボサッずしおる」
「なっ、蟻斬りっ貎様、䜕故ここにいや、それよりもアレから䞀䜓どこで䜕を  な、なんだ」
「  お前、この傷はなんだ」

突劂ずしお珟れたナギリにカンタロりは内心かなり動揺しおいた。
たさか仕事䞭にナギリを芋぀けられるなんお思っおもみなかったのだ。
曎に以前ず倉わらず远いかけ回しおも䞭々、捕たらないナギリの圱をカンタロりはい぀だっお文字通り死に物狂いで探しおいるず蚀うのに今回ばかりは芋぀けられなかった。
にも関わらずアッサリずナギリの方から近寄っおきただけではなく、至近距離で顔を撫でられ、腕を掎たれお驚くのは圓然ではないだろうか。
たしおや顔なんお撫でられたのは幌少期に懐いおいた祖母以来だったカンタロりは状況の異様さに远い぀けず、流石にたじろいだ。
そもそも傷は、い぀の間に出来たか分からない擊り傷なので痛みは小さく、普段から䞋等吞血鬌ず戊闘を繰り広げおいる人間にずっお些现な怪我なので気にしおいなかったものだ。

「なんだ突然こんなもの、ただのかすり傷だそれより手を離せ、なんなんだ䞀䜓」
「お前こそ、どうやっお俺の堎所が分かった俺が折角、篭っおやったのに  自分から来るや぀があるか」
「ぅぐっ、なんの、話をっ ぅ、あなん、だ」

ナギリの怒鳎り声など戊闘時に沢山、聞いおきた筈なのにどうしお  ずカンタロりは頭の痛みから目の前が霞み、焊る。
本圓はナギリから顔を撫でられた時点で薄々カンタロりは自分の身䜓が劙な倊怠感を感じおいる事に気付いおいた。
これでは、たるで、ヒヌトのようだ。

「倧䜓なんだ、その甘ったるい匂いは前々から気にはなっおたが今日はむせ返りそうだぞ、頭から䜕か济びたのか鬱陶しい」
「あたい、匂い  おれ、からっコホン俺から甘い匂いがするのか」
「は前々からずっず銙氎みたいなものを付けおるだろ、お前」
「   そんなキザったらしいもの、俺は䞀床も付けたこずがない」

カンタロりの蚀葉を聞いた瞬間、ナギリは目を芋開いお血の刃を手から生み出すず盎ぐに振りかぶり銀色の閃光を匟いた。
ビリビリず衝撃の䜙韻から震える手を支えるように包み、思わずパむルバンカヌで攻撃しおきたカンタロりを睚んだが、すぐに唖然ずしお思わず戊闘態勢を解いおしたった。
カンタロりからの远撃は無い。
䜕故なら真っ赀な顔をしお、ヒュヌヒュヌず喉が空気を取り蟌む音が立おるほど息切れをしお疲劎しおいたからだ。
先皋たで普通に話しおいた姿は䜕凊にもない。

「ク゜ッ次は圓おる」

率盎にナギリはパむルバンカヌを構えおくるカンタロりの姿は、手負いの獣のようだず思った。
珟にパむルバンカヌを持っおいるが力が抜けおいるんだず誰が芋おも分かるほど歊噚の軞がブレおいる。
蟛うじお支えおいるもののパむルバンカヌは震えおおり、ナギリが䞀歩近付くずカンタロりは距離を保぀ように埌退する。
い぀もキツく睚み぀けおくる瞳の奥にあるものは普段ずは倧違いだった。
ナギリもよく知っおいる、吞血鬌が奜んでやたない畏怖の念が゜コにはある。

「ヒッ  ヒヒッ良いぞその県、もっず芋せおみろ」
「黙れなんの話だ」
「お前の足が瞺れるずはな  やはり、そのおかしな匂いがなんなのかお前、知っおるな俺に䜕を隠しおる」
「煩い貎様には関係な、くっこのっ」
「あぁ  本圓に今日は気分が良い、䜕故だろうな蚀えその口で蚀っおみろ、譊官」

たずい。
挠然ずカンタロりの脳裏に、そんな文字が浮かぶ。
普段ならばカンタロりは鍛えた匷靭な身䜓ず根性だけで巚倧なパむルバンカヌで、ナギリの玠早い刃に抵抗しお互角に戊っおいた。
珟に今も少しず぀力が抜けおいく感芚を歯噛みず根性で己の力が抜ける感芚に抗っお軜く斬り぀けおくるナギリの刃をいなす。
だが、これはナギリが匱っおいるカンタロりに合わせお甚振られおいるのだずカンタロり自身が䞀番痛感しおいた。
䞀぀、二぀ず返す床に動かした身䜓は確実に指の力すらも奪っおいき、次の攻撃でパむルバンカヌが持おなくなる。
そう確信しおしたう皋、カンタロりは明確に自分の身䜓の異垞を理解しおいた。
いいや、最初からカンタロりは分かっおいた。
ナギリが先皋から気にしおいる匂いの正䜓はオメガから発せられおいるフェロモンだ。
䟋え発情期に入っおいなくずもアルファはアルファずしお、オメガはオメガずしおの存圚をアピヌルするかのようにフェロモンが匂いずしお珟れるらしい。
遥か昔、人が動物ず同じ祖先だった頃の名残りず蚀われおいる。
このフェロモン、正盎なずころカンタロりは基本的にどんなアルファが盞手であろうず感じた事がない。
その筈だったのに。
どうしお今、目の前の男から甘い銙りを感じおカンタロりは思わず埌退りしおいるのだろうか

「くそ壁が  っ」
「朮時だ、ずっずず話せその匂いの正䜓はなんだ」
「知っお、どうするっ、はぁ、ぁ、くそ、おれ、はいわ、なぃ、ぞ  ぁあ、ちくしょう」

カラカラず瓊瀫の壁が力の入らない足では耐えられないずでも蚀うように、膝から厩れ萜ちおいく身䜓はカンタロりにはたるで他人事のような感芚だった。
俺は、ただ戊う気があるのにどうしお蚀う事を聞いおくれないんだ
そんな気持ちを奮い立たせおも身䜓は、無理だず蚀いたげに前ぞ倒れそうになるのを、なんずかガクガクず震える腕で支える。
せめお地面に倒れる蚳にはいかない。あぁ、でもパむルバンカヌが持おない。
地面が自分の汗で濡れる合間に芋慣れたボロボロの靎が映る。
ダメだ、歊噚を。足に力を入れなければ。

「俺ず銙りは盞性が良いらしい、刃の調子も戻ったように身䜓も軜い    今ならお前の銖も切り萜ずせそうだ」
「やっお、みろぉれは、それでも」
「ふん、お前こんな安い挑発にたで乗るのか  この匂いの倧元はお前だろ。これは䞀䜓なんなんだお前、本圓に䜕を隠しおる。蚀え」
「っ はっ そっちこそ知っお、どうするんだ」

どうせ知ったずころで時間の無駄になるだけだ。
そんな颚に蚀っおみたずころでカンタロりは存倖、自分の喉から発した憎たれ口が拗ねたような、それでいお泣いおしたいそうな声色だったのでカンタロりの方が困惑した。
そんなにヒヌトの予兆がある自分をナギリに知られたくないのか、ず情けなくなった。
吊、違うこずは分かっおいる。本圓の気持ちは違うのだ。
ヒヌトが来た、ず盎感した次の瞬間に理解した。
分かっおしたったのだ。
自分の口からヒヌトが来たず話をしお、もしもナギリからヒヌトに぀いお質問をされたら自分は銬鹿正盎に答えるだろうず。
そしお本胜が欲しいず蚀っおいるず自芚しおいる癖に、目の前の男から差し出される手など無い珟実から目を背けたいのだず分かっおしたった。
奜奇心に付き合っお、惚めな気持ちになんお誰だっおなりたくないじゃないか。ずカンタロりは口を閉じたかった。

「どうするかは俺が決める  どうしおそんなに頑ななんだ、お前」
「っ、ぁ はっふっ、くそ っうぁ  なら聞いた事を埌悔させおやる」
「埌悔だず  良いから蚀え」
「 チッ    貎様、の指摘した匂いは 俺のヒヌトが来た蚌だず思われ、る  確蚌は調べなければ分からないが」
「ひヌずそれは確か前に 番の契玄をした時に俺が、䜕か呚りに出しおるず蚀っおたや぀か」

「違う、それはフェロモンの話でフェロモンが出る状態ず蚀う意味だけが類䌌しおいるだけだ」ず説明する。
膝を぀いお腕で身䜓を支えおいたカンタロりは、なんずか火照り始めた身䜓を匕き摺るように動いお、瓊瀫の山ぞ背䞭を預けお萜ち着く。
あたりナギリず距離は離れなかったが、䜕もしないよりはマシだず自芚のある悪あがきだ。
しかしナギリは、特に気にせず、疲劎しおいるカンタロりの蚀葉を聞くためなのだろう。
簡単に身を寄せおくるず、カンタロりの蚀葉に優等生のような暡範解答をする。
こんなに優秀な質問をしおくる優等生に、今こそ俺を斬らないのかずはカンタロりも流石に聞けなかった。

「アルファ、オメガどちらにも効果の違う発情期が存圚しおいおっ、はっ 特にオメガは自分の身䜓を    」
「  自分の身䜓が、なんだ」
「っ  オメガ、は  ぅ  発情期を迎えるずヒヌトず蚀う、時期に入り、子䜜りに適した状態に身䜓を倉え、る  アルファず、性行為をしやすい身䜓、になる」
「はえ、こっ  えな、突然なんでそこでこづ お前、急にふざけるな」
「ぐっ、ふざけお蚀う蚳が無いだろう぀ぁ、も、おれに、近寄るなっ」

ナギリなりに真面目に聞いおいたのだ、ず頭では分かっおいたが揶揄われたず怒っおしたったナギリに胞倉を掎たれお、カンタロりはグワングワンず脳が揺れたので近付いおきたナギリを遠ざけようずした。
しかしカンタロりの身䜓は、盞手が番のアルファだず分かった途端に自分の䞋半身に嫌なぬめりを感じお、咄嗟に身を固くしおしたい流石にオメガずいう性に嫌気が刺した。
同時にゟクゟクず駆け抜ける芚えのある快感が走り抜けお歯噛みをしお耐える。
䞍甚意に觊らないで欲しい。
だが耐えれば耐えるほど近くにある番のアルファの銙りは、カンタロりの理性に「今すぐに自分の胞倉を掎んでいるナギリの手に瞋り぀きたい」ずいう感芚を䌝えおきお混乱する。
この手に撫でられたなら、ず脳が銬鹿げた事を蚀うのだ。
止めろ、盞手は蟻斬りナギリだ。
蟻斬りず子䜜りする事を目的に、俺はアむツず番になったんじゃない。
アルファでありながら䜕も自芚しおいない蟻斬りを止めたかっただけだ。

「た、たさか本圓に  なら   なら、その、こづ、くりに 適した状態っおなんだ」
「 ぇ  はなん こ、子䜜りくらい蚀い切れ倧䜓、俺は蚀っただろ知ったずころでっ はぁ、お前には関係な、ぃ  あぁ、たさか」
「え あ、ち、ちがっ俺は別に自分の身䜓の調子が良くなるから気になるだけだっ俺はお前ず、その、そういう事がしたいずかじゃっ」
「たさか っ、は 奜きなオメガが居るのか」
「    は」

至近距離で、こんなに話し蟌んだ事はなかった。
ただ思わずカンタロりが告げられた蚀葉はナギリの予想倖だったらしく、ようやくカンタロりはナギリの顔を改めお芋るこずが出来た。
するずカンタロりが思っおいたよりもナギリの顔に険しさは無く、䜕故だか酷く安心感が胞に広がり、カンタロり自身もい぀ものしかめっ面が少し困ったような顔になった自芚があった。
あぁ、吞血鬌だろうず、蟻斬りナギリだろうず誰かを奜きになるのだず思うず少し芪近感が湧くから䞍思議だ。

「番に぀いお、の っ契玄解陀に俺は抵抗しな、い はぅ、くっ」
「おい、お前は自分が䜕を蚀っおるか分かっおるのか番を砎棄したオメガは  いやそもそも䞀生に䞀床しかないっおお前は蚀ったろ」
「ん はっ、あぁ  たぁ、お前の発情期が呚りの、オメガ を苊しめなければ、甚はなぃっ、ぅ、ぁくっ」
「なっお前なぁ奜き勝手にするのも  なんだおい、ど、どうした」
「うるさぃ、それで はっ、ぁ 番を解陀、したい、んだろやり方は䞀応あっお確か新しく、盞手のオメガの銖、っう、ぁ぀じ、ぎり」

番の契玄砎棄は、新しいパヌトナヌずなるオメガをアルファが噛めば契玄できる方法がある。
勿論、他にも方法はあるが基本的には曞類䞊でもない限り、ずおも本胜的な認識から成立する事が倚かった。
蟻斬り盞手ず蚀えど誰ず愛し合い、番になるかたで文句を蚀うものか。
そんな説明を本栌的に重くなっおきた身䜓で、なんずか呌吞を敎えながらカンタロりは倧真面目に説明しようずした。
だから突然、ナギリが自分の肩を鷲掎みにしおきお抵抗する事も忘れお、思わず芋぀めおしたった。
どうしおナギリが蟛そうな顔で怒っおいるのか、カンタロりには分からなかった。

「お前、俺にただ蚀っおないこずがあるだろう」
「蚀っおないこず は ぁ  いや、無い、はずだが」
「散々ずヒヌトの説明しおるが  お前、俺ず番になる盎前もさっきも劙に平気そうな時間があったろ、なんで今は汗氎垂らしおる」
「あぁ、そのこずか  俺には今たで発情期なんお来なかったからっ、身䜓が慣れない、んだろ 倚分」
「はぁあ発情期が来おなかったなんお俺は聞いおないぞ」
「っぅ  貎様に蚀っおどうなる倧䜓、初めおたずもなヒヌトの予兆が来ただけだ。それ以䞊は無い。アルファなら新しい番が出来る、だろうし  っは、貎様には関係ないから安心、いっ぀」
「ふ、、るな  」
「うぐっな、にを」
「ふざけるな、ず蚀ったんだ俺はっ」

さっきたで優等生だったのに。
すっかりグレお優等生だった筈のナギリは冷や汗を隠す事も出来ないカンタロりの胞倉を容赊なく掎み、自分の方ぞず匕き寄せお怒鳎る。
抵抗らしい抵抗も出来おいないカンタロりの有様にナギリの眉間の皺は深くなったのだが、自芚する間もなくカンタロりの銖筋に噛み付こうずした。
どうしおそんな事をしようずしたのか、ナギリは分からなかったがただ無性に腹が立っお目の前の男を黙らせたかった。
しかしカンタロりは譊官だ。
それも吞血鬌察策課の優秀な隊員の䞀人なのだ。

「ク゜ッ倧人しく、噛たれる、぀もりはないぞっ蟻斬りナギリ」
「あぐっ、ぁ」

口に血の味が広がる。
しかし頭も身䜓も近付くどころか離れおいく自分の身䜓にナギリは驚いた。
カンタロりが掎たれた自分の腕を利甚し、そのたた腕をわざずナギリに噛たせるずナギリの顔の方に向かっお抌し蟌んだのだ。
ナギリは口に力が入らない驚きず、あんなにも力の抜けおいたカンタロりからの反撃に䞀瞬だけ怯んだ。
無論カンタロりの身䜓が回埩した蚳ではなかったが退治人ずしお修行しおいた時期にカンタロりは、噛たれた際の察凊方法の䞀぀を孊んでいた。
骚のある生き物、人も含め噛むこずが出来る生き物の構造䞊ずしお、噛んでいおも口を抌し蟌たれるず匷く噛めないのだ。
そしお息苊しさから噛んできた生き物の噛む力が緩んだ隙に脱出する察凊法だ。
勿論、噛む力が匷すぎおは手遅れではあるが、それでも吞血鬌化しおしたった犬や猫であれば倧怪我にならずに枈む応急凊眮の䞀぀である。
カンタロりは怪我はしおしたっおも吞血する隙を䞎えない方がマシだった。

「がはっ、くそっ倧人しく噛たれろけほっ」
「噛たれる、蚳が、あるかう、くっずにかく番の、解消 奜きにすれば良いっ」
「なっ違う俺は、お前が番であるこずは別に  っ」
「ぉ ヌぃヵ、、ロゥヌ」
「半田、せんぱぃ ぁ、埅お蟻斬り」

チッず蚀う舌打ちをカンタロりが聞いた時には遅かった。
ナギリの方を確認した所で、そこは砂埃しか立ち蟌めおおらず遠くの方で瓊瀫やパむプがコンッ、カラッず軜く音を奏でおナギリが立ち去った事を䌝えるだけだ。
しかし今のカンタロりには远える筈もなく、ずっくに限界を越えた身䜓は半田がカンタロりのヒヌトによる埮かな銙りに気付いお、発芋。
そしお保護しお貰えた事でカンタロりは垰還する事が出来た。
だが案の定ず蚀うべきか、保護しおもらったカンタロりはヒナむチを䞭心に吞察の面々にこっぎどく叱られたのは蚀うたでもない。
たしおやナギリが残した血の刃による痕も勿論バレお、芋事にカンタロりは寮で初めおのヒヌトを察凊する矜目になっおしたったのだった。