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ななき
2024-05-11 16:09:08
8998文字
Public
吸死
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お題企画「弊ドロこう言う」 まとめ
お題で作成したもののまとめ。
増えたら更新します。一部、投稿しなかったものを含みます。
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##履歴
2024/12/14 「全然好きじゃねえし」追加
2024/11/30 「その顔が見たかった」修正
2024/10/2 追加
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「全然好きじゃねえし」
「お前、ほんっとドラルクのこと好きだよな」
ショットがそう言ったのは、からかいたかった訳ではない。待機中のギルドのカウンターで、また同居の吸血鬼と喧嘩したのだと文句を垂れ続ける友人兼同僚に少しだけ意趣返しのつもりだった。こう言えば、単純なところのある友人は否定に必死になって、とりあえず愚痴は止まるはず。
愚痴の聞き役も相談役もイヤなわけじゃないが、なにしろ内容が、飯のリクエストを聞いてくれないだとか事務仕事の邪魔をされるだとか、洗濯物を取り込み忘れて怒られただとか、本人達を知らなけば同棲カップルかな?という内容で独り身が悲しくなってくるようなものだったので御勘弁願いたい。
ところが今回、友人の反応は予想と違っていて、ポツンと小さな声だった。
「別に、全然好きじゃねえし」
こん、とつま先で小さくギルドのカウンターを蹴る音と一緒に返ってきたその声は、聞き覚えのない揺れ方をしている。ショットは思わずまじまじと友人を見てしまった。隣に座る、口を尖らせ斜めに視線を逸らして、ほんのり頬が染まっているようにみえるロナルドを。もとより顔のいい友人だ。長いまつげが伏せられると、これがまた絵になる。よく知っていても少しばかりドキリとしてしまうほど。
「アイツなんか、好きな、わけねえし」
ダメ押しである。これは、どうすべきだろうか。つい先日、恋バナでカメの話をしていた友人が、先に行ってしまったらしいのだが。
「あ、ドラルク」
ひょいと振り返って名を呼ぶと、赤い衣装がガタン!と揺れた。勢いよくショットと同じ方を振り返る。そこに針金ほども細い影は、ない。
「いねぇじゃん!」
「いねぇな」
悪い悪い、見間違えたわ。そうとぼければ、なんでそういうことするのぉ!?と半泣きになる友人。いつでも一緒な同居人の名前ひとつで、何をそんなに動揺しているんだ、とは指摘してやらない。
このくらいは許されるはずだ。だってこれから先、相談と愚痴と惚気を、溺れてあっぷあっぷするほど聞いてやるのだから。
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