鹿
2023-12-31 17:25:16
9326文字
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CPシチュスロット学パロまとめ

CPシチュスロットチャレンジのうち、なんとなく学パロシリーズみたいになったやつのまとめ。時系列はバラバラ。


文化祭で/恭しく/憎まれ口を叩く


 いつもの教室を安い装飾で飾り付けた室内、近所の洋菓子店で仕入れたものに申し訳程度のトッピングをしただけのメニュー。そんなものでも周囲の人間は楽しめている様子なのは、祭りの空気ゆえだろうか。あいにく今の僕にはわからない感覚だ。
「お帰りなさいませお嬢様」
 挨拶をする沖田に他クラスの女子たちがにわかに色めき立つのを、僕は冷めた目で見ていた。
「ご注文は何になさいますか?」
 見た目だけならかなりの美少女である沖田の執事服姿は、男女問わず一番の人気だった。最初こそかわいいメイド服の方が良かったと文句を言っていたが、周囲の黄色い声にすっかり気をよくしたらしく、話し方までそれらしくなってきている。一方の僕はと言えば、とにかく早く自分のシフトが終わってくれることだけを望んで無心に配膳を行っているが、こういう時ほど時間の進みは遅く感じる。
「ドーナツとコーヒー二つずつですね、かしこまりました! ……斎藤さーん! 聞こえてました⁉︎」
「聞いてまーす、だから大声で呼ばないで~」
 沖田が声を上げたせいで、え、あれ剣道部の斎藤? と一部の人間に気づいたようだ。まあ文化祭なんて基本身内ばかり来るんだから当然なのだが……
「こんな姿、もし土方さんにでも見られたらと思うと……
「えー斎藤さん来てほしくなかったんですか? 早く言ってくださいよ、もう呼んじゃいましたよ」
「おう。来たぞ」
「お帰りくださいませご主人様~~~!」
 沖田この野郎。あまりの爆速フラグ回収にもう涙も出なかった。
「こちらクラス内の悪ノリだけで決定した企画でございます~ご主人様のような高貴なお方が来られるべきところではございませ~ん」
「なんだよつれねえな、似合ってるぞ。メイド……というか女給か? それは」
「いやーせっかくだしメイドカフェでもやりましょうよと言ったは良いものの、衣装の数が揃わなくてバラバラなんですよね。担当もくじ引きで決めたんですよ。こちらは袴姿がチャーミングな大正クラシカルメイド。沖田さんは類稀なる剣技でご主人様の護衛も華麗にこなすパーフェクト男装美少女執事です」
「設定盛ってんなあ」
 土方さんは言いながら半笑いで席に座った。いや帰れよ。
「そこのメイド、シフトは何時までなんだ?」
「厄介客ムーブやめてください」
「かわいい後輩と一緒に見て回ろうってだけなのに、そう邪険にすんなよ」
「明らかにからかいに来てる人が何を……
「さっきからなんでキレてんだお前? 気にするようなことでもないだろ女装くらい。俺も一年の時やったぞ」
…………は?」
 土方さんを除くその場が凍りついた。たまたま近くの席にいた隣のクラスの男子たちにも聞こえたらしく、こちらを凝視していたため、殺意を込めて睨みつけることで視線を逸らさせた。
「プリンス&プリンセスカフェとかいって女子の王子と男子の姫しかいないやつだったな。まあしょうもない企画だが、文化祭なんてそんなもんだろ」
「ひ、土方さん何着てたんですか?」
「白雪姫」
 コフーッという奇妙な音と共に沖田が盛大に笑い転げはじめた。一方の僕は怒りを隠せない。
「ダメじゃないですか! 文化祭って少数でも外部の人間だって来るんですよ! どっかの不審者に写真撮られて一生性的な目で見られるかもしれないんですよ⁉︎」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ……?」
「このご主人様危機感がない! このネット社会じゃ一度撮られたが最後、永遠に世界中に拡散ししておもちゃにされ続けるかもしれないんですよ! データ持ってるやつ見つけて排除しなきゃ!」
 こうして大正クラシカルメイドはじめちゃんには、実は凄腕の剣士でご主人様に近づく不審者を次々斬り捨てているという設定がついた。
 沖田にはキャラが若干被ってるから止めろと言われ、山南先生には校外からも人が来てる時に竹刀を持ってうろつくんじゃありませんとお説教され、土方さんはそんな僕を写真におさめて一生大事にするからなと言われ、踏んだり蹴ったりだ。