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鹿
2023-12-31 17:25:16
9326文字
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CPシチュスロット学パロまとめ
CPシチュスロットチャレンジのうち、なんとなく学パロシリーズみたいになったやつのまとめ。時系列はバラバラ。
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下校中/仏頂面で/眠る
「先輩、土方先輩、そろそろ降りますよ。起きてください」
しかし隣の先輩はいっこうに目を覚ます気配がない。いくら連日ハードな練習で疲れているからといって、下校の電車内でこんなに深く眠り込むとは思わなかった。それに、学年が違うから合宿でも部屋は違ったし、寝顔を見るのはこれが初めてだった。
「
……
ひでぇ顔」
こんなに険しい顔をして眠るのか、この人は。本来は校内でも評判の美形で、剣道部イチのモテ男。ほとんど面で隠れてるのに女子が集団で試合を見に来る
……
という調子なのだが。
「いつも怒ってるからこんなふうになっちゃうんですよ」
今はこの人たち三年生が最後の大会に向けて一層気合を入れている期間だ。特に副部長のこの人は、部長を含む団体戦メンバーに悔いの残るようなことはさせまいと必死だ。部内全体の指導に一層熱が入っているし、その分多くの不満の的にもなっている。
「先輩が一生懸命なのはみんなわかってますがね、もうちょい上手くやれないもんかな」
深く眠っているわりに、ちっとも休めているようには見えなかった。眉間に寄ったシワは、怒っているというより苦しんでいるようにも見える。
「先輩
……
ひじかたさん」
もっと大きな声で呼びかけないと、とは思うのだが、まるで安らかさのない顔を眺めていると、どうにもやり辛い。
おもむろに、シワの寄った眉間に手を当ててみる。やはり起きない。そっと伸ばすように撫でてみる。心なしか、顔が優しくなったようにも思えた。
ああ、やっぱり土方さんて、綺麗な顔してますよね。そうやって柔らかく笑ってればもっと
……
「
……
いや、やっぱりもったいないな。みんなに見せるのは」
「何がだ」
唐突にかけられた声に、思わず固まってしまう。起きてたんですか、いつからですか、問おうとするのに口をはくはくさせることしかできない。
そんなことをしている間に、ぷしゅう、と扉が閉じる音がした。いつ停車して、いつ扉が開いていたかも認識できていなかった。
次の駅を読み上げるアナウンスが流れる。
「さっきの駅で降りるんじゃなかったのか」
「ですね
……
ちなみに次の終点まで止まりませんね
……
」
呆然としてしまって、いまだに先輩の眉間から手を離せていない。車内の沈黙が気まずくてなんとなく撫で続けてしまっていた。
「ふは」
くすぐったかったのか、僕の行動の間抜けさにかはわからないが、先輩が笑った。やっぱり綺麗な人だと思ってしまう。
「どうせ元々遅くなってんだしな、蕎麦でも食ってかねえか。確かホームに店がある」
「
……
たべます」
「奢ってやるぞ、俺が寝てたせいらしいしな」
「僕ひとり贔屓なんてして、部内の規律に影響しませんかね」
「だから、他のやつには内緒だ」
その言葉といたずらっ子のような笑みに、馬鹿みたいに昂揚している自分がいた。
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