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ひろっぷ
2022-01-19 16:52:35
5400文字
Public
第五 ハス探
じゃしんとぼく④
ハス探。砂糖多め。ほぼ会話文。
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【知ったことか】
※サバイバー同士が若干不仲
最近黄衣の王と共にいると視線を感じるな、とノートンは会話を交わしながら周囲の気配を探っていた。別段悪意は感じられないものの、己に向かっている興味というのは良し悪しを除いても心地いいものではない。原因を探れるなら何とかしたいところではある。
(不快、とも違うけれどこれは、どんな感情なんだ)
悪意は無いと思ったが、それこそ好意的でもない。視線はそんな不思議な感覚を刺してくる。しかもすぐ目の前にいるこの邪神、ハスターと話をしている時だけだ。言葉をいくつか交わし距離が開くとその気配は薄れて消滅していく。
試してみよう。こちらとしてははっきりしておきたい。
「少しいいかな、黄衣の王」
『
…
どうした。探鉱の』
察しが良いのだろう、王はノートンに合わせるように屈む。するとどうだ、視線が一層鋭くなったではないか。
『ふむ。あれは
…
』
「分かる?」
『酒好きな女だ』
「
……
へぇ」
最近荘園にやってきたというサバイバーの一人だろう。すぐに合点がいった。しかし元凶は分かっても原因は分からないな、と考えを巡らせていると急な浮遊感に襲われる。この邪神はあの人物がこちらを伺う理由を知っているのだろう、大人しく従うことにしてみた。
人形のように抱えられれば視線の鋭さは増すばかりで邪神はそれを面白がる。ノートン自身彼女と会ったのはつい最近の事だが、印象に残ったことといえばそれこそ"酒"が好きということぐらいだった。
だが、そこで王はノートンに耳打ちする。
『我の声が奴の兄によく似ているのだと』
あぁ、だから。と感じていた視線の理由はすぐに判明した。それと同時に少しつまらない、とも。
こんな気持ちになるのは邪神の影響ではないかと横目で王を見たが、なんとも愉快に目を細めているので何も言わない事にした。
『行くぞ』
「どこに」
『さて
…
どこが良い?』
聞くのか、この僕に。
小さくため息をついて指で指し示していく。大人しく従って触手を這わすこの姿を、彼女はどう思うのだろう。つまらないと思っていたものの、段々と尖る視線になんとも言えない気持ちが芽生えていく。あぁ、ばったり遭遇でもしてみればどんな顔をされるのだろう!
今度酒を片手に彼女に吹っかけてみてもいいかもしれない。何かあれば守ってくれるだろう、この王が。はは、と笑みが溢れ誤魔化すように寄り添うと、視線は更に淀んだ空気を纏った気がした。
(あげないよ)
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