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錘(つむ)
2026-06-22 22:54:03
9241文字
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Riddle me ree. -on the wall-
先天的女体化、暴力表現、死にネタ、産卵、近親あるのでGつけていますが描写自体はぬるいと思います
大丈夫そうでしたらよろしくお願いします
男として育てられたジョン♀とその理由を知るリチャード 前編 後編はジョン♀視点
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一番下の弟は妹だったが俺にとってはかわいい弟である事に何らかわりはなかった。
クリスマスの前の日、ジョンが末の弟として生まれた日、神に感謝した。光の粒のように冷えた冬の空気を覚えている。
十歳近く離れているジョンは、一挙一動すべてが愛おしかった。なんなら寝ているいるだけでも、今とても柔らかい眠りの中に在るのだなと、ただ嬉しかった。ゆりかごの隣で、赤ん坊が連れて行かれるか自分が大人に引っ張られていくまでは、飽きもせず寝顔を見ていた。気むずかしい子だと大人はいうが、あんなに小さいのに声を張ってたくましく泣くのも、愛らしい顔をしかめて周りをハラハラさせているのも笑顔と同じくらい好きだった。だんだんと喃語が言葉になっていくのも、後をついてくるのも。三つ編みを引っ張った手も。
赤子や幼児は皆そのようなものだと口々に言う。養育を得るために生まれつき、身近な人間に特別な存在だと思わせる何かが備わっているだけだと。ああ、そうかもしれない。でも、ジョンの瞳は誰とも違う。そう返せばまた笑われる。
ありきたりの情愛だとして、それを他ならぬこの身に授けられたことを。どれほど感謝してもしたりないのだ。
ジョンが生まれて数年後、母に、なぜ本当は妹なのに弟なのかとなんとはなしに訊ねた。母はたいそう驚いて、人払いをしたあとにどうして知ったのかと強く訊いてきた。正直に、特に理由はないがわかるのだと答える。生まれたときからなんとなくとまでは言わなかった。
「
……
リチャードにはわかってしまう気はうすうすしていたけれど」
母は独りごちた後、嘘ではなさそうと読んでくれたのだろう。真面目な顔を向けた。
「誰にも言ってはなりませんよ。ほかのきょうだいにも、誰にも。理由はいつか、教えてあげます。それまではあの子のために、秘密を守ってあげて」
もちろん、誰にも言うつもりもなかったが、みんなは当然気づいていて特に口にはださないだけだと思っていたから、母が口止めをしてくれてよかった。
成長に従って、ジョンの得意不得意ははっきり見えるようになってきた。
剣の訓練は、教えるほうが気の毒がるほどに不得手だったが、それでも放り投げることはなく、鍛錬を受け続けていた。勘が悪いのではなく、純粋に筋力に劣るからだ。父もほどほどにと教育係に伝えているようだったが、ジョンは投げ出さずに剣を振るっていた。時折稽古をしてやると、すまなそうに、でも嬉しそうに、剣を振るった。その生真面目さが好ましかった。
勉学は得意で、法律などを重点的に教わっているらしい。講師と何か問答をしていても、時折教える方が押されている場面もあった。
ジョンは聡明だった。勉学だけで磨ける範囲を超えた場所に、天賦の才を持っていた。
たとえば伝説の剣を求めると公言しているところに、本当に欲しているものを事もなげに指摘して見せた。嬉しくなってしまって、とても身勝手な未来を二人で描いた。
愛しいジョンが弟でも妹でも、関係なかった。このときは。
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