錘(つむ)
2026-06-13 22:14:00
11117文字
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STRENGTH

人外✕転生 パロだよ ぬるいですが性描写があります



 自分の躰であるのに、外から支配されている感覚だった。まったく動かせないのなら抵抗のしようもないが、手足は率先して絡みつこうとし、身の奥が勝手に焦がれ捩れる。身体に裏切られているようだ。声が外に漏れるのは嫌なのに、こらえるなと言われれば抑えられない。 

 行為の途中でほどいた髪が、たてがみのように豪奢で、ひどい蛮行にも関わらず、高貴だけは損なわれなかった。

 穿たれ、放たれて、引き離されて。腹の中の消えない熱に意識が飛びかけているジョンに、組み伏せた態勢のまま、リチャードは無情に伝えた。

「まだ、終わりじゃないぞ、ジョン」

 せめてもの抵抗に睨み上げる。透き通った赤い瞳は、獲物の弱り具合を見ているようで、それに怖じけるどころか反感が強まった。

 なんとか、腕に力を込めてみる。リチャードは不思議そうに見下ろしている。腕が自分の意志で動かせたのは、リチャードが何をするつもりか興味を持ったからかもしれない。殴打も、押しのけるのも無意味な抵抗だし、目的はそんなものではなかった。リチャードの両頬に手を当てて、髪を上げる。耳にかけるように流すと、髪を編んでいる時に印象が近くなる。

「もう、一度、訊く。何がしたいんだ」

 ごまかしも言い逃れも許さないと、正面から見据える。リチャードは、虚をつかれたようだった。自分の頬を抑えているジョンの手に手を重ねて、引き剥がすつもりかと思えば、戸惑いながらも軽く重みを預けてきた。

「戻りたいなんて、言ってほしくない。ずっとそばに、俺といてほしい」

 ジョンが手を引くと、リチャードはベッドの上に座り直した。押さえつける力が緩まったので、ジョンも身を起こす。

「ならば思い知れなどと言うものではない。さっきの、あの……、身体の自由を奪うような真似はしないと約束してほしい」

「すまない……悪かった」

 先程の横暴はどこへいったのか、素はだかで詫びる姿に少し溜飲が下がった。自分も服は着ていないが。それにしてもたちの悪い愛嬌だ。これで絆されるのもどうかしているが、ほぼ死んだ身であるのだから、どうかしているくらいで当たり前だろう。

 腕を伸ばして顎骨をなぞると、顔を上げる。そちらが始めたのだが。

「まだ終わらないのでは?」

「いや。その、それはええと、つまり。……いいのか?」

 いいのかと言いながら、避けようのない距離に詰めてきている。がっつきすぎである。

 ジョンは薄い唇に、微小未満を閃かせた。正直、散々に弄ばれた上に全力で抗ったため大変疲れている。途中で落ちるかもしれないが、それまでは。

 まずは一方的でない口づけを、許可の言葉に変えた。