いを
2026-05-30 17:33:45
1780文字
Public 刀神
 

潮月抄・第二幕

「海月譚」
青嵐


章末

 どれほど故郷に、月に、海月に、あるいは花に焦がれようと私は私以外の存在にはなれない。と、同時に帰ることができないし、月も、海月たちも、その場に咲く花たちも自分以外のものにはなれない。
 おなじ存在になり得ないから、触れられるのだ。
 拒もうと思えば拒めるだろう。おなじ存在ではないから。
 それでもあの海は、私を拒まなかった。