三、海月の夢
私の時間はほかの人間とおなじように、またはこの潮の流れとおなじように流れている。時を早めることも、遅くすることもできない。私が人間だからだ。私以外の人間も、人間だ。そして、刀神も刀神にしかなれない。けれども元は人間であった刀神もいる。ひとの心とカミの心は同時に保てるものなのだろうか。
海月から、ようやく視線を外す。この巨大な装置と、巨大な鉄筋コンクリートの匚。その中に無数の命がある。どの命も時間の流れとともに生きている。
留まっているものはいない。刀神も、永遠ではないから。擦り切れるまで使われ続ければ、いずれ折れる。彼らの命は私たちのようにやわらかい臓器がすべてではなく、鋼そのものだ。それでもきっと、その中にやわらかなこころがあるものもいるのだろう。
おなじものがあるとしても、私たちは彼らのようには留まれない。同じ場所へは行けない。
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