サブさぶれ
2026-05-09 17:25:24
14364文字
Public
 

原作軸③

原作軸のSS・短編置き場③です。


「いけ! カイリュー、ニョロトノ!」

 鋭い号令と共に二体のポケモンが飛び出てくる。直後雨粒がコートに、私に、君に襲いかかる。ほとんど反射的に「特別な特性の子なんだ」と身構えた。濡れる視界の果てに君を見る。

「俺は間違ってない……。答え合わせさせてもらう!」

 深い深い雨の中、君の姿がきちんと見えない。多分、君にも私の情けない顔は見えてない。それならそれで構わない。だって今の私には君に降る雨を拭えないから。記憶より細く遠い肩を濡らさないよう、傘を渡すことすらできないから。けれど。

「ウェーニバル、交代! お願い、コライドン!」

 相棒の咆哮が轟く。私たちを覆っていた雨雲がサッと晴れ、代わりに原始の日差しが貫く。君は私を強く、憎々しげに睨みつけた。
 今の私に傘を渡す権利などない。代わりに何でも晴らしてやる。真正面からぶつかってやる。
 さあ、ラストバトルの幕開けだ。