Skorca
2026-04-26 19:29:20
6212文字
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語彙トレ2026(3月前半)

Blueskyで参加させていただいている語彙トレ2026の投稿作3月前半まとめです。
前半は皆勤賞でした。

語彙トレの詳細については主催のKiri様の記事をご覧ください。
創作365日語彙トレーニングことはじめ

カクヨム小説家になろうにて公開中の下記作品の世界観で好きに書き綴っています。

禁書屋の常連客
遺形の承継者
親愛なる我が従弟殿 ~遺形の承継者 番外編~
ある空隙についての物語

最終ページに各話の登場キャラクターと関連作品の一覧があります。


散逸(3/8)

 大主教の手から渡されたそれは、ひどく重厚な造りの書物だった。厳つい表紙の中心には見るからに頑丈そうな金属製の帯が嵌まっており、鍵が掛けられている。
「これは……それだけ極秘の内容ということでしょうか」
 あまりの堅牢さに面食らったヴィーは、後見人である大主教の顔を見上げて問う。しかし大主教はわずかに表情を緩めて答えた。
「どちらかと申しますと、散逸を避けるためのものです。千数百年という長い時を書物の形で維持するには、その帯が不可欠と申せましょう。開いてご覧なさい」
 ヴィーが言われるままに鍵を開けると、その重たい表紙を跳ね除ける勢いで、羊皮紙の頁が広がった。


---解説---
 『親愛なる我が従弟殿へ』の「今年最後の君への手紙 十九日目」と「いずれ来るときまでは 〜後日譚〜」の間の出来事で、ヴィテックスの書を初めて手に取るヴィー。
 ヴィテックスの書とは言うまでもなくドレイクの一族が守り伝えた禁書のことで、そのうちルーシが買い求めたものがケンプフェリア大聖堂の所蔵となっています。