Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
tonami
2026-04-16 00:36:21
7511文字
Public
50音
Clear cache
50音/た行
50音短文詰め④
1
2
3
4
5
ち/原作軸
近頃やけにキャプテンと同盟船の剣士の仲が良い。
ゾウで再会した時は、少なくとも他船の船長とクルーという距離感だった。急接近したのはポーラータングに戻ってからだ。具体的には船を離れていた間のあれこれを終わらせて、ようやく時間ができた日の翌日。一緒に朝食を摂っている姿を見て、あれ?と思った。こんなに仲良かったっけ、と。
トラファルガー・ローという人は、身内とそれ以外を明確に分ける。他人相手には心理的な距離感はもちろん、パーソナルスペースがひどく広い。クルー相手には肩を組んだり隣に座ったり、ベポなんかには抱きついたりもするけれど、基本的には他人との接触を好まない人だ。それが、あの剣士だけには発揮されなかった。他の麦わらの一味や侍達には相応の距離を保っているのにもかかわらず、ロロノア・ゾロという男にだけはむしろ自分から距離を詰めに行っていた。
同じ妖刀持ちだからかとも考えてみたりもした。ワ食好きだとか、淡白というかドライなところとか、ロロノアが存外手がかかるから珍しくキャプテンの世話好きが発揮されたのかもとか。いろいろ可能性をぐるぐる考えて、二人をそれとなく観察して、ある日天啓を得た。
「も、もしかしてキャプテンとロロノアって、付き合ってます──!?」
「ようやく気づいたのか。お前にしちゃ遅かったな」
ペンギン、とにやりと笑うキャプテンの悪どい顔ときたら。本業医者とは信じられないほど海賊らしい。海賊だけれども。
「えっ、いつから? ていうかようやくって言った?」
「付き合い始めたのはゾウでだな。イッカクは真っ先に気づいたぞ。女の勘は馬鹿にできねェな」
「いや、おれだってなんか仲良いなって思ってたよ? それがお友達なのか弟分なのか彼氏なのかわかんなかっただけで」
「おれはわりとわかりやすかったつもりだがな」
一番に気づけなかった事実に悔しくて歯噛みするおれにキャプテンが苦笑した。思い返してみれば普段のキャプテンらしくないところはいくつもあった。そもそもローさんが身内同然のクルー以外に、自分から物理的に接触しようとするわけがない。そうでなくても相手から触れられることすら厭う人だ。少し動いたら肩や腕が触れ合うような距離で座ったりなんて絶対にしない。まして自分の部屋に招くなんてもってのほか。あれ思い返してみるとこれでなんで気づかなかったんだろう。明らかにロロノアのこと好きじゃん、キャプテン。いやでも、でもさ、仕方なくない?
「ぶっちゃけあんたが同盟とは言え、他の船の人間に手ェ出すようなリスク犯すとは思えなかったんですよ。あっても一時的なもんだとばっかり。付き合ってるってことは、そうじゃないってことだろ」
「おれもその辺りは悩んださ。さんざん悩んだ結果、あいつを誰にもやりたくねェ気持ちのほうが勝った。おれ以外の人間を伴侶と呼ぶなんざ絶対に我慢ならねェ。もしそうなったらそいつを殺してでもゾロ屋を手に入れる」
「え、こわ
……
海賊じゃん」
「海賊だろうが」
「そうでした、キャプテン」
十三年間を復讐に捧げたように元来執着が人よりも倍以上強いこの人は、唯一と認めた愛を他船の剣士に捧げたらしかった。クルーとしては反対したいところだけど、友人としてのおれはできれば祝福してあげたかった。ロロノア相手じゃ絶対苦労するのはわかりきっている。それでもローさんはあいつがいいとロロノアを望む。ならせめて、個人としてのおれくらい味方でいたかった。ローさんがこんなに強くただ一人を望んだのは初めてだから。
「もしロロノアを掻っ攫いたくなったら言ってくれよ。全力で協力するから」
「そりゃ心強いな」
ハートの海賊団のクルーである以前にトラファルガー・ロー個人の悪友として、友人の幸せを願うのは当然のことだった。
いつかその日が来た時は
1
2
3
4
5
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内