柚子茶
2026-04-05 20:58:02
4000文字
Public 私とリオルシリーズ
 

先生とだいばくはつ

番外編みたいなお話



 ようやく落ち着いたらしいナツユキは、カップに半分ほど残ったコーヒーを一気に飲み干すと、店員にコーヒーのおかわりとリノンの分のチーズケーキを注文した。そのまま映画の感想を語り合うのも、この街ではよくある風景だ。

「それにしても、最近のCGはリアルですねぇ。あの「だいばくはつ」とか、本当に爆発したのかと」
「あ、あれ本物です。レックウザと雲はCGですけど」

 ナツユキはポケモンと人間のどちらも診る医者である。撮影の為に危険な行為をする者には、それが人であれポケモンであれ苦い顔をしてしまう。何せそういう患者を何度か診ているので。
 そんなナツユキにがリノンは先程まで読んでいた冊子パンフレットを再び開いて見せる。キャストの紹介ページには、にわかに信じ難い情報があった。

「あのメテノが爆発ジャンキー……? いや爆発ジャンキーってなんですか」
「そのままの意味ですね。友達役はちがう子の予定だったけれど、すぐ爆発したがるから急遽大道具さんのニョロゾになったみたいです」
「ああ、しめりけ……

 世の中には、理解し難いものを好む者がいるということは知っていても、まさか近くにいるとは思わないものである。遭遇したらそれはもうだいばくはつ級の衝撃である。
 ……余談だが、遠く離れたカロス地方には、爆発により命を削って戦うことに目覚めた者達がいる。ナツユキの精神衛生のためにも生涯出会わないことを祈る。