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こあらん
2026-03-31 00:25:04
21643文字
Public
ロベシエ
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オレのモノになってくれ/ロベシエ(R18)
肉体関係はあるけど付き合っていない。
シエテのある言葉がきっかけでロベリアが動く話。
人によっては、解釈違いがあるかもなので、いやな予感がしたら回れ右でお願いします。
1
2
3
4
5
「ん
…
朝
……
?」
まるで身体を優しく包み込んでくれるような穏やかな日の光が窓辺から差し込み、シエテを照らす。しまった!寝過ごしてしまった
…
。いつもは日の出前に起きるのに
…
。そう思いながら、ゆっくりと上半身を起こす。
「ボンジュール、シエテ。今日はお寝坊さんだな」
「ロベリア
……
?あれ
…
、俺
……
」
寝過ごしたからなのか、霧がかかったようにぼーっとして、頭が回らない。目の前で、クスクスと穏やかに笑っているロベリアがいた。スツールに座り、手を顎に当てながら自愛に満ちて幸せそうな瞳でシエテを見つめている。
部屋を見渡すと、ここは自室ではなくロベリアの部屋だという事に気付く。あれ
…
?俺、なんでここにいるんだっけ
…
?記憶が曖昧で思い出せない。それに、身体を動かそうとしても、腰から力が抜けて鉛のように重い。それでも、何故か心は晴れやかで軽かった。
「朝食を持ってきたぜ。一緒に食べよう。記念すべき日だ。二人っきりで食べたい」
「え、
……
あ、あぁ、ありがとう
…
?」
まるでリズムにでものっているような、非常にご機嫌な口調で、ロベリアは促す。サイドテーブルには簡単な朝食──サンドイッチにミニサラダ
…
それに、カットされたりんごが皿に乗っていた。そういえば、お腹がめちゃくちゃ減っているな
…
。テーブルにある朝食を見るだけで、お腹がぐぅとなる。こんな小さい音もロベリアは聞き逃さず、クスッという笑い声が聞こえた。
それにしても、ロベリアはちゃんと服を着ているのに自分は裸なのはいただけない。いい加減、着るものを着て起きないと
…
そう思いながら、部屋を見渡したら二人の服──シエテは鎧装束だが、が無惨にあちこちに散らかっていた。見るに耐え得ない
…
そう、恥じらいながら左手で目をこすると違和感を感じた。思わず、自分の手に目をやる。
「え、指輪
…
?」
左手の薬指にいつの間にか指輪が嵌められていた。銀色の指輪の中に、小さな緑色の宝石がキラリと光る。驚きのあまり、指輪を見ながら呆然としているシエテを朗らかな笑顔で見つめる。
「くはっ、やっと気づいてくれたね、シエテ!」
「ロベリア、こ、これ
…
!」
もう、何がなんだかわからない──混乱のあまり、指に嵌めてある指輪とロベリアを交互に見ながら昨日の出来事を必死で脳内で整理する。
そうだ!昨日はロベリアの部屋に行って、ロベリアに──。
そんな、オロオロしているシエテをよそに、ロベリアは瞼を閉じながら感慨深そうに呟いた。まるで、昨日の出来事を噛み締めているかのように
……
。
「昨日は
…
、いや、詳しく話すのは
…
エレガンスではないな
…
。でも、オレにとって最高の一夜だった
…
。思い出すだけで、ああ
…
セボン!今でも胸が高鳴るよ
…
」
「え」
話しているうちに、段々と興奮してどんどんとテンションが高くなってくるロベリアに圧倒され、シエテは思わず声を漏らす。
「
…
キミはずっとオレを好きでいてくれた
…
。くははっ!
…
そんなの、前からわかっていたさ。恥ずかしがり屋さんなキミも可愛らしかったが
…
。やっと、やっとキミは、壁を壊してくれたね。トレッビアン!嬉しいよ!」
「
…
え」
「
……
これで、オレ達は晴れて恋人同士だ、モンシェリ
…
。もう、他の誰かに誘われたりしないでくれよ?」
「
……
え」
熱く語っているロベリアを見ながら、昨日の記憶が鮮明に蘇ってきて、顔が徐々に熱くなってくる。
そう、昨日は
…
とんでもない一日だった。散々ロベリアに焦らされ、理性も何もかも壊された状態で何度もどろどろに抱かれてしまった。その時、自分が何を叫んだのか、どんな恥ずかしい言葉を吐き出したのか
…
よく覚えている。そして、それに喜ぶロベリアの緩みきった表情も──。
だが、それでも
…
、頭の隅ではまだ『こんな関係はダメだ』と叫び続けている。立場も、使命も
…
考える事は山積みで、全てを投げ出してまでロベリアに縋るなんて、出来やしないはず。でも、心はロベリアを求めていて、満たされていて
…
。シエテの脳内は嵐のように混乱し、パニックになっていた。
「いや、ちょっと待ってよ!こ、恋人って
…
お、俺
…
!」
「
……
ルジストル」
慌てふためているシエテを、目を細め、満足気に笑いながらロベリアはゆっくりと見つめる。そして中指と親指を合わせ、パチンと音を鳴らして巻き貝を取り出し、シエテに渡した。ロベリアのクラポティだ。この中に、何が録音されているのか
…
想像するに容易い。シエテは震える手を抑えながら、恐る恐る巻き貝を耳に当てる。
そこには、耳を覆いたくなるような、昨晩の情事の様子がしっかりと録音されていた。シエテは舌足らずな声でロベリアの名前を何度も呼び、『好きだよ』だの『ずっとこうしたかった』だの歯の浮くような事を何度も、自分とは到底信じられない甲高い声で叫んでいる。おまけに、最後は『もっと欲しい』と何度もせがんでロベリアを求めている。それに喜び、愛の言葉で応えるロベリアの声が甘く低く響いていた。お互いの名前を何度も叫び、ベッドの軋み音に合わさりながら発する二人の熱い吐息が
…
非常に生々しい。どこからどう聞いても、恋人同士のセックスだ。
頭が痛くなってきた
…
。思わず、巻き貝を持っていない手で頭を覆う。
「
………
」
「おっと」
聴くに耐えない己の喘ぎ声と、生々しい情事の様子が絶えず流れている。恥ずかしすぎて、思わず巻き貝を持っている手に力がこもる。ロベリアはそれを察して指を鳴らし、巻き貝を消した。やれやれと肩をすくめ、だが愛おしそうにシエテを見つめながら優しく微笑んだ。
「ノンノンッ!気をつけてくれよ?せっかくの
…
キミの初めての可愛い告白を壊されるわけにはいかないからね」
「いや、あの
…
。そ、それは
……
」
あんなモノを聞いて、羞恥心で頭が一杯になり、頭が回らなさすぎて言葉が出てこない。まるでロベリアに体ごと支配されているかのようだ。心臓の音が脳まで響き、喉が変に乾いている。ロベリアはシエテに近付き、慈しむようにそっとシエテの頬を撫でた。
「くははっ、顔が真っ赤だな
…
。可愛いね、シエテ
……
」
「ろ、ロベリア
……
あ、
…
っ
…
」
まるで宝石を扱うように優しく撫でながら、その手は頬から首へ、胸元へと下がってゆく。そして、昨晩ロベリアがつけた、ありとあらゆるところに散らばっている噛み跡やキスマークを満足そうになぞってゆく。
変な触り方をしないで欲しい。優しくてこそばゆい感触で、消え去った筈の昨晩の熱が再び身体の底からじんわりと燻り始めてしまう。ただでさえ、先ほど昨晩の情事の音を聞いて腹の奥が疼いているというのに
…
。
ロベリアがつけた跡に触れられるたび、思わず吐息が漏れてしまう。ロベリアはそんなシエテを穏やかな眼差しで、愛おしそうに微笑んだ。
「
……
うん、サイズはぴったりみたいだね。鎧を着ているときは仕方ないが。それ以外のときはずっとつけてくれよ?」
指輪が嵌められている左手に手を取り、満足げにシエテを見つめる。その表情は、幸せが溢れんばかりの蕩けた笑顔でなんだか愛おしい。
シエテはじっと指輪を見つめた。確かに指輪はシエテのサイズにぴったりだ。一体、いつ指のサイズを測ったのだろう
…
。全く気付かなかった。正直、怖い
…
。
ふと、ロベリアの左手が光ったような気がして視線を移すと、そこにはシエテと同じ様な指輪が薬指に収められていた。シエテの物とは少しデザインが違う金色の
…
。そしてまるでシエテの瞳のような空色の宝石が、柔らかな光を放っている。
「恋人
……
」
シエテは僅かに震える自分の左手の薬指に視線を落としたまま、ぽそりと呟いた。指輪にある緑色の宝石が、存在を主張するかのようにキラキラと輝いているような気がした。 ロベリアの瞳の色と同じ色──指輪を見ているだけなのに、ロベリアに見つめられているみたいで胸がどくりと高鳴る。
恋人
…
、確かにそうかもしれない。だが、ロベリアが求めているのはきっとそれ以上だ。ただの恋人関係だったら、ここまでしていない。もっと深くて、特別な────。
「シエテ
…
」
ロベリアは昨晩からサイドテーブルに生けてあったマーガレットを取り、シエテの前にゆっくりと膝を軽く折るようにして、花をそっと差し出した。熱を帯びた甘い声で名前を呼ばれ、思わず右手で手に取ってしまう。
淡いピンクの花びらが、朝の柔らかな光に溶け込んで柔らかに揺れていた。マーガレット
…
そう、この花はピンクのマーガレットだ。昨日はそれどころじゃなくて頭に無かったが、この花の花言葉は『真実の愛』だったはず。
指輪にマーガレット
…
。ロベリアが一過性の想いでこのような行動をとっていないということがひしひしと伝わってくる。マーガレットを持っている手がふるふると震えていた。心臓はさっきから爆発寸前だ
…
。
ロベリアはシエテの左手を再び優しく取り、その指輪を愛おしそうに、まるで誓うように唇を落とした。
「
Resteras-tu avec moi pour toujours ?
ずっと一緒にいてくれますか
」
指輪の色と同じエメラルドの瞳が、真剣に、そして逃さないという強い思いを秘めた熱い瞳でシエテ見つめる。シエテにはわからない異国の言葉。でも彼が何を言いたいのか何故か理解できてしまった。なんて返していいのか、わからない
……
。シエテを見つめる、真剣で柔らかいロベリアの瞳から逃れられなかった。
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