Skorca
2026-02-26 00:18:25
4112文字
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語彙トレ2026(1月)

Blueskyで参加させていただいている語彙トレ2026の投稿作1月まとめです。

語彙トレの詳細については主催のKiri様の記事をご覧ください。
創作365日語彙トレーニングことはじめ

カクヨム小説家になろうにて公開中の下記作品の世界観で好きに書き綴っています。

禁書屋の常連客
遺形の承継者
親愛なる我が従弟殿 ~遺形の承継者 番外編~
ある空隙についての物語

最終ページに各話の登場キャラクターと関連作品の一覧があります。


軋む(1/24)

 重い木製の扉を開くと、ギイ……と耳慣れない音がする。
 皇族に次ぐ地位である両翼の神官たるルーシの身辺は、常に他者が完璧に整えていた。それは彼が身を置く巨大な神殿そのものについても同様で、一片の瑕疵も許されないかのごとく――実際そのような意識で管理されていたのであろう――あらゆる手入れが行き届き、すべての扉も床も、歪みを伝える響きを発することなど有り得なかった。
 禁書ばかりを扱うドレイクの店で、古びた扉を押すなり耳に届いたのが、蝶番が軋む音だとなぜ分かったのかは謎だ。だが決して耳障りな響きではなく、常に遠巻きだった世界の息遣いを初めて身近に感じた気がした。


---解説---
 『禁書屋の常連客』の前日譚。
 ドレイクの店を見付け、初めて訪れたときのルーシの回想。
 こんな環境でずっと生きているルーシが世間知らずなのは当然と言えば当然です。