浅葱
2026-02-14 23:08:42
8763文字
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26.2.21_夢チェリ公開分過去SSログ



【星の注ぐ先】※エンドコンテンツQAネタ


 真冬の澄み切った陽を窓越しに浴びながら、二人は珈琲を啜っていた。静かで穏やかな時の流れに、こういう時間も悪くないと感じながら、足元に擦り寄ってきた二匹の同居人に視線を下ろした後、ふと大崎は数日前のできごとを思い出していた。
「そういえば新橋さんは、数日前の流星群を見ましたか」
 微かに、新橋の肩がはねた。が、一度元の高さに戻ると、既に動揺の色は消えていた。
「流星群、ですか……いつのことでしょう」
「火曜だったか水曜だったか……すみません、自分から話題を振っておきながら」
「構いません。ですがそうですね、その辺りであれば夜通し執筆をしていたもので」
 カップを机に置いて軽く肩を回した新橋は、「金曜までは机に向かっておりました」と続けた。
「しかし、曜日を覚えていないということは、貴様も見ていなかったのでしょうね。流星群の話は人づてに聞いたのですか」
「いえ、流れ星は見ました。それが大きな流星群の一部だったと知ったのは翌日、父に話してからですが。新橋さんが見たのなら、どんな願い事をするのかと気になったのですが……見ていなかったんですね」
 大崎の話の合間にも、新橋はカップを再び持ち上げて、しかし口につける直前でおろす動作を続けていた。新橋自身が淹れた珈琲だ。猫舌を理由に冷めるのを確認しているわけがない。
……そもそも、仮に見ていたとしても願い事など誰かに話すものでもありますまい」
「それもそうですね」
 初詣や七夕の願い事もむやみ矢鱈に話すものではない。新橋の主張は最もだった。
「人の願いを気にするよりもまず、貴様は自分の安眠でも気にされては? 日付を跨いだ後に理由もなく空を眺めるなど、眠れていない証拠でございます」
「それが、あの日は星を見た後、よく眠れたんです」
「であれば、よろしいですが……
 流星群のことを知らない、見ていないと言いながら、大崎が流星を見たのが日付も越えた後だとなぜか知っている新橋。その新橋の問いに対する大崎の返答に満足した様子を見せたのが、一種の答えであると大崎は感じ取った。
「ありがとうございます。新橋さん」
……なんのことだか」


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