前のお話
リントくんとの帰り道。ちょくちょくからかってくるリントくんに怒りながら家に向かっていた時のことです。遠くで雷の音が聞こえました。
「んん? どこかで雷? こんなに晴れてるのに」
「昨日も晴れてるときに大きな雷が落ちたって言ってたし急いで帰ろう!」
牧場のメリープ進化事故を思い出した私たちは、すぐに走り出しました。しかし、リオルが着いてきていないことに気づきます。すぐに引き返すとリオルは道から少し外れたところの木の上を見つめていました。
「リオルどうしたの? なんだろこれ。布の切れ端?」
リントくんに抱き上げてもらって(ちょっとだけ、ちょっとだけ届かなかったんです!)リオルが見つめて居たものを取ると、それはまわりが焦げた青い布きれでした。それを見たリントくんが突然興奮し始めました。
「これ、数量限定で販売されたカミツレ様コラボのこだわりスカーフだ! 公式戦でも使えるけど数が少なすぎてコレクションにされてるせいか、ほとんどお目にかかれない激レアアイテムじゃん!」
――リンッ。
怖い時に鳴らして、という言葉に従ったのでしょう。リオルがやすらぎのすずを鳴らしました。当然です。慣れているはずの私ですらちょっとビックリです。というか、布の一部でそれがなんなのかを当てるのはちょっと怖い。
「おどろかせてごめんね。
……リオル?」
はじめはリントくんの声にびっくりしたのかと思いました。しかしリオルの様子が何かおかしいのです。
――リンッリンッリンッ!
何度も何も無い場所をみてやすらぎのすずを鳴らし続けるリオル。その必死な顔を見て、もしかして、と思いました。
「なにか怖いものが近くに居るの?」
お迎えに来てもらった理由。通学路に住み着いた危ないポケモン。リオルがそれに気付いて私たちに教えてくれてるのだとしたら。
「いったんそこの茂みに隠れよう」
「うん」
私とリオルはバトル慣れしていないし、リントくんたちは正面切ってのバトルは得意ではないから、まずは姿を隠してそのポケモンの様子をうかがうことにしました。
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.