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ふじしろ
2026-01-31 11:20:01
6833文字
Public
アル7
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カオイズ小話
セマバンCP1で展示した1000〜2000文字程度の短いコイバナ
1ページ目はもくじです。
読みたい話を選んでご覧ください。
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【はにわとDance(ボルトル)】
定例の会合も終わり、自室へ戻ろうと歩いていると肩を叩かれた。
振り向くと後ろにボルートがいた。
他の大幹部たちは私たちの様子を気に留めることなくどんどんと歩いていく。
しばらくするとその場には二人だけが残った。
「何か用かしら?」
背の高いボルートの顔を見上げると彼は少し戸惑っているように見えた。
「二人の時はもう少しちゃんと話しなさいよ」
黙ったままの彼に思わず息を吐く。
自分のことを喋ることが得意ではないことは知っているけど何か言ってくれないと話が進まない。
「
……
埴輪ホットケーキ」
「はにわホットケーキ?」
「博物館ノカフェデ人気ラシイ」
彼の管轄する中央地区にある博物館。
確かにそこにあるカフェもその時々で賑わっていて人気のスポットだ。
「もしかしてデートのお誘いかしら?」
笑顔を向けるがボルートの表情は変わらない。
「埴輪展、モシ嫌イデナケレバ」
彼はそのままボソボソと小さな声で話した。
一応私と彼はお付き合いをしている。
多分。
最初は私に姉や母親といった女性の家族のようなものを求めているのだと思っていたけど、案外彼はちゃんと私を一人の女性として見ているようだった。
言葉は少ないけれどちゃんと私のことを見ていると感じることも多いし、彼を甘やかした時に見れる普段のボルートとは異なる表情も可愛らしい。
デートの誘いはシュールというか不思議な場所をよくチョイスするけど、行ってみると癒されることも多くて悪くなかった。
そんな感じで私たちの関係は何となく続いている。
「いいわね。空いてる日を後で連絡するわ」
ふふっと笑って答えるとボルートはこくんと頷いた。
「ねえ」
そう言って小さく手招きするとボルートは腰を曲げて顔を近付けてくる。
つま先立ちで届くくらいまで近付いてきたら片手を彼の頬に添えて軽く口付ける。
直ぐに唇を離すがボルートは私の両肩を掴んで再び唇を合わせてきた。
唇全体を彼の唇でなぞられ、息苦しさに微かに口を開けるとぬるりと舌が入ってくる。
互いに舌先を絡め、ゆっくりと唇を離して目を開く。
目の前のボルートもゆっくりと目を開け、印象的な金色の瞳が真っ直ぐに私を捉えた。
こういう時に間近でみる彼の顔はどこか物欲しそうに感じて、普段との違いに嬉しい気持ちになる。
ボルートも見た目の通り、ちゃんと人らしい感情を持っていると確かめられて安心しているのかもしれない。
「
……
コンナ所デ済マナイ」
思い出したようにボルートが呟く。
「別に誰もいないんだから構わないわよ。最近バタついてたしね」
ゆっくりと腰を戻すボルートに笑顔を返す。
「日にち、確認して連絡するわ」
彼の指先を軽く握り、そして離す。
そのまま彼に背を向けて歩き始めた。
ボルートとの恋愛は何故か幼い頃感じていた甘酸っぱい気持ちを呼び起こす。
そのことが今の自分にとってどれほどかけがえのないものか、彼にはちゃんと伝わっているのだろうか。
いつも言葉の少ないボルートにそんなことを思っていた。
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