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かろん。
9210文字
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#刀剣乱夢
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伯仲ぶつかってみようか
※ちょぎさになんですけど、ちょぎさにと言うよりは伯仲メインです。
<挿絵描きました>
ミュ本丸の伯仲が最高すぎて、うちの伯仲はどうなんだろう…と思い喋らせてみた結果です。
だいぶ影響されてますが(ごめんなさい)
やっぱりうちの伯仲も、“伯仲”って基盤があって、信頼し合っているんだなと書きながら思いました
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────────
「偽物くん」
主のことで話がある。
と再び呼び出されて、今、防音結界まで張った中に二人でいる。
「そんなにやばかったのか?」
「
…
やばくはないが、他には聞かれたくないのでね」
「そうか」
「
…
偽物くんには主を任せてしまったし、聞く権利があると思ってね」
「
…
あぁ、教えてくれるとありがたい」
はぁ、と一度溜息をついた長義は、
「結論から言うと、主は“自分以外の気に当てられやすく、またとても吸収しやすい”体質であることが分かった」
「吸収しやすい?」
「あぁ。つまり、自身の霊力で身を守れるはずの主が、今まで悪い気に当たり必ず倒れていたのは、当たっていただけでなく、その身にそれを吸収してしまっていたからだ」
「だから、熱を出したりしていたのか」
「そういうことだ」
普通の人間も悪いものに当たれば発熱することもある。だが何度も言うが主は審神者だ。発熱するほどの悪いものに近寄れば、自らの加護と、近くにいる誰かしらの加護も働く。つまり何かしら反応が起こるはずだ。
しかし、今まで唐突に倒れるという事象しか起こったことがない。
「加護の発動よりも前に吸収しているということか?」
「そうらしい。それは彼女の共感性の高さ故なのだろう」
「ここまでのものは、なかなかにレアケースらしくてね。他に似た症状を起こす審神者を調べるのも苦労した」
「お疲れ様」
「
…
お前に言われることではないが、あぁ。ありがとう」
「それで、その吸収はどうにかできるのか?」
「
…
いや。彼女の共感性が高い故のことだから、そこを変えることはほぼ不可能だろう」
「
…
では、これからもずっと倒れてしまうのか?」
「それだが。お前、最近主は倒れていないと思わないか」
そう問われ思い返してみる。
最近
…
、確かに主は倒れていないが、
「それは悪いものに近寄っていないからじゃないのか?」
「俺もそう思っていたのだけれどね。
…
なぁ、俺と主をどう思う」
「
……
なんだ急に」
「いいから答えろ」
「別に。相思相愛だと思うが」
「
…
あぁ、そうなんだけれど。そうじゃなくて」
「
…
?」
「じゃあ言うが、俺は主に手を出していないんだよ」
「
……………
、は?」
「主は純粋なままなんだ」
…………
、
脳内で一度思考が止まる。
それは、こいつがとんでもない発言をしたからではない。
主と長義がそういう仲になってから、次第に色濃くなる長義の気配。
それはこの本丸の誰しもが感じていただろう。
その意味は、つまり夜を共にしたからだと誰しもが思っていたわけで。
誰も言葉になんかしないけど。
だが、今俺は何を聞かされている?
主は
…
純粋なまま
…
?
手を出して
…
いない
…
??
「は
…
?」
意味を噛み砕いたところで出たのは同じ一言だった。それくらい、主から感じる長義の気は大きかった。
「話を戻すが、主が倒れなくなったのは、俺と恋仲になってからの時期と比例する」
「もちろん彼女に触れたり、腕に閉じ込めたりすることも増えた」
「
…
で、おさらいだが。彼女は共感性がとても高く、相手の気を吸収する能力がある」
「つまり、俺の気は知らず知らずのうちに彼女に吸収されていたことになる」
「は
……
、」
つまり、彼女から感じる長義の気は、彼女が無意識に長義から吸収している気ということか
…
?あんな量を
…
?無意識で
…
??
「はぁ
…
。俺も最初は驚いたんだ。特別そんなことをしていないのに、彼女から俺の気配がどんどん強くなる」
「周りには絶対に勘違いされているだろう。それも最初は頭痛の種だったが、あれだけ強く気配が出れば、逆に誰も近寄ってこなくなる。まぁ、それならそれで好都合かと考えるようになった」
「だが、一番腑に落ちないのは俺自身だ。それで、彼女が倒れなくなったのにも意味があるのではないかと思って、調べることにしたわけだ」
「そういうことだったのか」
確かに何故このタイミングで調べると言い出したのかは不思議に思っていた。
倒れることを調べるのなら、もっと早い段階であってよかったはずだ。
「共感性が高いということは、気持ちの機微をより感じやすいということ。相手の“好き”だとか“守りたい”とかプラス方向のものならいいが、逆に“嫌い”だとかマイナス方向のものもそのまま受け取ってしまう」
「つまり、彼女が悪いものに当たり必ず倒れていたのは、そのマイナスの面、直接的に言えば死ねだとか消えろとかを呪いのように受け取っていたからだと考えられる」
「もちろん、彼女にそんな認識はなく、ないからこそ今まで倒れるだけで、言葉通り呪い殺されるようなことが起きなかったわけだが」
「主は、いい意味でも悪い意味でも気配にはかなり鈍いんだ。今でもあんなに俺の気配を纏っているのに、それすら気付かない」
「だが、むしろこれはもう、気付いてくれなくて良かったというレベルかもしれないが」
そう言って長義は深く溜息をついた。
…
それもそうだろうな。
「今それを自覚されたら、主の外見が変わりそうだもんな」
「
……
本当にな」
手を出していない上に、自分から神気を与えたわけではない相手の外見が変わってしまうのは、何というか、たとえ愛していても、愛しているからこそ、そこは自分の手で染めたいというか、何もしていないというのであれば、何かこう、俺なら負けた気になる。
…
でもなら、
「なんで手を出していないんだ?」
「
…
お前、それを聞くか」
「あぁ、いや、すまん」
さすがに聞いてはいけなかったか、と思いすぐに謝ったのだが、
「
…
いや、もういい。
確かめたかったからだ。主が倒れなくなったのは、俺の神気が彼女を守っているからではないかと」
あぁ、
「なるほど」
「
…
?それで、今回主を任せてくれたのは嬉しかったが。正直理由は分からない。何故だったんだ?」
俺のその問いに、一瞬顔を引きつらせてから、
「はぁぁ、もう。
お前しか許せなかったんだよ。彼女に移る神気が」
とても嫌そうに答えてくれた。
…
あぁ、それは、うん
…
?
「だから、彼女を任せるということは、少なくとも彼女に信頼され守る立場になるってこと。そうすれば自然と彼女はそいつの気を吸収してしまうだろう。それが、お前しか許せなかったんだよ」
…
っ。
めちゃくちゃ言いたくなかったのを全く隠さずに、しかしちゃんと言ってくれた本歌に驚いて、同時にとても嬉しかった
……
。が、
「もちろん本来は誰も許せはしないけどね。今回は諦めるしかない。
…
だから、君たちが万屋から帰ってきたときしっかり移っていたじゃないか。お前の神気が」
次に本歌から発せられたのは、人でも殺しそうな殺気に溢れた鋭い刃だった。
「っ、いやあれは、主がやばい花に触れそうになって」
「あぁ聞いたよ?」
「それに触れさせてしまったらお前との約束を違えてしまうし主も守れないと思って」
「あぁ」
「だからその、不可抗力だろうっ!!俺は主とお前との約束を守っただけだ!!」
溢れ出る殺気を一心に受けながら、早口で言い訳、いや事実を述べること数行。
「
…
それにその、守れなかったときなんてありはしないが。考えたくもないが、絶対お前、俺を斬るだろう」
あのとき主とも話したが、本気でそう思っているので口をついてしまった、が、
「
…
斬る?そんなことはしない」
……
え?
想像もしていなかった否定の言葉を受け長義を見るが、本歌は下を向いたまま殺気はしまわれていない。
「折るよ。
そんな生温いまま終わったりはしない」
っ、
顔を上げた長義は笑顔だった。
それはもう、とてもいい笑顔だった。
………
もう一生見たくない笑顔だった。
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