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ne🌟
2026-01-05 18:21:48
12058文字
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高諸
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高諸 何度でも、愛を囁く
完結しました!
怪我から目が覚めた高坂さんは3ヶ月分の記憶が無くなってた。そんなお話です。
尊ちゃん視点、高さん視点が、入り乱れてます。
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大きい手、優しい手。大好きなあの人の、温もり。
あぁ、これは夢だ。
だってあの人に酷いこと言った私を、あの人が優しく撫でてくれるはず、ないもの──
深い深いところに落ちていた意識が、ゆっくりと浮かび上がる。だんだんと意識がはっきりする中で感じだのは、落ち着く匂い。
あぁこれ、高坂さんの匂いだ。
最近は別々の布団で寝てたから、すっかり忘れてたけど、やっぱり落ち着くなぁ。
肺いっぱいに空気を入れるように息を吸えば、高坂さんの匂いに満たされらみたいでふわふわと気持ちのいい感覚を覚える。
……
あれ?
そういえば。どうして別々に寝てるはずの高坂さんの匂いが、こんなに近くにあるんだ?
「
………
起きたか」
目を開けば、まず目に入ってきたのは高坂さんだった。どうして高坂さんは私の布団の中にいるんだ?混乱する私を他所に、高坂さんは少し眠たげな表情のまま、おでこに手を当ててきた。
突然の触れ合いにびっくりして、固まっていると「熱は下がったな」と少しホッとしたような高坂さんの声が聞こえた。
そっか、昨日熱が出た私を高坂さんが寝ずに看病してくれてたんだ。
でも、それにしたって──
「
……
なんで私の布団に潜り込んでるんですか?」
「私の着物の帯を掴んで今も離さないのはお前だろ」
え?帯?
言われて自分の手に意識を向ければ右手でガッチリと高坂さんの帯を握りしめていた。それを自覚した途端、サァっと血の気が引いていくのを感じた。
「わー!すみません!?!」
なんてこった。
ずっと我慢できてたのに──!
熱のせいで気が緩んだのだろうか。それにしたって
……
距離が近すぎじゃないか?
離れたくないと思う気持ちを抑えつけ、慌てて手を離して布団から飛び出ようとした。
その瞬間、逆に高坂さんに腕を掴まれた。
気づいた時には、私はもう布団の中に引き戻されていた。
「え?!ちょ、高坂さん?!」
布団の中に逆戻りすると、すっぽりと高坂さんの腕の中に閉じ込められてしまった。
私の頭の中はパニックだ。
だって、私と高坂さんは今、恋人同士じゃない。それなのにこんな距離っておかしいじゃないか。
昨日の夜とは違う熱で体温が上がって、心臓の鼓動が早くなる。
どうしよう。早く、ここから抜け出さないと。
そう思っているはずなのに、身体は久々に感じる高坂さんの温もりのせいで、どんどん力が抜け落ちていく。
「なぁ尊奈門」
高坂さんの声が鼓膜を伝い、脳を震わせた。
あぁ、本当に勘弁してくれ。
やっと、忘れられそうだったのに。
それなのに、たった一言、恋人同士の頃を思い出させる声色だけで、嫌でもあの頃を思い出して胸が高鳴ってしまう。
「尊奈門、私はお前のことが好きだよ」
「
…
え、?」
聞こえた言葉に耳を疑った。
高坂さんが言った、その言葉。それは一度聞いことがある。
思い出すのは、数カ月前のこと。
忘れもしない、今年最初の蝉が鳴きだしたくらいの、夏の始まりの日──
『尊奈門、私はお前のことが好きだよ』
今と同じ言葉を、高坂さんは私にくれた。
なんだ、高坂さんは忘れてなかったんだ。
記憶ごと、私を好きだった気持ちも忘れちゃったのかなって思ってたけど、それは私の思い過ごしだったんだ。
やっと知ることができた高坂さんの本心を聞けて、私の心はどんどん熱くなっていく。
「
…
だから、お前が私から距離を置こうとする理由が、無くなった私の記憶にあるなら、教えて、くれないだろうか」
高坂さんの声は許しを乞うような、縋るような迷子の子供みたいな声だ。
ごめんなさい。私が向き合えなかったから、勇気を出せなかったからあなたを不安にした。少しでも高坂さんが安心できるように、私を閉じ込めて離さない腕に手を添えた。
「ねぇ、高坂さん」
きっと、今なら伝えても大丈夫だから。
「聞いて、くれますか?」
あなたと私の、あの三ヶ月の話を──。
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