真九龍
2025-09-19 19:41:40
8799文字
Public 小説
 

【鳴ライ】君ノ秘密

鳴海×ライドウのお話で、ライドウの或る行動が気になる鳴海の図。
注1:両想いな鳴ライで、二人がくっ付いて未だ間もない頃のイメージ。
注2:ライドウremaster版をプレイ済み及びクリア済み。
注3:捏造多発注意報が出ています、ご注意下さい。
2025/09/22 お蔵入りした”if”の分岐点をプロット形式的な文章でページ追加しました。



鳴海の早起き兼ライドウの早朝お出掛け監視生活、五日目が経過。
肝心のライドウはというと、ヤタガラスからの任を受け、悪魔討伐の最中だ。出発前、ライドウが無事に帰って来れるおまじないとして、彼の帽子を外して額に口付けすると、ライドウの顔と耳は瞬く間に真っ赤に燃え染まる。初心な反応に堪らず破顔する鳴海だが、直後、ゴウトから加減無しの制裁を喰らったのは言うまでもない。
さて、鳴海は愛しき人の無事と帰りを待ちわびつつ、ライドウが早朝に出掛けた日、ではなく、其の前日の動向及び前兆を思い出していた。

(……うん、何時もと変わりないな)

導き出した答えは、普段と変化無し。
十四代目葛葉ライドウたる彼の使命は、帝都の守護。書生兼探偵見習─加えて、鳴海の愛しき想い人─の肩書を持ちつつ、帝都に異変が無いか視察したり、時々学業に励む日々を送っている。ザクロが出現したら其れを祓い、見えないモノ若しくは見えなくなったモノを発見し、帝都を脅かす悪魔が顕現したら討伐する。そして、鳴海の許へ帰宅するのがお決まりだ。視察や討伐で疲労は有れど、「無事に終わりました」と、まだまだたどたどしい態度と表情で報告し、自分が怪我は無いかと訪ねて、怪我が有るのに問題無いと答えたとしても手当てをし、休養を取って、翌日も普段通りの生活へと戻る。
此処まで来ると、本人に直接問うべきか、いや、直球過ぎてもいけない。自身の観察不足ということも充分有る、自分達はお付き合いを始めたて間もないのだから。ライドウの事をもっと知りたい気持ちが逸り過ぎぬよう自制し、時が来るのを待機することにした。

「只今戻りました」
「(お?戻って来たか)お帰り、ライドウ」

ライドウ、鳴海探偵社に無事帰宅。
鳴海は帰宅したばかりである愛しき人の顔色や表情を隈なく観察していると、まじまじと注視されていることが恥ずかしくなってきたのか、ライドウは出発前と同様、顔と耳を真っ赤に染め、帽子のつばを深く下げた。
自分の想い人は、今日も可愛い。ライドウの足元からお目付け役のゴウトが物凄い形相と眼で睨んでいるが、可愛いものは可愛くて仕方が無いのだ。
ではなく、何時もの流れからすると、ライドウが己に向かって言う言葉は、

「えっと、その鳴海さん無事に、終わりました
「おう、御苦労だったな(何時もと変化は無し、か)。怪我は無いか?」
「左の手の甲に、引っ掻き傷をでも此の程度なら問題は」
「ライドウ。怪我の程度に問題有る無し関係なく、手当は絶対しておくことだ。ほら、椅子に座った座った」
済みません」

本日の報告と、怪我の有無と、手当ての流れ。
此の一連の流れが終わると、本日の鳴海探偵社の業務は終了となる。其の後は遅めの夕食を取り、他愛の無い話をして、風呂に入り─未だ付き合い始めたばかりなので別々に入浴、何れは一緒に入浴したい鳴海の野望其の一─、各々の自室で入眠し─一緒に寝る時もあるが未だ付き合い始めたばかりなので、情を交わすのはもう少し先だが何れはライドウとまぐわいたい鳴海の野望其の二─、今日を終えた。
其の翌日、鳴海は起床する。壁掛け時計の方に視線を送ると、五時十五分を指していた。四十五分程早い起床に欠伸をしながらベッドから下り、何時ものスーツに着替える最中、廊下から足音が聴こえてくる。

(ライドウの奴も起きているのか………ん?此れは、もしかすると?)

足音が自室から少し遠ざかった頃を見計らい、音を立てぬよう扉を開くと、何時もの衣装を身に纏い、装備を抱えたライドウと、其のお目付け役の後ろ姿を眼に捉える。普段と変化無し、と見せかけて、起床時間が何時より早い。
探偵の血が、ざわざわと騒ぐ。
瞬時に眼が冴えた鳴海の早起き兼ライドウの早朝お出掛け監視生活、六日目が開始。
己の行動と姿が覚られぬよう気配を極限まで押し殺し、静かに自室を出る。抜き足差し足忍び足で前進しながらライドウを黙視すると、彼は台所へと向かった。恐らく、朝食の準備だろう。此処もまた、普段と変わらずの行動だ。朝食を作り終えたライドウ─いつの間にか装備も装着済み─が台所から出、次に向かった先は鳴海探偵社の執務兼応接室。ライドウは鳴海の執務テーブルの上に手紙を置き、ゴウトと少し会話をした後、探偵社から出て行った。
鳴海はテーブルの上に置かれた手紙を確認すると、「少し出掛けて来ます、朝食は準備してあります」と書かれていた。

(遂に来たか、ライドウの早朝お出掛け!其の全貌を解き明かしてみるぜ!)

大正某年某月某日、朝陽昇り始める早朝。
鳴海は意気揚々と息巻き、一人と一匹に気付かれぬよう尾行を開始するのであった。