ライドウは鳴海と結ばれる前から、朝方に出掛ける事が時折有った。其の時は「少し出掛けて来ます、朝食は準備してあります」という置手紙が、執務テーブルの上に置かれている。彼が十四代目葛葉ライドウとして探偵社に来た当初は、此の行動を全く以って気にも留めなかった。しかし、想いが通じ合った後、こんな朝早くから一体何処へ出掛けているのか、出掛け先で何をしているのか、と、鳴海は今更ながら気になってきたのだ。
つい此間も置手紙と朝食を置いて出掛け、九時過ぎには帰宅しているのだが、ライドウの纏う空気は澄み切っているような、まるで”洗い落とした”かのように変化していた。
此れは探偵としての血が騒ぐ、寧ろ、滅茶苦茶騒がしいくらいだ。
鳴海は愛しき人の謎を解明する為、行動を開始する。ライドウに自身の動向を探られぬよう、何時もの日常生活と自然な振る舞いを意識しつつ、早起きをし始めた。
ライドウが起床する時刻を把握し、先に起床しては彼の行動に眼を光らせ続ける。朝寝坊は日常茶飯事だった鳴海の変化に、ゴウトは一体どういう風の吹き回しだ、と、怪訝気味に呟く。勿論、ゴウトの声は鳴海に聞こえない。代わりに彼の声を聴いたライドウは、とても良い心掛けだと思うと微笑みながら答え、朝食を準備するのであった。
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