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すだ
2025-09-14 09:57:57
10752文字
Public
婿スバカグ
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私の知らないあなた
交際前。カグヤ恋心自覚前。婿スバルの忘れ物を届けに行ったら、ゆるっとした格好で出てこられてしまい動揺する舞手カグヤのお話。暴走するカグヤさんがいます。どんなに暴走しても、愛の力で受け入れるスバル。友人枠でマウロさん出演。
#スバカグ
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竜神社に戻り、寝巻きに着替えたカグヤは布団の上で膝を抱える。
いつも優しいスバルが、あんなに感情的になるところを初めて見た。
膝頭に顔をうずめてぐりぐりと押し付ける。
どうして、スバルの前では他の人たちへ接するようにうまく出来ないのだろう。
小さい頃から知っている幼馴染で、他の誰より彼のことを分かっているはずなのに、どこか空回りしてしまう。
今日だって胸元の開いた格好に動揺し、要らぬことを口走ってしまった。考えてみればカイだって同じように浴衣を着崩しているのに、何故あんなに慌ててしまったのだろう。
タクミだって中々露出が高いし、里の男衆の中には上半身裸で作業する人だっている。
スバルにだけ、こんな気持ちになるなんて何だか恥ずかしい。再び先程の出来事を思い出しそうになり、カグヤは首を振る。
幼い頃はいつも共にいて、背丈もほとんど変わらなかった。
成長し、カグヤの背丈をスバルが追い抜いた頃からだろうか。子犬のように戯れ合っていた時期は終わりを告げ、故郷の同胞として接するようになった。
一緒に弓や舞の稽古をすることはあったものの、ふたりは違う大人たちに教えを乞うようになった。それから程なくして故郷を出ることになり、別れた。
体つきの違いなど、知る由もない。
スバルだって大人の男性に成長していたことは分かっていたはずなのに、実感していなかった。
それが突然眼前に突きつけられた。知らなかったことがショックだった。彼のことなら何でも知っている気でいたのに。
人は成長していくものだ。そして時を経る毎に少しずつ変わっていく。環境も、付き合う人間も。スバルとこれからもずっと一緒にいられるなんて、自分の都合のいい思い込みだったのかもしれない。
幼馴染は変わっていく、自分の知らないうちに。ここ数年離れただけで、あんなにも違う。
この焦燥感は一体何なのだろう。彼が自分から離れていくかもしれないという不安からくるものだろうか。
ぐだぐだと悩んでみても、結局ひとつの結論しか出なかった。これからもスバルと一緒にいたい。
「ああー
……
。その前に謝らなくちゃ
……
。何て謝ればいいんだろう」
「取り乱しました、ごめんなさいでいいだろ」
モコロンの適当な返事に、顔を上げ文句を言う。
「適当なこと言わないでよ」
「だってそれ以上何を言うんだ? お前の場合またボロが出るだろ。スバルに引かれたらどうするんだよ」
「それは
……
嫌ですけど」
「大体、何であんなに怒ったんだかオイラには全く分からないぞ。スバルだってダラっとしたいときはあるだろ」
そう指摘され、膝に頬を寄せながら口を尖らせる。
「だって、マウロさんにはだらしない格好を見せても構わなくて、私には駄目なんてずるいじゃないですか」
「ずるいってお前
……
。んー
……
なるほどな、カグヤの前でもスバルに気を抜いて欲しいってことか」
アイツお前の前では意地張っちゃうみたいだからな、と言う相棒を見上げる。意外だった。スバルはいつも余裕がある感じでカグヤに接していたからだ。モコロンにはそう見えているのか。
「そうなのかな?」
「まあ、オイラがそう感じるってだけだから気にするな」
「ただ、嫉妬もほどほどにしないと距離を置かれるかもしれないぞ」と、およそ神の眷属とは思えない人間くさい正論を吐くモコロンに、頷くしかなかった。
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