万丈
2025-07-22 09:47:05
2376文字
Public 小説
 

二千年の傷跡、再生の兆し

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
インドラ様とミトラ様、二人でカーンダヴァに視察に行く話。
コメント欄に後書きアリ。
🔄2025/07/24
関連の話→雷帝の贖罪
次の話→友と交わす最後の杯
関連の話2➝聖域の守り人


数日の旅を経て、二人の眼前に、懐かしくも変わり果てた故郷の姿が広がった。
カーンダヴァ。かつて緑豊かだった大地は、すべてが生命の色を失い、灰色の砂と枯れた岩肌だけが広がっている。

その中心に、墓標のように佇む、崩れ落ちた塔の残骸。シヴァが幽閉されていた、あの塔の跡。それを見た瞬間、インドラの呼吸が浅くなり、顔から血の気が引いていくのがわかった。ミトラが咄嗟にその肩を支える。

「インドラ!」

「今でも……夢に、見る」

インドラは、絞り出すように告白した。

……民の断末魔を、血の匂いを」

「この場所に戻るのが怖かった……だが」

彼は、悔いるように拳を握りしめる。

「彼らを弔わねばならないと、ずっと思っていた」

その言葉に、ミトラは何も言わず、ただ力強く頷いた。
二人は、民を弔うための慰霊碑を建てるのに相応しい場所を探し、荒れ果てた大地を歩いた。

その時だった。風化した岩陰に隠れるようにして作られた、小さな祠がインドラの目に留まった。
誰かが手で積み上げたような、粗末な石の祠。だが、そこには信じられないものが供えられていた。まだ瑞々しさを失っていない、一輪の野生の花。

「これは……

インドラが言葉を失う。

「誰かが、生きているのか……?」

ミトラが呟いた。人がいないはずのカーンダヴァに、生存者の痕跡。完全に滅びてはいなかったのかもしれない。この灰色の死の大地に、まだルドラの血は、命は、残っているのかもしれない。

その事実は、虚無に閉ざされていたインドラの心に、一条の光を差し込んだ。
彼の瞳に、二千年の時を経て初めて、驚きと、そして微かな希望の色が宿った。
友の魂が、まだ死んでいなかった。そのことに、ミトラは安堵の息を漏らした。