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万丈
2026-01-22 03:41:50
6143文字
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小説
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聖域の守り人
【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
ルドラ族の生き残りのその後と、封印中のミトラ様の話。赤髪の青年はたぶんカーリーちゃんのご先祖です。
🔄2026/01/25「長老の悔恨」追加
関連の話→
二千年の傷跡、再生の兆し
前の話→
友と交わす最後の杯
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赦されざる者の祈り
ミトラが永い眠りについてから、十数年が過ぎた。
私は、デーヴァ神軍の神将として、その務めを、黙々とこなす日々を続けていた。
ヴィシュヌ様という光に仕え、彼女が望む平和な世界を築くこと。それが、友が私に託した、唯一の道標だったからだ。
その日、私は、ヴィシュヌ様に定例の報告をするため、彼女の私室へと向かっていた。
扉の前まで来たその時、中から、微かに話し声が漏れ聞こえてきた。
ヴィシュヌ様と、そして、もう一人。
その気配は、私が知る、どの神将のものとも違う、研ぎ澄まされた影の気配。
――
幻夢衆。
ヴィシュヌ様直属の、影の部隊。
彼らが、公の場に姿を現すことはない。
何か、特別な報告があるのだろう。
私は、邪魔をするべきではないと、踵を返そうとした、その時だった。
耳に入った二つの単語に、私の足が、縫い付けられたように止まった。
『
――
ミトラ様の封印は、安定しております。ルドラの民たちも、献身的にお仕えしておりますので』
ミトラ。
そして、ルドラの民。
私は、息を呑んだ。
カーンダヴァの生存者。
あの、任務の時に見つけた、一輪の花。
やはり、故郷の民は生きていた。
喜びが、心の奥底から、込み上げてくる。
私は、息を殺し、その会話に、全ての神経を集中させた。
『聖域の警護は順調です。彼らも、ようやく、この地の生活に慣れてきた様子』
『そうですか。良かった』
ヴィシュヌ様の、安堵したような声。
『ミトラのことも、よく、世話をしてくれているようですね』
『はっ。彼らも、理解しております。幻帝ミトラ様が、来るべきアスラとの再戦において、我らデーヴァにとって、どれほど重要な存在であるかを』
『インドラのことは、気にしてはおりませんでしたか』
その問いに、幻夢衆の男が、少しだけ言葉を濁した。
『表立って、口には出しませぬが。やはり、心の奥底では、故郷を、同胞を、滅ぼした、あの男への憎しみは、消えてはいないかと』
『そう、ですか
……
』
ヴィシュヌ様の、哀しげな、ため息。
もう、それ以上、聞いていることは、できなかった。
ああ、そうだ。
当たり前の、ことではないか。
私は、彼らの、故郷を、家族を、この手で奪ったのだ。
彼らが、私を憎むのは、当然のこと。
生き残りがいた、という喜びに、一瞬でも、浮かれてしまった自分が、ひどく愚かに思えた。
私は、音を立てないように、その場を静かに離れた。
そして一人、西の回廊へと向かう。かつて、ミトラと共に、未来を語り合った、あの場所へ。
眼下には、星々のように輝く雲海が広がっている。
私は手摺りにその身を預けた。
胸の内を、喜びと、哀しみと、そして、どうしようもないほどの孤独感が、ごちゃ混ぜになって渦巻いている。
ルドラの民が、生きていた。
かつて、カーンダヴァの廃墟で、一輪の花を見つけた、あの日の淡い希望。
それが、真実であったことへの、純粋な喜び。
同時に、その生き残った民たちが、この私を、心の底から憎んでいるという事実。
そして、その憎しみを胸に抱きながらも、ヴィシュヌ様の願いを受け入れ、私のただ一人の親友ミトラを、守ってくれている、という、あまり皮肉で残酷な現実。
私は、天を仰いだ。
空には、静かな月が、浮かんでいる。
あの、巨大な樹木の下で、永い眠りについている、友の顔が、脳裏をよぎる。
(
……
そうか)
彼は、独りでは、なかったのだ。
私が、滅ぼしてしまった、私の故郷の民たちに、守られていたのだ。
たとえ、彼らが、私を生涯許すことがなかったとしても。
たとえ、私が、彼らの前に、二度とその姿を現すことが許されなかったとしても。
彼らが生きている。
そして、ミトラを守ってくれている。
その事実だけで十分だった。
(
……
良かった)
私は、遠い聖域で眠る、友の魂に想いを馳せた。
そして、その魂を守る、名も知らぬ、同胞たちの幸せを、密かに、そして誰よりも、強く祈るのだった。
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