万丈
2025-07-22 09:47:05
2376文字
Public 小説
 

二千年の傷跡、再生の兆し

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
インドラ様とミトラ様、二人でカーンダヴァに視察に行く話。
コメント欄に後書きアリ。
🔄2025/07/24
関連の話→雷帝の贖罪
次の話→友と交わす最後の杯
関連の話2➝聖域の守り人

大戦の終結から数年。天空界は復興の道を歩み始めていたが、インドラの瞳の奥に宿る深い闇は、未だ晴れることがなかった。彼がデーヴァ神軍の一員として黙々と武功を重ねるほど、その功績とは裏腹に、魂の孤独は深まっていくように見えた。

智将ミトラは、日に日に近づく永い眠りの刻を前に、友のその姿を憂いていた。このまま彼を一人残していくことに、大きな不安を抱かずにはいられない。
そんな二人の様子を、大元帥明王アータバッカは静かに見守っていた。

「ミトラ殿、インドラと共にある調査をお願いしたい」

ある日、アータバッカはインドラとミトラを呼び出すと、そう切り出した。

「カーンダヴァに残る黒の光流の残滓調査だ。アスラの脅威は、根絶やしにせねばならん」

それは表向きの理由。老将は、ミトラにだけ聞こえるように、そっと付け加えた。

……お二人でじっくり語り合う、良い機会でしょう」

ミトラはアータバッカの配慮に内心で感謝しつつ、これがインドラと過ごす最後の時間になるかもしれないと覚悟を決めた。



天空殿の転送陣を使い、二人はカーンダヴァに最も近い辺境の地へと降り立った。ここから先は、バルダを用いても、数日を要する道のりだ。
眼前に広がるのは、荒涼とした大地。吹き抜ける風は冷たく、二人の間に言葉は少なかった。インドラは黙々とバルダを操り、ミトラはその後ろ姿を静かに見つめる。

その夜、二人は岩陰で火を起こし、野営の準備を整えた。揺らめく炎が、インドラの感情の読めない横顔を照らし出す。ミトラは、ずっと胸に仕舞い続けていた問いを口にした。

「インドラ……あの日のことを、聞かせてもらえないか」

インドラの手が、ぴたりと止まる。その横顔は、夜の闇に溶け込む石像のようだった。
長い、息の詰まるような沈黙の後、彼は重い口を開いた。

シヴァの暴走。破壊の悦びに狂う主君。自らの手で、愛する民を手にかけたこと。そして、死ぬことすら許されぬ、反魂の術という名の呪い。
淡々と語られる言葉は、しかし、一つ一つが血を流しているかのように痛々しかった。ミトラは言葉を失い、ただ友が背負わされた壮絶な苦しみに、心を痛めることしかできなかった。