さつま
2025-07-08 19:42:23
6148文字
Public 🔥🟧
 

【こばなし】🔥🟧

みじかいの。説明とか入り交じる。
同じ世界観を、時間だけトリップして転々とし、🔥くんを救った世界最強の女。それって年代だけ見れば、だいぶ年上ってこと。



その顔を見て、わたしは彼を呼ぶように腕を広げた。
嫌な夢でも見たのだろうか、嫌なことでも言われたのだろうか、嫌なことでも思い出してしまったのだろうか。
どれにしろ、すぐに抱きしめてあげたいと思った。ので、行動に移した。

「おいで」

向けられる瞳は、迷子の子供のような頼りなさが見える。普段の彼からは想像もできない……今のエースしか知らない人からしたら、想像もできない姿だろう。
わたしだって、子供の頃の強がりばかりのこの子が、今と同じ……今よりも泣きそうな顔をしていたのを見ていなければ、きっと想像もできなかったと言える。
エースの足取りはのろのと重く、それでも真っ直ぐにこちらへと向かってきて、しっかりと筋肉がついた腕が背中へと回った。

「おっ、とっと」

遠慮無しに乗せられた体重に、思わずよろけて背後にあったベッドへと倒れ込む。
それでもしがみつく腕はビクともせず、更には肩に顔を埋めて、擦り寄ってきた。くせっ毛の黒髪が頬を撫でてくすぐったい。
ほぼ一日中半裸の彼は、今も変わりない。わたしの手のひらは直にエースの体温を拾う。背を撫でながら「本当に大きくなったなぁ」なんて考える。この手触りが違う所は、タトゥーか。

わたしより大きな体を丸め、縋るようなその姿に胸が締め付けられた。
幼い頃に、真っ直ぐな愛情を向けられることが少なすぎた彼を、どう癒してやれようかと考えることは頻繁にあるし、記憶が戻った今、出来うる限り家族として、恋人として、真っ直ぐに愛情を向けてる……つもりである。現にこうして弱り甘える姿を見せてくれるくらいには、きっと彼も受け止めてくれているはずだ。

……

耳に届く、控えめに鼻をすする音。あぁ本当に、どうしてやろうか。
与える愛は、溢れるほどある。求めるのなら、いくらだって注いであげる。
可愛らしいという気持ちと、愛おしいという気持ちを、ふんだんに込めて抱き締めてやる。頬をその髪に寄せて、大好き、愛してる。と囁いてやれば、わたしを抱き締める腕にも力がこもった。