モビーにお世話になってるよ。ご都合良く、エースくんを救おうね。三回跳ぶと言ったが、四度跳ぼう。ささっと浮かんだことを書いたので、おかしい所満載だろう。
「……行かなきゃ」
どこか遠い空を見つめていた女が、ぽつりと呟いた。
どこへだ?と椅子に座った大男が問いかければ、そちらへと視線が向けられるが、未だその瞳は遠くを見ているようだった。
「行かなきゃ、『行って』って叫んでる」
誰がだよい。そんな言葉も兄から投げかけられる。
「誰だろう……女の、人」
戸惑うような声とは裏腹に、女は足を迷いなく一歩踏み出す。それと同時に、彼ら彼女らが慕うオヤジが生み出すヒビとは異なる裂け目が、そこに発生した。
即座に警戒態勢をとる男たちを他所に、まるで引き寄せられるように女が足を進める。呼び止める声に振り返ったことに、安堵の息が誰かから聞こえた。
「エースが危ないって!オヤジ!マリンフォードに」
続く言葉は、ヒビが急激に拡がり黒い穴となり、その穴に女が飲み込まれたことで、途切れる。
翌日、ポートガス・D・エースの公開処刑の報せが世界中に届いた。
後に女は、今までで一番短い時間旅行だったな。と語ったそうな。
大乱戦中に突然現れた女。誰もが戦いの最中、その存在に気付かない者もいれば、遅れた者もいる。
しかし女は視界が拓け、瞬きをひとつ、ふたつ。そうして間もなく状況を理解したのだ。
目標は眼前にいるマグマ、赤犬サカズキ。そしてそのそばにいる、護るべきあの子の子供。託されたのだ、例え死に目に会えなかったとしても、生前に言葉一つでされた約束でも。
幸い赤犬の左側は、まだ人の形をしている。
「っらァ!!!!!」
「何じゃァ!!!?」
覇気を纏った全速力の蹴りは、サカズキの体勢を崩すには十分すぎた。反撃として振られたマグマと化した右腕をどうにか躱す。
「どこのどいつかと思うたら、随分昔に最強と呼ばれとった女じゃのう……!」
「お生憎様。今でも最強なのよ、わたしはね」
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