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かずきち
2025-06-02 00:57:14
9474文字
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SS
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SS詰め2
昼っぽいのまとめ
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探究心の付き添い
未開の地とは往々にしてワクワクするものである。
……
と、大通りに立ち並ぶ個人商店を見てはしゃぐ恋の姿を見て郁は思った。
各地へ赴きその土地で人気のお店やスポットを紹介する地域密着型の番組にゲストで呼ばれた二人は、距離的にも確かにあまり行く機会は訪れないだろう場所へロケへと来ていた。収録の最中に既に目を輝かせていた恋は、撮影終わりに当たり前のように郁を誘った。郁も立ち寄らせてもらった店の他にも気になった場所はあったのでもちろん嬉々としてその誘いを受けたのだが、あまりにも恋のテンションが高くてそちらの方にも気がいってしまう。
「さっき聞いたんだけどあそこの洋服屋さん、隣では古着も売ってるんだって。あとその隣の雑貨屋さんもちょっと雰囲気良さげじゃん?
……
あっちは
……
大福専門店!?なにそれすごー!!」
……
元気だ。一つずつ相槌を打っているつもりなのだが追いついているかも恋が聞いているのかもわからなかったが、それをBGMにあちこち見て回るのは郁も楽しかった。と、同時に前方不注意がすぎるのでそれは少し心配してしまう。植え込みやら街灯やら、段差だってあるのにずっと横を見たままだ。何か注意した方がいいだろうか、と考えていると自転車がスピードを出して横を通り抜けていく。
「郁!あそこのお店入りたい!」
「あっ、
……
えっ!?ちょっと待って!」
「おえ!?」
急に小走りになった恋と横を抜けた自転車のタイミングが同じで、状況の判断もせず咄嗟に恋の手を捕まえてしまった。しかし、落ち着いてよく見てみれば自転車の方向は恋の行き先とは全然違い、郁はただ恋を引っ張っただけになってしまった。
全く、余所見をしていたのは、どちらの方なのだか。
「なに!?」
「あー。えっと」
掴まれた反動でぐりんと郁へ向いて聞いてくる恋は、繋いだ手を見てぱちくりと瞬きをしていた。間違えた恥ずかしさもあり何も答えられずにいると一体なにを察したのか、急に恋がニヤけ顔でその手を握手するように繋ぎなおして、上下に振り出す。
「
………
郁くん、もしかして手繋ぎたかった?」
「えっ」
ロケした後に戻ってきて少なからず注目を集めている状態で流石にしないかな?と素直に返答しようとして。もしくは、前見ないと危ないよ、ときちんと伝えようとして。
「
……………………
」
……
したのに。いたく純粋な眼差しを浴びてしまった。
「う、う〜〜〜〜〜ん、そんな、感じ、かな!?」
「ほらー!もう、しょうがないなー!」
格好つけた答え方もろくにできずこれ以上墓穴を掘る前にという郁の焦りにさえも気もつかずに、にまにま笑う恋のおかしさったら。かわいいものだ。
「あー、えっと、ほら、中入ろう?」
恋を誤魔化したままでいたくて、手を引っ張って、店の中へと急いで連れていく。
そうして二人で仲良く店内を半分ほど見て回った頃に、室内で繋いでいる必要はなかったな、と、くすくす微笑む店員を見て我に返った郁がいた。
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