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えすびぃ
2025-05-28 19:09:56
6527文字
Public
設定類
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俳優BL1陣:台本
「愛猫は鎖につないで」
有家 音幸(ありいえ-おとゆき)役 ―― 並平 常尋
浮護 達哉(ふご-たつや)役 ―― 仁池 甚平
1
2
3
4
5
10.愛猫は鎖につないで
④ラスト
④
――
――
公園(夜)
音幸、息を切らして達哉を探す。
達哉、ベンチで座って空を見上げていたが人の気配に顔を向けて驚いた表情。
達哉「
……
音幸、どうして」
音幸「(息を整えながら)執事さんにあんたが居そうな所教えてもらったんですよ!」
達哉「そうじゃない。どうして自由になったのに、逃げないんだ」
音幸「先にあんたが逃げたから、ですかね」
達哉「俺が、逃げた
……
?」
音幸「そうでしょう、俺が飼い慣らせる従順なペットじゃないって分かって飼育放棄してるんだから。飼い主失格です」
達哉「
……
そうだな。お前の言う通りだ。だからなおさら分からない。どうしてお前は、そんな俺を追ってきたんだ」
音幸「そんなの、分かんないですよ」
達哉「分からない?」
音幸「いつもえらそうだし、好き勝手してくるし、なんでも決めつけて話進めるし、そもそもペット扱いするし、嫌ですけど、でも。
……
あんた、いつも寂しそうな子供みたいな顔してるから」
達哉「寂しそう
……
?」
音幸「達哉さんって、人に甘えたことありますか」
達哉「
……
(息をのむ)」
音幸「やっぱり。俺にはもっと甘えていいとか言うくせに、自分はしたことないんですね」
達哉「俺は財閥のトップだ。自分の立場は弁えている。だから、そんな弱味を晒すような事は
……
」
音幸「いいじゃないですか。俺にくらい。別に誰に言いふらしたりもしません」
達哉「お前
……
」
音幸「それとも、俺に引っ搔かれるのが怖いんですか?(悪戯っぽく笑う)」
達哉「さっきから何を言ってるんだ。まるで逃げる気がないみたいじゃないか」
音幸「ないですよ。あ、いや、あんな感じで飼われ続けるのは嫌ですけど
……
」
達哉「お前は俺のことが嫌いなんじゃないのか?」
音幸「嫌いなところもあります。でも、全部嫌いなわけじゃない」
達哉「だが、飼われるのは嫌だとお前は!」
音幸「俺と達哉さんって、それ以外にはなれないんですか?例えば、友達とか
……
恋人、とか?」
達哉「ッ
……
(目を見開く)」
音幸「誘拐されて、どこかも分からない所に売り飛ばされそうになってた俺を結果的に助けてくれた恩人だとは思ってるんですよ。達哉さんのこと。それに、あんたのこと気になるようになっちゃったし
……
放っておけないです。それとも、俺のことは同じ人間として見れませんか?」
達哉「そういう訳では
……
!」
音幸「達哉さんは、どうしたいですか」
達哉「俺は
……
(一つ呼吸をして)
……
どうしたらいいか、分からない。弱ったな、俺は完璧でいなければならないのに」
音幸「無理ですよ。あんたも人間なんだから」
達哉「
……
あの日、あの悪趣味なオークション会場には付き合いで行った。だが、ふと気付いてしまったんだ。金で買った相手なら、打算も腹の探り合いも無く済む俺の癒しになってくれるんじゃないかと」
音幸「それが『俺のペット』だったんですね」
達哉「友人も、恋人も、居たことがない。俺にはそれしかないと思った。そんな時に、お前が売りに出された。
……
運命だと、お前が良いと思った」
音幸「
……
告白じゃないですか、そんなの」
達哉「だが、間違っていたんだな。金で買ったとて、心まで俺のものになるとは限らない」
音幸「むしろお金で買おうとするからですよ、馬鹿だなあ」
達哉「馬鹿
……
」
音幸「ほら(手を差し出す)」
達哉「何だ
……
?」
音幸「俺たちは二人とも、人間なんだから。繋ぐのは鎖じゃなくて、これでいいんですよ」
達哉「
……
そうか。
……
そう、なのかもな」
二人、ぎこちなくも手を繋ぎ笑い合う。
――
④
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